IPA「インシデントによる被害に備えた事業継続・復旧体制の整備」は、業務停止に至った場合の経営影響を考え、復旧目標、手順書、対応体制を整備する考え方を案内しています。
初動は原因断定より、人命・安全、影響拡大防止、専門連絡、証拠保全、重要業務の代替を優先します。切離し等の具体操作は自社手順と専門家の指示に従います。
本文は通常月商300万円、20営業日、停止5日、緊急費190万円、月末現金235万円という架空例です。損害額、復旧日数、保険金、融資対応を保証しません。
身代金支払、警察・監督当局への届出、本人・取引先への通知、法的責任は個別判断です。事実確認前の公表や、記録を消す操作を避け、専門窓口へ相談します。

バックアップはあるが、復元確認・専門家連絡・停止中の給与と返済資金を決めていない
- 業務どのシステム停止が受注・提供・請求・入金を止めるか不明
- 費用復旧ベンダー費だけを見て調査・代替・通知・再発防止を含めていない
- 初動証拠保全、判断者、委託先、警察・相談窓口への連絡順がない
この記事の結論
- 5日停止の売上影響75万円
300万円÷20日×5日の単純例です。 - 緊急費190万円を分解
調査、復元、連絡、代替運用を分けます。 - 返済を含め月末235万円
入金減と緊急支出を同じ表で確認します。
サイバー事故・システム停止時の資金管理の不足を無料相談で整理する
資料がすべて揃っていなくても相談できます。現在ある通帳、会計データ、融資資料から、どこを先に整えるべきかを確認します。
検知直後の行動を役割と連絡先へ落とす
技術判断を経営者一人の記憶に頼りません。
表は左右に動かせます。
項目名は固定表示です。
| 初動項目 | 確認すること | 担当・連絡 |
|---|---|---|
| 安全確保 | 人身・設備影響 | 現場責任者 |
| 異常記録 | 時刻・画面・端末 | 発見者 |
| 拡大防止 | 接続・アカウント | IT専門先 |
| 証拠保全 | ログ・端末・メール | 調査会社 |
| 社内指揮 | 判断・承認 | 経営者 |
| 外部連絡 | 警察・IPA等 | 窓口一覧 |
| 顧客対応 | 事実・影響・窓口 | 法務・広報 |
| 代替業務 | 受注・出荷・決済 | 業務責任者 |
IPA「サイバーセキュリティ 相談・届出窓口一覧」を印刷・オフラインでも参照できるようにし、契約中の保守・保険・クラウド連絡先と一緒に保管します。
発見者を責める運用にせず、早期報告が止まらない連絡手順を作ります。
緊急対応費190万円を目的別に積み上げる
標準費用ではない架空例です。
表は左右に動かせます。
項目名は固定表示です。
| 項目 | 架空金額 | 支払前確認 |
|---|---|---|
| 初動調査・封じ込め | 800,000円 | 範囲・時間単価 |
| 復元・再構築 | 600,000円 | 対象・完了条件 |
| 通知・相談等 | 200,000円 | 対象件数・専門費 |
| 代替運用 | 300,000円 | 端末・配送等 |
| 緊急費合計 | 1,900,000円 | 80+60+20+30万円 |
| 保険入金 | 0円で計画 | 未確定 |
| 身代金 | 計上しない | 専門相談 |
| 再発防止 | 別途見積り | 復旧後に分離 |
緊急時も発注先、作業範囲、時間単価、上限、成果物、支払日を可能な範囲で確認します。
復旧と再発防止を同じ一式にせず、業務再開に必須の支出を先に把握します。
通常月商300万円・20日から5日停止の影響75万円を置く
売上損失を保証しない単純な架空例です。
表は左右に動かせます。
項目名は固定表示です。
| 項目 | 架空値 | 計算・確認 |
|---|---|---|
| 通常月商 | 3,000,000円 | 平常実績仮定 |
| 営業日 | 20日 | 仮定 |
| 1日売上 | 150,000円 | 300万円÷20日 |
| 停止日数 | 5日 | 受注不能 |
| 単純影響 | 750,000円 | 15万円×5日 |
| 延期売上 | 別途 | 再開後へ移る分 |
| 取消・返金 | 別途 | 顧客別確認 |
| 信用影響 | 数値断定しない | 継続率を追跡 |
止まった5日分がすべて永久に失われるとは限らず、延期、代替、取消、返金に分けます。
受注はできても製造・出荷・請求が止まる場合は、工程別に売上と入金への影響日を置きます。
月初500万円から事故月末235万円を残す
入金減と緊急費を含む架空例です。
表は左右に動かせます。
項目名は固定表示です。
| 項目 | 架空金額 | 根拠 |
|---|---|---|
| 月初現金 | 5,000,000円 | 事故発生時 |
| 事故月入金 | +2,250,000円 | 300-75万円 |
| 通常支出 | ▲2,800,000円 | 仕入・給与等 |
| 緊急対応費 | ▲1,900,000円 | 80+60+20+30万円 |
| 借入返済 | ▲200,000円 | 予定表 |
| 保険金 | 0円 | 未確定 |
| 月末現金 | 2,350,000円 | 500+225-280-190-20万円 |
| 翌月復旧費 | 別途 | 未払・再発防止 |
事故月末235万円から翌月給与、税、外注、復旧残金を払えるか13週表で確認します。
保険や補助金は入金時期が確定するまで、資金不足を埋める確定現金にしません。
技術証拠・経営判断・資金記録を同じ時系列へ残す
調査、通知、保険、金融機関説明で事実がずれないようにします。
表は左右に動かせます。
項目名は固定表示です。
| 記録 | 内容 | 注意 |
|---|---|---|
| 事象ログ | 発見時刻・症状 | 推測と分離 |
| 資産一覧 | 端末・サービス・担当 | 最新化 |
| 操作履歴 | 誰が何をしたか | 消去を避ける |
| 連絡記録 | 相談先・回答 | 受付番号 |
| 影響一覧 | 顧客・業務・期間 | 更新履歴 |
| 発注請求 | 範囲・金額・日 | 証憑保存 |
| 資金繰り | 日次入出金 | 基準残高 |
| 再発防止 | 原因・担当・期限 | 検証結果 |
画面写真やログを公開資料へそのまま貼らず、個人情報、認証情報、攻撃手法の漏えいを確認します。
公表内容と金融機関説明は確認済み事実を基準にし、原因未確定なら未確定と明示します。
平時の備えから復旧後の資金管理までつなげる
バックアップだけで終わらず、業務・連絡・現金を復旧対象に含めます。
表は左右に動かせます。
項目名は固定表示です。
| 管理場面 | 確認する事実 | 残す記録 |
|---|---|---|
| 平時 | 重要業務・復旧目標 | BCP |
| 検知 | 異常・時刻・端末 | 事象ログ |
| 初動 | 隔離・連絡・証拠 | 指示記録 |
| 復旧 | 優先業務・検証 | 復旧記録 |
| 再開 | 顧客・入金・返金 | 取引台帳 |
| 事後 | 原因・改善・資金 | 報告書 |
重要業務と復旧目標を経営者が決める
すべてのシステムを同時に戻すのではなく、受注、製造、出荷、決済、給与など停止影響を比較します。何時間・何日以内にどの水準まで戻すかを決め、IT担当だけでなく現場、経理、顧客対応の手順を合わせます。
資産と依存関係を一覧にする
端末、サーバー、クラウド、メール、ドメイン、決済、委託先、管理者、契約番号を一覧にします。一つの認証基盤が止まると複数業務へ入れない場合があるため、代替連絡とオフラインの参照方法を準備します。
バックアップは復元まで試す
保存されていることと業務を再開できることは別です。対象データ、頻度、世代、保管場所、暗号化、管理権限、復元時間を確認し、隔離した環境で定期的に復元テストします。結果と失敗理由を記録します。
保険の連絡条件を事故前に読む
補償対象、免責、待機期間、上限、初動支援、事前承認、指定業者、通知期限を確認します。緊急発注の前に連絡が必要な場合へ備え、証券番号と24時間窓口をオフラインで保管します。支払を確約とみなしません。
代替運用の統制を弱めない
紙や個人端末で受注する場合も、顧客情報、承認、連番、保管、後入力を決めます。復旧後に二重受注や請求漏れが起きないよう、代替期間の取引へ印を付けます。私用メールや無許可クラウドへ機密情報を移しません。
顧客連絡は確認済み事実で更新する
発生日時、影響範囲、利用者が取る行動、問合せ窓口、次回更新時刻を整理します。原因や漏えいを未確認で断定せず、逆に都合の悪い事実を隠しません。法令・契約上の通知は弁護士等へ確認します。
金融機関へ不足前に相談する
事故費190万円と売上影響75万円の架空例を、通帳残高、支払予定、復旧見積、保険状況とともに示します。返済を勝手に止めず、相談日までの支払優先順位と改善見通しを整理します。
復旧完了をログイン成功だけで決めない
マルウェア除去、脆弱性対応、認証情報変更、データ完全性、処理結果、監視を確認します。安全確認前に全端末を接続し直さず、専門家が決めた段階的な再開条件に従います。顧客への再開案内も運用確認後に行います。
事故後の費用を通常経費へ埋めない
調査、復元、通知、返金、休業、再発防止、保険入金を案件コードで追います。経営判断に使えるよう、当初見積、追加、実支払、未払、回収見込を分けます。会計・税務処理は税理士へ確認します。
サイバー事故時の連絡・決済・給与を止めない経営実務
事故連絡用の安全な経路を別に持つ
社内メールやチャットが侵害された可能性がある場合、同じ経路だけで対応を指示すると攻撃者へ情報が渡るおそれがあります。緊急電話網、別管理の連絡先、集合場所を用意し、どの条件で切り替えるかを決めます。私用アプリを無制限に使わず、共有してよい情報と記録の保存先を定めます。
保守会社の遠隔接続権限を確認する
委託先が常時使える管理者権限、VPN、リモート保守アカウントを一覧にし、利用者、認証、接続記録、停止方法を確認します。事故時にどちらが切断・調査を指示するかを契約へ入れます。退職者や契約終了先の権限が残っていないか定期確認し、緊急対応で共有した一時権限は終了後に回収します。
オンライン決済停止時の代替を決める
カード端末、EC、請求書発行、銀行振込が使えない場合の受注可否と代替手順を準備します。手書きカード情報の保管など危険な代替をその場で始めず、決済会社の障害手順に従います。後日決済する取引は顧客同意、金額、商品、担当、回収日を台帳化し、二重請求を防ぎます。
資金移動の不正リスクを高めない
事故対応を装った振込先変更や緊急請求が届く可能性があります。復旧会社、取引先、従業員の口座変更は、登録済み連絡先への折返しと複数者承認で確認します。メールだけで高額送金せず、振込上限、承認端末、予備担当を平時に設定します。急ぎでも請求主体と契約を記録します。
給与・社会保険の支払を優先管理する
給与計算データや勤怠が使えない場合に備え、最低限必要なデータ、前月との差、承認者、銀行手続を確認します。個人データを無許可の端末へ複写せず、給与計算会社や金融機関の緊急連絡先を用意します。支払遅延のおそれがあれば、労務・社会保険の専門家へ早めに相談します。
取引先契約の報告期限を一覧にする
事故発生や情報漏えいのおそれを何時間・何日以内に報告する契約があるか、重要取引先・クラウド・保険ごとに確認します。法令上の届出と契約報告を同じものと考えません。事実が変わった場合の更新連絡、問合せ窓口、承認者を決め、営業担当が別々の説明をしないよう統一します。
復旧費の追加承認を段階化する
初動調査80万円という架空見積でも、夜間対応、端末追加、ログ解析、出張で増える可能性があります。緊急上限、追加見積を取る金額、代表者以外の承認者を決めます。技術的に必要な作業を止めない一方、作業範囲と実施時刻を記録し、後日請求を資金繰りへ反映できる状態にします。
再開後の売上回収を案件別に追う
停止中の注文を延期、取消、返金、代替提供へ分類します。再開後に処理量が集中しても、すべて当月売上として即入金されるとは限りません。顧客別に納品、請求、入金予定を更新し、事故月の75万円という架空影響を実績へ置き換えます。追加値引や再配送の粗利も確認します。
サイバー事故後の資金繰りで整理したい3つの状況
以下は実績や融資成功例ではなく、相談前の整理方法を示す架空例です。
5日停止の架空例で、売上影響75万円と緊急費190万円を13週表へ入れます。
保険請求中ですが金額未確定です。確定入金と分け、翌月支払までの現金を確認します。
返済日前に資金不足が見込まれます。事故記録、復旧見積、改善計画をそろえて取引支店へ相談します。
創業融資サポートを利用したお客様の声
支援の進み方や相談時の状況を知るには、実際のお客様インタビューが参考になります。承認率などの集計数字ではなく、ご本人の体験を確認できる事例をご案内します。






融資のアイラボの料金と支援範囲
着手金0円・成功報酬5%+税
報酬は融資が実行され、着金したときに発生します。融資が実行されなかった場合、サポート報酬はかかりません。
契約前に、成功報酬の計算対象、消費税、支援期間、追加費用の有無、解約条件を確認します。支援を利用しても融資は保証されず、最終的な可否と条件は金融機関等が決定します。
よくある質問
初動操作、届出、通知、復旧、保険、返済は状況により異なります。自社手順と専門窓口の指示を優先してください。
感染が疑われたら電源を切ればよいですか?
状況により証拠や復旧へ影響します。自社手順と専門家の指示に従い、勝手な操作を増やしません。
ネットワークから切り離しますか?
影響拡大防止が必要ですが、具体操作は環境で異なります。連絡先と手順を平時に決めます。
バックアップがあればすぐ復旧できますか?
感染・破損・復元手順・依存サービスを確認し、隔離環境で復元テストを行う計画が必要です。
身代金を払えば解決しますか?
復旧や情報非公開は保証されません。自己判断せず警察、専門家、保険会社等へ相談します。
借入返済を止められますか?
自動では止まりません。不足を予測した段階で取引金融機関へ事実と資金繰りを示して相談します。
保険金をすぐ入金として計上できますか?
支払可否・金額・時期が未確定なら確定入金と分けます。保険会社へ事故連絡と必要資料を確認します。
顧客へいつ連絡しますか?
事実、影響範囲、法令、契約を確認し、専門家と通知内容・時期・窓口を決めます。
この記事の監修者・運営者情報

石川 康平
五常コンサルティング株式会社 代表取締役
2024年の問い合わせ・ヒアリング対応300件をもとに、創業融資の支援範囲・料金・制度情報について確認しています。
- 執筆・編集
- 融資のアイラボ編集部
- 監修
- 五常コンサルティング株式会社 代表取締役 石川 康平
- 公開日
- 2026年8月10日
- 最終更新日
- 2026年9月2日
- 制度情報の確認方法
- 日本政策金融公庫、信用保証協会などの公式ページを確認し、申込時は各窓口で最新情報を再確認します。
※記事内の相談場面を表現した写真は、内容を分かりやすく伝えるために作成したAI生成のイメージです。「お客様の声」に掲載しているお客様と監修者の写真は、実際のお客様・監修者の写真です。
確認した公式情報・補足資料
制度・法令は公的機関や専門団体の公式情報を優先して確認し、民間事業者のページはサービス内容や比較観点を補う資料として参照しています。申込・契約時は、各公式ページと契約書面で最新情報をご確認ください。
- 補足:IPA「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」
- 補足:IPA「インシデントによる被害に備えた事業継続・復旧体制の整備」
- 補足:IPA「サイバーセキュリティ 相談・届出窓口一覧」
- 公式:日本政策金融公庫「創業計画の書き方」
情報確認日:2026年9月2日
サイバー事故・システム停止時の資金管理を次回融資まで逆算して整理する
サイバー事故の停止業務・初動費・復旧期間を分け、返済を含む資金不足日を事前に確認します。相談時点で契約する必要はなく、現在ある資料と社内の運用から確認できます。
資料が完成していなくても、相談した時点で契約する必要もありません。
※融資の可否、金額、利率、返済期間、担保・保証人などの条件は、各金融機関・信用保証協会の審査により決定されます。融資のアイラボは金融機関ではなく、融資の実行を保証するものではありません。
※本記事は2026年9月2日時点の公表情報をもとに作成しています。制度内容は変更される場合がありますので、申込時には必ず各公式窓口で最新情報をご確認ください。
