まずは5つ。答えられることからメモする
- 経験 → 創業の動機・経歴
どんな仕事を、どの役割で担当した?
- 顧客 → 販売先・集客方法
誰の、どんな困りごとを解決する?
- 商品 → 事業内容
何を、いくらで、どこまで提供する?
- 売上 → 収支の見通し
月に何件を受け、どう対応する?
- 資金 → 必要資金と調達方法
何にいつ払い、いくら残す?
公庫様式への整理の目安です。質問への答えを、実際に使う様式の該当欄へまとめます。未確認の事実や架空の実績で埋めません。
下書きは箇条書きで構いません。確認できた事実、将来の計画、これから調べることを別にすると、分からない部分を無理に埋めずに進められます。
5つのメモと創業計画書の記入欄
表は左右に動かせます。
項目名は固定表示です。
| メモする項目 | 自分に聞く質問 | 用意する材料 |
|---|---|---|
| 経験 | 何を、何年、どの役割で担当したか | 職歴、担当業務、資格の記録 |
| 顧客 | 誰がどんな場面で必要とするか | 聞き取り、商談メモ、商圏の調査 |
| 商品 | 何をどこまで、いくらで提供するか | メニュー、見積条件、競合との比較 |
| 売上 | 月に何件を受け、何日で対応するか | 試算表、予約・見込みの区分 |
| 資金 | 何にいつ支払い、いくら残すか | 設備見積、通帳、支払予定 |
架空の清掃サービスなら、動機の下書きは「清掃会社で5年間、住宅清掃と現場調整を担当した。顧客から平日夕方の依頼があったが、勤務先では対応枠が限られていた。独立後は対応地域を絞り、夕方枠を含む予約制サービスを検討する」と書けます。単なる『地域に貢献したい』より、経験と提供内容のつながりが伝わります。
この例の年数・顧客の声は架空です。自分にない経験を埋め込まず、未経験なら研修、協力者、外注体制など、何を補う計画かを説明します。顧客の声も個人名や機密情報をむやみに載せず、事実を確認できる範囲で整理します。
日本政策金融公庫「創業計画書セルフチェック・創業動機と略歴」は経歴の勤務先名だけでなく担当業務や技能を、日本政策金融公庫「創業計画書セルフチェック・事業内容」は顧客・商品・価格と取引条件の確認を促しています。まずメモと根拠を対応させ、提出用の文章は最後に短く整えます。
この記事の結論
- 事実・仮定・未確認を分ける
きれいな文章より、何を根拠にした計画かを見えるようにします。 - 売上の式を先に作る
客数や件数、単価、営業日を分け、実際に対応できるか確かめます。 - 本人が説明できる状態にする
外注しても経験や見込み客を作らず、計算と資料を本人が確認します。
月30件を受けるなら、売上と時間はいくら?
清掃サービスの架空例です。30件は予約済みではなく計画上の仮定。件数を獲得できる根拠と、実際に対応できる時間の両方を確認します。
税の影響を省いた同一基準の単価で、個人事業の出張清掃サービスを考えます。下記の30件は受注済みではなく計画上の仮定です。作業能力と受注の見込みをそれぞれ確認します。
清掃サービス30件・売上60万円の根拠
表は左右に動かせます。
項目名は固定表示です。
| 項目 | 仮定する数字 | 確認すること |
|---|---|---|
| 1件の売上 | 20,000円 | 対象作業、追加料金、キャンセル |
| 営業日 | 20日/月 | 休業日、営業・事務の時間 |
| 計画件数 | 30件/月 | 問い合わせから受注になる根拠 |
| 平均件数 | 1.5件/営業日 | 訪問地域と移動時間 |
| 1件に必要な時間 | 作業3時間+移動等1時間 | 準備・片付けも測る |
| 計画の対応時間 | 120時間/月 | 30件×4時間。営業等の時間は別 |
月160時間働く仮定なら、対応120時間のほかに残る時間は40時間です。営業、見積り、経理、資材調達、予備日をこの中で確保できるかを確認します。空いている40時間すべてを追加受注に充てる計画にはしません。作業時間は説明用で、安全な標準時間や業界基準ではありません。
売上の式は20,000円×30件=600,000円です。問い合わせだけの案件を受注に数えず、確定予約、商談中、未接触の見込み客を分けます。仮に50件の問い合わせのうち60%を受注する設定なら30件ですが、50件集められる根拠と60%の根拠は別々に必要です。
受注が24件なら売上480,000円。値下げせず件数だけ20%少ない案です。見込みが弱いときは数字を大きくして帳尻を合わせず、試験的な集客や商談を増やし、その結果で仮定を更新します。
利益27万円でも、自由に使えるお金は27万円?
- 01税引前利益|27万円
売上60万円から事業経費等を引いた額
- 02現金でない費用を戻す|+2万円
減価償却費は、設備代を使う期間に分けて計上した費用。この月の現金支出ではない2万円を戻すと29万円。
- 03借入の元金を返す|−6万円
返済後に残る額は23万円
- 04生活費を別に確保|−20万円
税・社会保険等を支払う前の余裕は3万円
月24件なら、税・社会保険等を支払う前でも6万6,000円不足
個人事業の架空例。売上と費用が同月に入出金される等の条件です。利息は利益で控除済み。税等は別途必要で、生活費は事業経費に含めず、事業融資を生活費へ回す計画にはしません。
1件当たりの直接費4,000円、月のその他事業経費18万円、利息1万円、減価償却費2万円という架空条件です。個人事業主自身の生活費は事業の経費に含めていません。
利益27万円から生活費までの計算
表は左右に動かせます。
項目名は固定表示です。
| 項目 | 月30件の場合 | 月24件の場合 |
|---|---|---|
| 売上 | 600,000円 | 480,000円 |
| 直接費 | 120,000円 | 96,000円 |
| 売上総利益 | 480,000円 | 384,000円 |
| その他事業経費 | 180,000円 | 180,000円 |
| 支払利息 | 10,000円 | 10,000円 |
| 減価償却費 | 20,000円 | 20,000円 |
| 税引前利益 | 270,000円 | 174,000円 |
売上も費用も同じ月に入出金され、追加設備・在庫の増減がない単純化した条件なら、30件の利益270,000円に現金支出ではない減価償却費20,000円を戻し、元金返済60,000円を引くと230,000円です。そこから生活費200,000円へ回せるかを確認すると、税等を支払う前の余裕は30,000円になります。
24件では174,000円+20,000円−60,000円−200,000円=▲66,000円です。黒字でも生活費まで含めると足りないと分かります。借入元金をもう一度経費にせず、支払利息は利益計算で引いたものを二重に控除しません。所得税・住民税・社会保険等はこの例に含めていないため、実際には別に確保します。
さらに30件売れても、売上のうち100,000円が翌月入金なら、当月に売上から返済等を済ませて残る額は130,000円です。生活費200,000円との差70,000円は別に用意した家計資金から補うなどの対策が必要です。事業融資を生活費に回す計画にはしません。
日本政策金融公庫「創業計画書セルフチェック・収支計画」の確認事項を参考に、利益と返済の関係を整理します。自社ではカード・売掛金の入金日、仕入先への支払日を加え、月末だけでなく月中の資金も確認してください。
必要資金480万円と調達480万円を合わせ、生活予備費は別に残す
金額は実際の支払を想定した税込の架空例です。資金計画の見積りは、下書きの概算から正式見積へ更新します。申込先が設備・運転資金のどちらとして扱うかも確認してください。
表は左右に動かせます。
項目名は固定表示です。
| 必要資金 | 金額 | 裏付けと支払時期 |
|---|---|---|
| 車両・機材等 | 240万円 | 購入見積、納期、支払条件 |
| 開業前の広告・初回消耗品等 | 60万円 | 広告範囲、数量、契約条件 |
| 開業後に残す事業用現金 | 180万円 | 入金待ちと事業支払の資金繰り |
| 必要資金合計 | 480万円 | 240+60+180 |
| 事業へ投入する自己資金 | 200万円 | 蓄積・出所・現在残高 |
| 借入希望額 | 280万円 | 480−200。承認額ではない |
手元預金が290万円あっても、生活予備費90万円を残すなら、事業へ入れる自己資金は200万円です。290万円を全額自己資金として記載したうえで、別に同じ90万円を生活費にも使う計画は二重計上です。事業の現金180万円にも生活予備費を含めていません。
開業前の支払300万円と、開業後に残す現金180万円は別です。
この480万円の例に計画書作成・融資支援の外注報酬は含めていません。外注する場合は、税込報酬と支払時期を確認し、必要資金・調達方法・支払後残高を一緒に更新します。成功時に発生する報酬でも資金計画から省かず、融資の対象使途にできるかは申込先へ確認してください。
初回消耗品等60万円を支払済みにしたら、その同じ初回分を180万円からもう一度払うことにはしません。追加仕入・追加広告がある場合だけ、その時点の支払へ計上します。
180万円を一律に必要な運転資金とする根拠はありません。事業支出、入金までの期間、低売上が続く場合の不足、経営上残したい現金から自分で検証します。融資が希望より少ない場合は、設備の規模や開業時期を見直し、未確定の補助金や親族からの借入を自己資金として埋めないでください。
日本政策金融公庫「創業計画書セルフチェック・資金計画」を参考に、資金の使い道と調達方法の合計を一致させます。親族等から借りる場合も借入として分け、返済条件を隠さず伝えます。
外注前は材料をそろえ、提出前は自分の言葉で説明できるか確かめる
作成支援を受ける場合は、文章を整える範囲だけでなく、計算の修正と追加資料への対応も契約で確認します。本人の経歴・経験・資金の確認は省けません。
表は左右に動かせます。
項目名は固定表示です。
| 確認する段階 | 本人が確かめること | 修正の例 |
|---|---|---|
| 依頼前 | ヒアリング、料金、修正回数、納期 | 計算支援と面談準備の範囲を分ける |
| 下書き | 事実・仮定・未確認の区別 | 商談中を契約済みへ変えない |
| 数字の照合 | 売上・経費・必要資金の根拠 | 見積改定時は借入希望も見直す |
| 説明の練習 | 客数・単価・経験・返済の理由 | 読めない専門用語を自分の表現へ |
| 提出直前 | 添付、版、日付、名義の一致 | 古い見積と新しい本文を混在させない |
例えば設備見積が240万円から260万円になった場合、ほかが同じなら必要資金は500万円です。自己資金200万円を維持すると借入希望は300万円になります。本文の希望額だけを変えて、必要資金表を480万円のまま残さないようにします。増額の可否は別途審査されるため、見積の変更理由と代替案も用意します。
説明の練習では、支援者の文章を暗記するより「なぜ30件を見込むのか」「24件でも払えるか」「融資の入金が遅れたらどの支払が先に来るか」を答えてみます。答えられない箇所があれば、文章を増やす前に資料や前提を確認します。
自分で進められる項目は記入し、詰まった項目と関連資料だけを相談へ持ち込む方法もあります。利用する公庫の様式、相談予約、必要な添付は公式案内で確認し、外注費を払えば融資が確定するとは考えないでください。
2026年8月31日に日本政策金融公庫の創業計画書セルフチェックの創業動機・事業内容・資金・収支の関連箇所を確認しました。文章・金額・件数は説明用の架空例です。自分の事実と根拠へ置き換え、個別の必要書類や審査条件は申込先へ確認してください。
白紙の計画書で相談したい3つの想定ケース
以下は実在の相談・成功事例ではなく、説明用の架空の状況です。融資結果を示すものではありません。
経験をどう書くか迷う
担当した仕事は話せるが、顧客に何を提供するかにつながっていない。職歴と商品内容を照合したい。
希望売上しか数字がない
月商目標を、単価・件数・対応時間・受注根拠へ分け、実行可能性を確認したい。
黒字でも現金が足りない
元金返済と入金待ち、生活費を別に計算し、借入希望額と家計予備費を整理したい。
文章にする前に、答えられる事実を集める
創業のきっかけ、経験、顧客像、商品・価格、販売方法、必要な設備、毎月の費用を一問一答でメモします。うまい文章にするのは最後です。分からない項目は空白ではなく「要見積」「契約交渉中」など次の行動を書きます。
外注前に整理したい5項目
白紙から完成までの6ステップ
5項目を箇条書き
見積・価格・顧客情報
売上・原価・経費
事実を短く整える
数字と資料を一致
本人の言葉で確認
よく止まる箇所と解決方法
表は左右に動かせます。
項目名は固定表示です。
| 止まる箇所 | 解決のために集めるもの |
|---|---|
| 創業動機 | 転機、顧客の課題、自分の経験とのつながり |
| 強み | 比較対象、選ばれた経験、実績を示す数字 |
| 売上予測 | 客数×単価×日数、契約見込み、既存顧客 |
| 経費 | 物件、仕入、人員、広告、決済手数料の見積り |
| 必要資金 | 設備見積書と開業後数か月の運転資金 |
外注するときに確認する7項目
- ヒアリング時間と回数
- 本人が用意する材料
- 売上・経費の計算範囲
- 見積書等との整合確認
- 修正回数と期限
- 面談準備の有無
- 申込後の追加資料対応
5項目を、ひとつずつ箇条書きにする
経験・顧客・商品・売上・資金について、分かる事実を書いてください。各メモへ「確認済み」「仮定」「要確認」を添え、要確認のものは聞く相手や集める資料を決めます。
創業融資サポートを利用したお客様の声
支援の進み方や相談時の状況を知るには、実際のお客様インタビューが参考になります。承認率などの集計数字ではなく、ご本人の体験を確認できる事例をご案内します。






融資のアイラボの料金と支援範囲
経験や売上の見込みを文章にまとめにくい場合は、箇条書きのメモからご相談いただけます。当社が事業内容をヒアリングし、創業計画書の作成と面談準備を支援することで、未確認の項目を整理し、ご自身の言葉で説明する準備を進められます。
着手金0円・融資実行額の5%+税
報酬は融資が実行され、着金したときに発生します。融資が実行されなかった場合、サポート報酬はかかりません。
契約前に、成功報酬の計算対象、消費税、支援期間、追加費用の有無、解約条件を確認します。支援を利用しても融資は保証されず、最終的な可否と条件は金融機関等が決定します。
よくある質問
白紙の下書き、数字の作り方、外注前の準備で迷いやすい点です。例文と数字は自分の事実へ置き換えてください。
創業計画書が白紙でも相談できますか?
相談できます。事業内容、開業予定、経験、価格、必要な設備、手元資金を分かる範囲で整理してください。不明点は隠さず、何を調べるかを相談します。
創業の動機はどの順番で書けばよいですか?
経験した仕事や出来事、気づいた顧客の課題、自分が提供する内容、今始める理由の順にメモします。経験年数や実績は確認できる事実だけを書き、例文はそのまま転用しません。
売上の実績がない場合はどう書きますか?
単価×件数など事業に合う式を作り、価格調査・商談・試験販売・勤務経験等で各前提を確かめます。予定や仮説は実績と分け、少ない受注でも資金が続くか試算します。
見積書がまだない項目は空欄のままでよいですか?
下書きでは概算と見積依頼中を区別して記録し、取得先・確認期限を決めます。提出前に正式見積や申込先の必要資料へ合わせ、確定していない契約を契約済みと書かないでください。
専門家に作ってもらえば自分は説明しなくてよいですか?
経験、取引、資金の事実提供と計画の最終判断は本人が行います。完成後は売上の根拠、使途、返済を自分の言葉で説明できるか確認します。作成支援と融資の承認は別です。
利益が黒字なら返済にも困りませんか?
黒字でも売上の入金が遅れたり、元金返済・税・生活費が重なったりすると現金が不足します。損益と資金繰りを分け、個人事業では生活費に回せる売上資金も別に確かめます。
公庫の記入例はどこまで使えますか?
項目や説明の順序の参考に使えます。勤務先、資格、顧客、数値は自分の資料へ置き換えます。実在しない受注や自己資金、借りた経歴を書き足してはいけません。
この記事の監修者・運営者情報

石川 康平
五常コンサルティング株式会社 代表取締役
2024年の問い合わせ・ヒアリング対応300件をもとに、創業融資の支援範囲・料金・制度情報について確認しています。
- 執筆・編集
- 融資のアイラボ編集部
- 監修
- 五常コンサルティング株式会社 代表取締役 石川 康平
- 公開日
- 2026年7月31日
- 最終更新日
- 2026年9月23日
- 制度情報の確認方法
- 日本政策金融公庫、信用保証協会などの公式ページを確認し、申込時は各窓口で最新情報を再確認します。
※冒頭の仕事・相談場面はAI生成のイメージです。「お客様の声」と監修者に掲載する人物写真は、実際のお客様・監修者の写真です。
確認した公式情報
制度内容や申込方法は改定される場合があります。申込時には各公式ページと窓口で最新情報をご確認ください。PDFは容量が大きい場合があるため、スマートフォンでは通信環境にもご注意ください。
- 日本政策金融公庫「創業計画書セルフチェック・創業動機と略歴」
- 日本政策金融公庫「創業計画書セルフチェック・事業内容」
- 日本政策金融公庫「創業計画書セルフチェック・資金計画」
- 日本政策金融公庫「創業計画書セルフチェック・収支計画」
制度情報確認日:2026年8月31日
確認範囲は、公庫の創業計画書セルフチェックの記入項目と確認事項です。記載例は融資の承認実績ではありません。
創業計画書の材料を一緒に整理しませんか
文章が未完成でも、開業予定・経験・商品・価格のメモから相談できます。実績や未確認の数字を作らず、本人が説明できる計画へ整えます。
資料が完成していなくても、相談した時点で契約する必要もありません。
※融資の可否、金額、利率、返済期間、担保・保証人などの条件は、各金融機関・信用保証協会の審査により決定されます。融資のアイラボは金融機関ではなく、融資の実行を保証するものではありません。
※本記事は2026年8月31日時点の公表情報をもとに作成しています。制度内容は変更される場合がありますので、申込時には必ず各公式窓口で最新情報をご確認ください。
