「資本金300万円なら自己資金も300万円」と単純には扱えません。設立後に登録免許税、専門家費用、物件費、設備費などを支払えば、会社の現金残高は減ります。一方、設立後に代表者が追加した資金は、増資、借入、立替など会計上の区分が必要です。
法務省は株式会社の発起設立について、払込みがあったことを証する書面として通帳写しや取引明細等を合わせる手続を案内しています。融資相談では、その設立手続資料に加えて、出資前の個人通帳、払込後の資金移動、設立後の支出証拠を整理します。
融資のアイラボでは、登記簿の資本金、創業者の自己資金形成、親族からの資金、法人への貸付、支払済み費用を分けます。形式上の数字を増やすのではなく、現在使える資金と返済義務を正確に示します。

登記簿の資本金だけを見て、現在使える資金を把握していない
- 出所払込直前の大口入金を説明できない
- 残高設立費用支払後の現金が不明
- 区分代表者借入・立替・出資を混同
この記事の結論
- 三つの金額を分ける
登記資本金、累計投入額、現在残高を区別します。 - 資金移動をつなぐ
個人口座、払込、法人口座、支払いを照合します。 - 返済義務を明示
出資、代表者借入、親族借入を分けます。
登記上の資本金・創業者の自己資金・会社の現金残高を区別する
登記額と払込を照合
履歴事項全部証明書と払込資料を確認します。
形成過程を説明
給与、貯蓄、売却等の出所を通帳でつなぎます。
支払済みを反映
法人・個人の立替も一覧へ入れます。
資本金は会社の登記事項ですが、銀行口座に同額が常に残っていることを意味しません。設立後に事業費へ使うことはありますが、何に、いつ、いくら使ったかを請求書と振込記録で説明します。
代表者が追加資金を会社へ入れた場合、出資なのか会社への貸付なのかで返済義務や会計処理が異なります。自己判断で書き換えず、税理士、司法書士等へ確認します。
個人口座から払込口座、法人口座まで資金の流れをつなぐ
資本金だけ
- 登記額=現在残高
- 入金の出所が不明
- 立替金を未記録
- 親族借入を出資扱い
資金の実態
- 払込前後を照合
- 支払済みを一覧化
- 返済義務を区分
- 月末残高を更新
融資希望額は、登記資本金との差額ではなく、開業に必要な総資金から現在使える自己資金と確実な調達額を差し引いて計算します。

資本金を大きく見せるより、通帳で流れを説明できる状態にする
設立直前だけ資金を借りて払い込み、すぐ返すような見せ金は避けます。実際の出所、返済義務、会社で使える期間を正確に整理します。
設立費用・物件費・設備費・立替金を現在残高へ反映する
| 項目 | 計算・確認方法 | 根拠資料 |
|---|---|---|
| 登記 | 履歴事項全部証明書 | 資本金・設立日 |
| 払込 | 払込証明・個人通帳 | 出所・日付・金額 |
| 法人口座 | 入出金明細 | 現在残高・支払先 |
| 立替・借入 | 精算表・契約 | 返済義務・会計区分 |
登記変更や追加出資をした場合、変更日と資金移動を更新します。数字だけ変更して通帳や計画書と不一致にしません。
資本金を増やす前に必要資金と返済負担を見直す
個人で貯蓄
設立時出資
資本金を登記
設立・物件・設備
残高と不足額を説明
設立時点を起点にせず、設立前の自己資金形成から月別残高を作ります。法人設立前に個人が払った事業費も、証拠と会計上の扱いを整理します。
融資実行までに税金、社会保険、家賃、設備代が発生する場合、設立時資本金がどの月まで残るかを確認します。
制度、許認可、手続、融資条件は変更される場合があります。申込時は公的機関の最新情報と金融機関の案内を確認してください。
資本金と自己資金を説明するために用意したい資料
個人口座と法人口座の両方を使った場合、取引ごとに対応番号を付けます。現金支払いは領収書と目的を整理します。
本記事は資本金額が大きければ融資に通る、または登記資本金の全額が自己資金として認められると保証するものではありません。会社法、登記、税務、会計の個別判断は司法書士、税理士等へ確認してください。
資本金・自己資金調整表
設立前自己資金、設立時払込、設立後追加資金、支払済み費用、現在残高を行にします。追加資金は出資、代表者借入、親族借入、売上入金など種類を分けます。
支払済み費用は、会社名義と代表者個人名義を区別します。会社のための支出でも会計処理が必要なため、領収書だけでなく支払口座と精算状況を確認します。
資本金を変更する場合、登記手続、税務、費用への影響を専門家へ確認し、融資のためだけに形式的な資金移動を行いません。
通帳で説明する順番
まず、創業者の給与や事業所得から貯蓄した履歴を示します。次に設立時の払込取引、法人口座への移動、会社の支払いを日付順に並べます。大口入金が親族からの贈与や借入なら、資金提供者、返済義務、税務確認を別に整理します。
会社の残高が登記資本金より少なくても、理由を正確に説明できる資料が重要です。反対に口座残高が多くても、短期の借入や返済予定資金なら自由に使える自己資金とは限りません。資金の所有者と返済条件を確認します。
提出前には、登記資本金、払込資料、通帳残高、創業計画書の自己資金、支払済み費用が一致するか確認します。会計処理を確定する必要がある項目は、申込説明と税務処理が食い違わないよう専門家へ相談してください。
資本金と自己資金の最終確認
資本金の払込元、会社設立費用、設立後の残高、既に支払った開業費、役員借入金を分けます。登記上の資本金額だけで、現在使える自己資金を説明しないようにしてください。
法人通帳だけで流れが追えない場合は、個人口座の蓄積から資本金払込までを連続して示します。創業計画書の自己資金額と申込時点の残高を一致させます。
創業融資サポートを利用したお客様の声
支援の進み方や相談時の状況を知るには、実際のお客様インタビューが参考になります。承認率などの集計数字ではなく、ご本人の体験を確認できる事例をご案内します。






融資のアイラボの料金と支援範囲
着手金0円・成功報酬5%+税
報酬は融資が実行され、着金したときに発生します。融資が実行されなかった場合、サポート報酬はかかりません。
契約前に、成功報酬の計算対象、消費税、支援期間、追加費用の有無、解約条件を確認します。支援を利用しても融資は保証されず、最終的な可否と条件は金融機関等が決定します。
よくある質問
申込み方法や必要書類は制度・窓口・事業内容によって異なります。個別条件は必ず担当窓口へご確認ください。
資本金と自己資金は同じですか?
同じとは限りません。登記額、形成過程、設立後の支出、現在残高を分けて説明します。
資本金を使うと自己資金が減りますか?
会社の事業費へ使えば口座残高は減ります。支払目的と証拠を資金計画へ反映します。
個人口座から払った設立費用は?
領収書と支払記録を保存し、会社との精算や会計処理を税理士等へ確認します。
代表者から会社への追加入金は自己資金ですか?
出資、貸付、立替など実態により異なります。返済義務と処理を確認します。
資本金を増やせば審査に有利ですか?
金額だけで結果は決まりません。必要資金、形成過程、残高、返済可能性が確認されます。
設立直前に借りて払い込んでもよいですか?
返済義務を隠して自己資金に見せることは避け、実際の資金の出所を説明します。
何の資料を用意しますか?
個人通帳、払込資料、登記事項証明書、法人口座、支払証拠、出資・借入・立替区分表です。
この記事の監修者・運営者情報

- 執筆・編集
- 融資のアイラボ編集部
- 監修
- 五常コンサルティング株式会社 代表取締役 石川 康平
- 公開日
- 2026年8月2日
- 最終更新日
- 2026年8月2日
- 制度情報の確認方法
- 日本政策金融公庫、信用保証協会などの公式ページを確認し、申込時は各窓口で最新情報を再確認します。
※記事内の相談場面を表現した写真は、内容を分かりやすく伝えるために作成したAI生成のイメージです。「お客様の声」に掲載しているお客様と監修者の写真は、実際のお客様・監修者の写真です。
確認した公式情報
制度内容や申込方法は改定される場合があります。申込時には各公式ページと窓口で最新情報をご確認ください。
制度情報確認日:2026年8月2日
資本金と現在使える自己資金を分けて確認する
資本金の払込履歴、設立費用、開業前支出、現在残高をつなぎ、説明できる自己資金額を整理します。
資料が完成していなくても、相談した時点で契約する必要もありません。
※融資の可否、金額、利率、返済期間、担保・保証人などの条件は、各金融機関・信用保証協会の審査により決定されます。融資のアイラボは金融機関ではなく、融資の実行を保証するものではありません。
※本記事は2026年8月2日時点の公表情報をもとに作成しています。制度内容は変更される場合がありますので、申込時には必ず各公式窓口で最新情報をご確認ください。