親族からの創業資金は贈与と借入を先に分ける

親から振り込まれたお金を自動的に自己資金とせず、返済義務のない贈与か、返済する借入かを事実に合わせて整理します。入金経路と書面、創業計画書、毎月の返済後に残る現金まで一つの説明にそろえます。

陶器工房の創業者と親世代の人物が作業場で資金提供の記録を確認するAI生成の架空イメージ

仕事の場面はAI生成の架空イメージです

本人が貯めたお金、返済不要の贈与、返済する親族借入を混ぜない

親族からの入金は返済義務で分ける

誰のお金で、返す約束があるか

本人が形成

通帳・積立等で経路を示す

返済不要の贈与

贈与の合意・入金・税務を確認

返済する親族借入

契約・返済予定を示す

親族からの入金を自動的に「本人が貯めた自己資金」と表示しません。

自己資金・贈与・親族借入の区分へ →
自己資金・贈与・親族借入の区分
区分

贈与か借入かを合意

返済義務と条件を家族間で確認します。

経路

資金移動を記録

名義、日付、金額、振込元を残します。

影響

税・返済を確認

贈与税や毎月返済を専門窓口へ確認します。

親族から受け取った資金を、金融機関向けには贈与、家族間では借入として扱うなど説明を変えてはいけません。事実と契約内容を統一します。

家族名義の口座残高を本人の自己資金として二重計上せず、いつ誰から誰へ資金が移ったかを確認します。共同事業なら出資や持分の扱いも別途確認します。

設備400万円・運転200万円の例では、本人150万円・親族借入100万円・公庫希望350万円で合計600万円

必要資金と調達の合計を合わせる

必要資金と調達方法を合わせる架空の計画例です。運転資金200万円は開業後の支払予算で、特定日の口座残高ではありません。

本人が形成した資金150万円

親族借入100万円

公庫への希望額350万円

設備資金400万円
運転資金200万円

必要資金600万円=調達150+100+350万円。必要な支払を見積もり、調達方法の合計と照合します。

説明用の架空例です。実際の条件は契約・申込先へ確認します。 親族借入は公庫の創業計画書でも自己資金と別欄に記入します。

必要資金と調達方法の照合へ →
必要資金と調達方法の照合
必要資金
設備400万円+開業後の支払予算200万円=600万円。
調達方法
本人形成150万円+親族借入100万円+公庫希望350万円=600万円。

設備と開業後の支払を見積もったうえで、調達方法の合計と一致するか照合します。公庫350万円は希望額であり、承認額ではありません。運転資金200万円は予算で、特定日の現金残高ではありません。

資金の出所を説明するための資料

曖昧な親族資金

避けたい状態

  • 現金手渡しのみ
  • 返済の口約束
  • 申込直前の大口入金
  • 税務確認なし
説明できる親族資金

揃えたい情報

  • 振込記録・通帳
  • 贈与または借入契約
  • 返済額・期間・開始月
  • 税務相談の記録

親族借入の毎月返済は事業の資金繰りへ入れます。無利息や返済猶予がある場合も、合意内容を書面化し、金融機関へ正確に伝えます。

口頭だけでなく、合意・振込・契約・返済予定をそろえる

合意から通帳まで一本の説明に
  1. 受領前の合意贈与か借入か・返済条件
  2. 税務を事前確認必要な手続と支払の見込み
  3. 書面を整える合意内容を事実に沿って記録
  4. 振込と記録保存提供者から本人への経路
  5. 計画書へ記載資金区分と返済予定を反映

受領前の確認を基本にします。既に受領済みなら当時の合意と記録を整理し、契約日や取引を作り直しません。

親族資金の説明資料へ →
親族資金の説明資料
資金の区分・確認項目区分・計算の考え方確認する資料
自己資金本人が形成した資金本人通帳・給与・積立
贈与返済義務のない移転振込・贈与資料・税務確認
親族借入返済義務のある資金契約・返済予定
資金繰り親族返済後の残高月別資金繰り

贈与税の課税関係は金額だけでなく、課税方法や過去の贈与等で変わる場合があります。記事だけで判断せず、最新の国税庁情報と税務専門家へ確認します。

親族返済と公庫返済を引き、当月の回収額別に月末現金を比べる

親族返済後に残る現金を見る

調達600万円の計画とは独立した、開始現金100万円の月次例です。売上は全額当月回収。通常案と低売上案は同じ開始残高から分岐します。

不足 ← 0 → 計算上残高

開業支払後100万円

通常案・当月回収70万円100万円

低売上案・当月回収50万円80万円

通常月100+70−58−5−7=100万円
低売上月100+50−58−5−7=80万円

営業支払58万円、親族返済5万円、公庫の元利返済7万円を仮定。税・生活費・予備費は未控除です。回収が翌月なら当月の入金に加えません。

親族返済を含む月末残高の例へ →
親族返済を含む月末残高の例

調達600万円の計画とは独立した月次例です。開業支払後の現金100万円を同じ開始残高として比較し、売上70万円または50万円は全額当月回収と仮定します。営業支払58万円、親族返済5万円、公庫の元利返済7万円を引くと、通常案は100万円、低売上案は80万円。税・生活費・予備費は未控除です。掛売りで回収が翌月なら、売上を当月の現金に加えません。

資金を受け取る前からの準備順序

  1. 受領前の合意贈与か借入か・返済条件
  2. 税務を事前確認必要な手続と支払の見込み
  3. 書面を整える合意内容を事実に沿って記録
  4. 振込と記録保存提供者から本人への経路
  5. 計画書へ記載資金区分と返済予定を反映

親族借入の返済開始が公庫等の返済と重なると、開業後の負担が増えます。標準案と慎重案で月末残高を確認します。

贈与税等が発生する可能性がある場合は、その支払い時期も家計・資金繰りへ反映します。税額は専門家へ確認します。

制度、許認可、手続、融資条件は変更される場合があります。申込時は公的機関の最新情報と金融機関の案内を確認してください。

資金を受け取る前から申込まで、区分と書類を変えずに管理する

申込前に六つの資料をそろえる
本人通帳
形成履歴と現在残高
親族通帳等
提供者と資金の出所
振込記録
提供者・受領者・日付・金額
契約・贈与資料
贈与か借入か、返済義務
返済予定
月額・期間・開始月を資金表へ
税務確認
相談先・確認日と必要手続

贈与の審査上・税務上の扱いは個別確認が必要です。受領前から申込まで、事実と説明を一致させます。

申込前の六点確認へ →
申込前の六点確認
本人通帳形成履歴と現在残高
親族通帳等資金の出所
振込記録日付・金額・名義
契約・贈与資料返済義務の有無
返済予定金額・期間・開始月
税務確認相談先・確認日

後から説明を変えないよう、受領前に区分と条件を確認します。すでに受領済みなら、実際の合意と取引を遡って整理し、事実に反する書面を作りません。

本記事は贈与税の個別判断を行うものではありません。国税庁の制度は改正される場合があり、贈与者・受贈者、金額、時期、選択する課税方法等で手続が異なります。税務署または税理士へ最新情報を確認してください。親族借入を自己資金に見せる目的で返済義務を隠すことは避けます。

親族資金の説明メモを作る

資金提供者の氏名と続柄、資金の原資、振込日、金額、贈与または借入の区分、返済条件、税務確認先を一枚にまとめます。通帳の該当取引と番号で対応させます。

借入なら返済開始月、月額、最終月を事業資金繰りへ入れます。売上が遅れた場合も返済できるか、親族との条件変更を前提にせず確認します。

現金手渡しなど証拠が少ない場合も、架空の振込や契約日を作らず、現在確認できる事実を整理して申込先へ相談します。

受け取る前と受け取った後の手順

受領前なら、まず返済義務の有無を親族と確認します。贈与であれば返還を前提にせず、借入であれば金額、返済開始、月額、利息、期限を合意します。そのうえで税務上の扱いを税務署や税理士へ確認し、資金提供者本人の口座から申込者本人の口座へ振り込むなど、資金の流れが分かる方法を選びます。

すでに受領している場合は、当時のメッセージ、振込記録、双方の認識を確認します。融資申込に合わせて贈与を借入に変えたり、借入を贈与と説明したりせず、実際の合意を基準にします。親族側の資金が別の借入で用意された場合は、その事実も含めて申込先へ相談します。大きな現金入金は出所を説明できる資料がないと確認に時間がかかることがあります。

借入返済は事業の返済負担へ加え、融資返済と同じ月次表に入れます。贈与の場合も税務手続や家族間の認識違いが残らないよう記録を保存します。「親から受け取ったから自己資金」と一括りにせず、本人が蓄積した資金、返済不要の資金、返済義務のある資金を分けると、必要額と返済可能性を正確に説明できます。

親族から受けた資金の最終確認

資金を出した人、入金日、金額、贈与か借入か、返済の有無を整理し、振込元口座から申込者口座までの流れを確認します。現金受領だけで履歴が不足する場合は、事実に沿って補足資料を用意します。

贈与税など税務上の扱いは、金額や関係によって異なります。融資上の説明と税務判断を混同せず、必要に応じて税務署や税理士へ確認してください。

名古屋市西区那古野・円頓寺商店街の実景

愛知県・名古屋市西区那古野・円頓寺商店街

親族資金の名目と開業支払を先にそろえる

名古屋市西区那古野・円頓寺商店街の実景です。工房や店舗を構える前に、親族から受ける資金が贈与か借入か、設備と運転資金をいつ払うかを明確にします。写真の店舗を本記事の陶器工房や推奨物件として示すものではありません。

名古屋市西区那古野・円頓寺商店街/2019年9月22日撮影。現在の様子とは異なる場合があります。写真:Evelyn-rose(Wikimedia Commons原典)/CC0 1.0。縮小・WebP変換。同ライセンスで利用。

必要な準備を項目別に確認

親族資金を返済義務と出所で分ける理由

親族からの支援は創業時の重要な調達手段ですが、口座に入っているだけで本人が形成した自己資金と同じ説明になるとは限りません。返済する約束があるなら借入、返済義務がないなら贈与として整理します。

公庫の創業計画書セルフチェックでは、自己資金と、親・兄弟・知人・友人等からの借入を別の調達方法として表示しています。親族借入は内訳と返済方法も記載する構成です。

贈与の場合は税務上の確認も必要です。国税庁は個人から贈与で財産を取得した場合の贈与税を案内しているため、金額や過去の贈与、選択制度を税務署や税理士へ確認します。

創業計画書の資金区分に関する公庫の公式根拠
この記事で扱う範囲
口座残高ではなく、誰の資金で返済義務があるかを説明する
資金の出どころ

申込直前の入金ほど、出所と条件を確認できる資料が重要です。親族との関係だけで曖昧にせず、第三者が見ても同じ事実が分かるように整理します。

この内容を具体化する補足記事
本文の根拠となる公式情報

創業融資サポートを利用したお客様の声

支援の進み方や相談時の状況を知るには、実際のお客様インタビューが参考になります。承認率などの集計数字ではなく、ご本人の体験を確認できる事例をご案内します。

融資のアイラボの料金と支援範囲

着手金0円・成功報酬5%+税

報酬は融資が実行され、着金したときに発生します。融資が実行されなかった場合、サポート報酬はかかりません。

候補制度の整理必要資金の確認創業計画書の作成支援提出資料の確認面談質問の準備申込前後の進行整理

契約前に、成功報酬の計算対象、消費税、支援期間、追加費用の有無、解約条件を確認します。支援を利用しても融資は保証されず、最終的な可否と条件は金融機関等が決定します。

よくある質問

申込み方法や必要書類は制度・窓口・事業内容によって異なります。個別条件は必ず担当窓口へご確認ください。

親からもらったお金は自己資金になりますか?

自動的には判断できません。返済義務、形成経緯、入金記録等を整理して申込先へ確認します。

親から借りたお金は自己資金ですか?

公庫の計画例では親族借入は自己資金と別区分です。返済条件を記載します。

贈与契約書は必要ですか?

必要な証拠と税務手続は状況で異なります。税務署・税理士と申込先へ確認します。

現金でもらった場合はどうしますか?

事実と出所を説明できる資料を整理し、加工や架空の取引を作らず相談します。

110万円以下なら確認不要ですか?

税務の扱いと融資審査の資金確認は別です。最新制度と入金経緯を確認します。

親族借入は返済を待ってもらえますか?

家族間の合意を明確にし、返済条件を金融機関へ正確に伝えます。

兄弟や配偶者からの資金も同じですか?

所有関係、返済義務、税務が個別に異なるため、それぞれ資料を整理します。

この記事の監修者・運営者情報

監修者 五常コンサルティング株式会社 代表取締役 石川康平
監修者

石川 康平

五常コンサルティング株式会社 代表取締役

2024年の問い合わせ・ヒアリング対応300件をもとに、創業融資の支援範囲・料金・制度情報について確認しています。

五常コンサルティング株式会社の公式サイトを見る

執筆・編集
融資のアイラボ編集部
監修
五常コンサルティング株式会社 代表取締役 石川 康平
公開日
2026年8月2日
最終更新日
2026年9月21日
制度情報の確認方法
日本政策金融公庫、信用保証協会などの公式ページを確認し、申込時は各窓口で最新情報を再確認します。

※冒頭の仕事の写真はAI生成の架空イメージです。出典を記した地域写真は実景です。お客様の声・監修者の写真は実際の人物です。

確認した公式情報

2026年9月21日の再確認:公庫の創業計画書・セルフチェックで自己資金と「親、兄弟、知人、友人等からの借入」の欄を再確認しました。贈与税、実際の資金区分、融資審査上の評価は個別事情により異なるため、公庫と税務の専門窓口へ確認してください。所在地・営業内容に合う条件は各窓口へ確認してください。

制度内容や申込方法は改定される場合があります。申込時には各公式ページと窓口で最新情報をご確認ください。PDFは容量が大きい場合があるため、スマートフォンでは通信環境にもご注意ください。

制度情報確認日:2026年8月2日

日本政策金融公庫・創業計画Q&A

日本政策金融公庫・創業計画書記入例

親族資金の説明方法を確認する

贈与・借入・出資のどれに当たるかを断定せず、入金経路と確認すべき資料を整理します。

資料が完成していなくても、相談した時点で契約する必要もありません。

※融資の可否、金額、利率、返済期間、担保・保証人などの条件は、各金融機関・信用保証協会の審査により決定されます。融資のアイラボは金融機関ではなく、融資の実行を保証するものではありません。

※本記事は2026年8月2日時点の公表情報をもとに作成しています。制度内容は変更される場合がありますので、申込時には必ず各公式窓口で最新情報をご確認ください。

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