固定金利は契約で定めた期間の利率を固定し、変動金利は契約上の基準・時期に従って見直されます。完済まで固定する契約と、数年だけ固定する契約も区別が必要です。
ここにある金利・残高・費用は計算用の架空条件です。市場の相場、金融機関の提示条件、今後の金利予測ではありません。自社の契約と返済予定表へ置き換えて比較してください。

現在表示されている年率だけを比較し、基準金利・固定期間・見直し日・上昇時の利息増加を確認していない
- 定義固定の対象期間と変動の基準金利が分からない
- 反映見直し日・通知・返済額への反映方法を読んでいない
- 耐性金利が0.5~1.0ポイント上がる場合を試算していない
この記事の結論
- 固定される範囲を読む
全期間か一定期間か、固定終了時と繰上返済の条件を確認します。 - 上昇幅を円に直す
3,000万円が1年間減らない仮定なら、0.5ポイント上昇で利息は年15万円増えます。 - 元金・費用・現金を別に管理
利息以外の返済元金、保証料、手数料と、残す現金を同じ期間で確認します。
固定・変動・期間固定は、変わる条件と時期が違う
「固定か変動か」に加え、固定が終わる時点と費用の発生条件まで一行ずつ確認します。契約書に見当たらない条件は、推測して埋めず借入先へ照会します。
表は左右に動かせます。
項目名は固定表示です。
| 区分 | 利率の扱い | 契約で確認すること |
|---|---|---|
| 全期間固定 | 契約で定めた利率を全期間に適用 | 対象期間、繰上返済・条件変更の費用 |
| 変動 | 基準金利等と契約条件で見直す | 基準、上乗せ幅、見直し日と反映日 |
| 期間固定 | 定めた期間だけ固定 | 終了後の選択肢、再設定時の利率・費用 |
| 公表統計 | 多くの貸出を集計した参考値 | 新規・ストック、期間、集計対象 |
日本政策金融公庫「国民生活事業をはじめてご利用の方へ」は国民生活事業の固定金利を一部制度の例外付きで案内しています。民間の個々の契約も同じ条件とは限りません。
日本銀行「貸出約定平均金利の推移の解説」では新規とストックを分け、住宅ローン等も含めて集計しています。統計の平均を創業者への融資相場や、自分に適用される最低金利と読み替えないでください。
残高3,000万円の金利が0.5ポイント上がると、年15万円の増加が目安
元金返済がなく、残高3,000万円が1年間一定という感応度の例です。年1.5%を出発点とし、年額を12で割った金額は月平均の目安です。月々の請求額とは限りません。
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| 年利率 | 上昇幅 | 年利息 | 基準からの増加 |
|---|---|---|---|
| 1.50% | 基準 | 450,000円 | 0円 |
| 1.75% | 0.25ポイント | 525,000円 | 75,000円/年 |
| 2.00% | 0.50ポイント | 600,000円 | 150,000円/年 |
| 2.50% | 1.00ポイント | 750,000円 | 300,000円/年 |
0.50ポイントは0.005です。3,000万円×0.005=15万円、月平均では12,500円の増加になります。「利率が0.5倍になる」「今の利息の0.5%だけ増える」という意味ではありません。
実際の適用が半年だけなら、年間一定の例をそのまま使いません。改定前後で期間を区切り、それぞれの元金残高と契約の日割・月割方法で計算します。
毎月10万円ずつ元金を返す場合は、月初残高を順に減らす
元金1,200万円を毎月末に10万円返し、月初残高×年利率÷12で利息を計算する架空例です。各月の端数処理を省略して比較し、実際の銀行の計算方法は予定表で確認します。
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| 月 | 月初残高 | 年2%の利息 | 年3%の利息 |
|---|---|---|---|
| 1か月目 | 12,000,000円 | 20,000円 | 30,000円 |
| 2か月目 | 11,900,000円 | 約19,833円 | 29,750円 |
| 12か月目 | 10,900,000円 | 約18,167円 | 27,250円 |
| 12か月合計 | 月初残高合計137,400,000円 | 229,000円 | 343,500円 |
この1年間の元金返済は120万円で、期末の借入残高は1,080万円です。利息差は114,500円。年初残高1,200万円が減らないとした12万円の差より5,500円少なくなります。合計は表示を丸める前の数値で計算しています。
この例の毎月の返済は元金10万円に各月の利息を加えた額です。元利均等返済では利率改定後の返済額や内訳が違うため、この表を正式な返済予定表として使わないでください。
低い利率でも、初回費用を含めると比較結果が変わる
借入1,000万円、1年後に元金を一括返済する2提案の架空比較です。保証料等は下記以外0円、費用は自己資金から支払い、1年内に繰上返済しないものとします。
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| 比較項目 | 提案A・固定 | 提案B・変動(変化なし) |
|---|---|---|
| 年利率 | 2.40% | 2.00% |
| 1年間の利息 | 240,000円 | 200,000円 |
| 初回手数料 | 110,000円 | 220,000円 |
| 1年間の利息・費用合計 | 350,000円 | 420,000円 |
| 満期に返す元金 | 10,000,000円 | 10,000,000円 |
Bは利率が0.4ポイント低くても、この1年比較では費用が70,000円多くなります。Bの後半6か月だけ年3%になったと仮定すると、利息は100,000円+150,000円=250,000円、費用合計は470,000円です。
これは費用比較の一例で、変動金利が不利になるという予測ではありません。期間を延ばすと初回費用の影響は変わり、更新時の費用や返済残高も関係します。満期の元金1,000万円は費用と別に資金繰りへ置き、借換で必ず払えるとは考えません。
金利上昇と税・賞与が重なる月は、返済後に残す現金を確認する
別の月次例です。月初200万円、実入金300万円、事業支払270万円、元金返済20万円とし、利息5万円から6万円へ上がる場合を比較します。税・賞与40万円は事業支払270万円に含めていません。
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| 項目 | 現状利息5万円 | 上昇後利息6万円 |
|---|---|---|
| 税・賞与前の月末残高 | 205万円 | 204万円 |
| 税・賞与の支払 | 40万円 | 40万円 |
| 支払後の残高 | 165万円 | 164万円 |
| 必要残高170万円との差 | 5万円不足 | 6万円不足 |
借入残高と預金残高は別です。返済で借入が減っても、手元の現金も減ります。元金を損益の経費へ入れず、利息を元金返済に重複して含めないようにします。必要残高170万円はこの例の経営上の仮定で、金融機関共通の審査基準ではありません。
すでに現状でも必要残高を下回る例なので、金利だけを原因とせず、入金日・支払時期・固定費も点検します。売上計上と口座への入金がずれる事業は日付別に確認し、契約条件の変更は借入先の回答が出てから計画へ反映します。
固定・変動金利の選択管理で想定される相談内容
以下は実績・成功事例ではなく、相談時に整理対象となりやすい状況を示した想定ケースです。利率の見直し時期、固定期間終了後の条件、返済額の改定方法、各種手数料は契約ごとに異なります。借入先の契約書・改定通知・返済予定表を基に比較し、条件変更の可否も借入先へ確認してください。
固定金利と変動金利の提案について、基準金利・見直し日・手数料を同じ表で比較したい
変動金利借入が0.25~1.00ポイント上がる場合の年間利息と月次残高を試算したい
複数借入の金利改定時期を一覧化し、税金・賞与と重なる資金不足月を確認したい
固定・変動金利を比較する5工程
契約収集、条件分解、感応度、資金反映、定期確認の順です。
- 01契約収集金利区分・残高・期間
- 02条件分解基準・上乗せ・見直し
- 03感応度複数上昇幅・残高推移
- 04資金反映利息・返済・税金等
- 05定期確認通知・予定表・相談
金利水準・変動耐性・契約自由度の3軸で比較する
現在利率だけで選びません。
同じ期間・残高で比較
慎重案を確認
手数料も含める
確認の組合せ残高・利率差が1年間一定の追加利息目安=対象残高×金利上昇幅(ポイントを率へ換算)
固定・変動金利の選択管理について判断軸を整理した図です。個別案件の処理結果や融資条件を確定するものではないため、各借入先の契約書・金利改定通知・返済予定表を優先してください。
固定・変動の名称比較ではなく、基準金利・反映日・残高推移を契約単位で管理する
公表金利と適用金利を混同しない
日本銀行統計や金融機関の表示は参考です。自社の利率は契約、改定通知、返済予定表で確認します。
上昇幅はポイントで計算する
年1.5%から2.0%への変化は0.5ポイントです。割合の言い方を混同せず残高へ掛けます。
複数借入は契約ごとの見直し時期を確認する
全契約が同日に変わるとは限りません。見直し日と残高推移を月別に置きます。
事業融資の固定金利・変動金利・期間固定の適用範囲を確認する
契約・改定通知・返済予定表を照合
借入契約と最新の改定通知から、現在の利率・適用日・残高・返済方法を取り出します。過去の予定表と新しい利率を混ぜないよう、資料の作成日と対象期間を確認します。
式・期間・前提を残す
試算には各期間の借入残高、適用利率、改定日、元金返済日、日割・月割の方法、端数処理を残します。利率差だけを比較する概算と、実際の返済予定額を分けて表示します。
申込・更新・変更前に照会
固定期間の終了や借換を検討する前に、借入先へ変更条件・費用・適用時期を照会します。保証付き融資で追加確認が必要な場合も、借入先と手順を合わせ、回答前の条件を確定案にしません。
金利台帳には、金融機関、契約番号、残高、返済方法、現在利率、固定・変動区分、固定期間、基準金利、上乗せ幅、見直し基準日、反映日、通知方法、手数料、繰上返済条件、次回確認日を記録します。
固定・変動の選択だけで将来の総負担は決まりません。金利上昇の予測と契約で決まっている条件を区別し、保証料・更新料・繰上返済費用も同じ期間で比較してください。
基準金利・上乗せ幅・見直し日・通知方法を契約から抜き出す
確定利率・固定期間・変更条件
- 契約利率が固定される対象期間
- 固定期間終了時の選択・条件
- 借換・条件変更・繰上返済手数料
- 確定利息を資金繰りへ反映
基準金利・見直し日・感応度
- 参照する基準金利と上乗せ幅
- 見直し頻度・基準日・反映日
- 変更通知と返済予定表の更新
- 0.25~1.00ポイント上昇時の負担
残高3,000万円に対し金利が0.50ポイント上がる場合、単純な年間影響の目安は15万円です。実際は返済による残高減少、適用日、日割・月割、返済方式等で変わるため、正式な返済予定表で確認します。

0.5ポイント上昇を小さい差と見ず、複数借入の年間・月次影響へ置き換える
借入ごとの残高と見直し日が違えば影響時期も異なります。全契約を一表にし、金利上昇月の税金・賞与・返済と重ねます。
契約の金利区分・費用・上昇耐性を確認する
表は左右に動かせます。
項目名は固定表示です。
| 区分 | 主な確認内容 | 確認・整理の要点 |
|---|---|---|
| 固定 | 一定期間の利率を固定 | 固定終了条件を確認 |
| 変動 | 基準金利等で見直し | 基準日・反映日を確認 |
| 費用 | 利息・手数料・違約金等 | 総調達費用で比較 |
| 耐性 | 上昇幅別の資金影響 | 13週・12か月へ反映 |
固定は必ず高い、変動は必ず有利とは決められません。期間、信用状況、担保・保証、制度、金融機関方針、固定化コスト、将来の資金余力を同じ前提で比較します。
表示金利だけでなく手数料・繰上返済・借入期間を含めて比較する
金利区分・残高・期間
基準・上乗せ・見直し
複数上昇幅・残高推移
利息・返済・税金等
通知・予定表・相談
12か月資金繰りへ借入ごとの元金・利息を入れ、変動契約は現在・0.25・0.50・1.00ポイント上昇等の案を比較します。単純計算と正式返済額を区別します。
上昇時に資金不足となる月、必要な手元資金、価格・粗利・固定費の改善余地を確認し、契約変更や借換が必ずできる前提にはしません。
制度、許認可、手続、融資条件は変更される場合があります。申込時は公的機関の最新情報と金融機関の案内を確認してください。
固定・変動金利の判断で用意したい契約・資金資料
金銭消費貸借契約、特約・変更契約、返済予定表、金利改定通知、借入一覧、手数料表、月次試算表、13週・12か月資金繰り、金利感応度表を用意します。
2026年8月31日に公庫の固定金利・事業資金案内、日本銀行の統計の定義、公庫の資金・収支計画の関連箇所を確認しました。現在の個別適用金利や将来相場を示していません。計算は架空の単純化した条件で、実額は金融機関の正式な契約・予定表で確認してください。
創業融資サポートを利用したお客様の声
支援の進み方や相談時の状況を知るには、実際のお客様インタビューが参考になります。承認率などの集計数字ではなく、ご本人の体験を確認できる事例をご案内します。






融資のアイラボの料金と支援範囲
着手金0円・成功報酬5%+税
報酬は融資が実行され、着金したときに発生します。融資が実行されなかった場合、サポート報酬はかかりません。
契約前に、成功報酬の計算対象、消費税、支援期間、追加費用の有無、解約条件を確認します。支援を利用しても融資は保証されず、最終的な可否と条件は金融機関等が決定します。
よくある質問
固定・変動の契約条件と利息・返済への影響を整理します。個別の適用条件は借入先へ確認してください。
固定金利なら完済まで同じ利率ですか?
全期間固定なら原則その契約期間の利率を固定しますが、期間固定の商品は固定期間終了後の条件が別です。固定の対象期間、特約、条件変更時の扱いを契約で確認します。
公庫の事業融資は固定金利ですか?
国民生活事業は、一部の融資制度を除き契約時の利率が完済まで適用される固定金利と案内されています。事業区分や制度を確認し、全公庫商品へ一律に広げないでください。
金利が0.5%上がるとはどう計算しますか?
年1.5%から2.0%は0.5ポイントの上昇で、差は0.005です。対象残高3,000万円が1年間一定なら追加利息は15万円。返済による残高減少や適用期間があれば実額は変わります。
短期プライムレートが上がると翌月の返済も増えますか?
参照する基準金利、見直し日、利率反映日、返済方式によります。報道された日付と自社の適用日を同一にせず、改定通知と予定表で確認します。
変動金利には5年ルールや125%ルールがありますか?
住宅ローンで見かける返済額の見直しルールを、事業融資にもあると考えないでください。元利均等・元金均等の別を含め、契約に定めがあるか借入先へ確認します。
金利が低い提案を選べば総費用も下がりますか?
保証料、取扱手数料、繰上返済・借換費用などで逆転する場合があります。同じ借入額・期間・返済条件で比較し、初回費用の単純年換算を正式な実質年率とは呼ばないでください。
返済が厳しくなる前に何を相談すればよいですか?
金利が変わる月、元金返済、税・賞与等の支払、最低残高を一覧にして借入先へ相談します。固定化や借換、条件変更が必ず認められる前提では資金計画を組みません。
この記事の監修者・運営者情報

石川 康平
五常コンサルティング株式会社 代表取締役
2024年の問い合わせ・ヒアリング対応300件をもとに、創業融資の支援範囲・料金・制度情報について確認しています。
- 執筆・編集
- 融資のアイラボ編集部
- 監修
- 五常コンサルティング株式会社 代表取締役 石川 康平
- 公開日
- 2026年8月11日
- 最終更新日
- 2026年8月31日
- 制度情報の確認方法
- 日本政策金融公庫、信用保証協会などの公式ページを確認し、申込時は各窓口で最新情報を再確認します。
※記事内の相談場面を表現した写真は、内容を分かりやすく伝えるために作成したAI生成のイメージです。「お客様の声」に掲載しているお客様と監修者の写真は、実際のお客様・監修者の写真です。
確認した公式情報・補足資料
制度・法令は公的機関や専門団体の公式情報を優先して確認し、民間事業者のページはサービス内容や比較観点を補う資料として参照しています。申込・契約時は、各公式ページと契約書面で最新情報をご確認ください。
- 公式:日本政策金融公庫「国民生活事業をはじめてご利用の方へ」
- 公式:日本銀行「貸出約定平均金利の推移の解説」
- 公式:日本政策金融公庫「創業計画書セルフチェック・資金計画」
- 公式:日本政策金融公庫「創業計画書セルフチェック・収支計画」
情報確認日:2026年8月31日
確認範囲は、上記資料のうち本文で参照した制度・手続き・計算の前提です。個別の契約・見積り・審査結果まで確認したものではありません。
固定・変動金利の選択管理を次回融資まで逆算して整理する
固定・変動金利の契約条件と上昇幅別の返済影響を一覧化し、資金繰りへ反映します。相談時点で契約する必要はなく、現在ある資料と社内の運用から確認できます。
資料が完成していなくても、相談した時点で契約する必要もありません。
※融資の可否、金額、利率、返済期間、担保・保証人などの条件は、各金融機関・信用保証協会の審査により決定されます。融資のアイラボは金融機関ではなく、融資の実行を保証するものではありません。
※本記事は2026年8月31日時点の公表情報をもとに作成しています。制度内容は変更される場合がありますので、申込時には必ず各公式窓口で最新情報をご確認ください。
