J-Net21「財務の基礎知識」は、流動比率を流動資産÷流動負債×100で計算する短期安全性の指標として案内しています。ただし、業種や推移、売掛債権・棚卸資産の回転等と合わせて読み、一律の合格値だけで判断しません。
中小企業基盤整備機構「経営自己診断システム・指標解説」は、当座比率が高くても回収不能のおそれがある売掛債権等があれば注意が必要と説明しています。帳簿額と、支払期限までに現金化できる額を分けます。
日本政策金融公庫「運転資金の考え方」は、売上債権と棚卸資産から仕入債務を控除する運転資金の考え方を示しています。流動比率の差額と、営業活動で資金が寝る金額は同じ概念ではないため別々に計算します。
J-Net21「資金繰り表」も踏まえ、給与、税、社会保険、仕入、返済を実際の日付へ置きます。以下の金額、回収率、13週残高は特定企業の実績ではない架空例です。

決算書では流動資産が多いのに、売掛金の遅延と在庫滞留で今月の支払資金が足りない
- 比率流動比率の数字だけを業界平均や目安と比較している
- 資産売掛金の回収日と在庫の販売・換金可能性を確認していない
- 期限流動負債を合計額だけで見て、週ごとの支払集中を把握していない
この記事の結論
- 流動比率は175%
流動資産1,050万円÷流動負債600万円の架空例です。 - 補正後は約128%
支払期限までの回収可能額770万円で読み直します。 - 13週最低残高は10万円
四半期末残高では隠れる途中の資金不足を確認します。
運転資本・流動比率・短期支払能力の不足を無料相談で整理する
資料がすべて揃っていなくても相談できます。現在ある通帳、会計データ、融資資料から、どこを先に整えるべきかを確認します。
流動資産1,050万円・流動負債600万円なら、流動比率は175%
会計処理を確定しない架空貸借対照表です。
表は左右に動かせます。
項目名は固定表示です。
| 区分 | 架空残高 | 計算・確認 |
|---|---|---|
| 現預金 | 2,000,000円 | 使途制限も確認 |
| 売掛金 | 5,000,000円 | 回収日・遅延 |
| 棚卸資産 | 3,000,000円 | 販売・値下げ |
| その他流動資産 | 500,000円 | 前払費用等 |
| 流動資産合計 | 10,500,000円 | 200万+500万+300万+50万円 |
| 買掛金 | 3,000,000円 | 支払日 |
| 短期借入金 | 2,000,000円 | 返済期限 |
| 未払金等 | 1,000,000円 | 給与・税等を確認 |
| 流動負債合計 | 6,000,000円 | 300万+200万+100万円 |
| 流動比率 | 1,050万÷600万×100 | 175% |
| 正味運転資本 | 1,050万-600万円 | 4,500,000円 |
175%と正味運転資本450万円は同じ残高を比率と差額で見たものです。どちらも基準日時点の帳簿額です。
翌週の給与や税を払えるかは、各資産の現金化日と負債の支払日へ進んで確認します。
支払期限までの回収可能額を770万円に補正すると、約128%になる
補正率は一般基準ではなく、架空企業の社内試算です。
表は左右に動かせます。
項目名は固定表示です。
| 流動資産 | 帳簿額 | 期限内の架空回収可能額 |
|---|---|---|
| 現預金 | 2,000,000円 | 1,800,000円(拘束20万円) |
| 売掛金 | 5,000,000円 | 4,000,000円(遅延・懸念100万円) |
| 棚卸資産 | 3,000,000円 | 1,800,000円(値下げ等120万円) |
| その他流動資産 | 500,000円 | 100,000円(前払等40万円) |
| 合計 | 10,500,000円 | 7,700,000円 |
| 帳簿上の流動比率 | 1,050万÷600万×100 | 175% |
| 補正後の社内試算 | 770万÷600万×100 | 約128.3% |
| 補正後の差額 | 770万-600万円 | 1,700,000円 |
補正額は、得意先別回収予定、在庫年齢表、販売価格、換金費用、契約上の制限で説明します。恣意的な一律割引をしません。
補正後も100%を超えることだけで安心せず、600万円の支払がいつ集中するかを13週表で確認します。
売掛金500万円+在庫300万円-買掛金300万円で、営業運転資本は500万円
流動比率の正味運転資本450万円とは目的の違う架空計算です。
表は左右に動かせます。
項目名は固定表示です。
| 計算項目 | 架空金額 | 資金繰り上の意味 |
|---|---|---|
| 売掛金 | 5,000,000円 | 回収まで資金が寝る |
| 棚卸資産 | 3,000,000円 | 販売・回収まで資金が寝る |
| 買掛金 | ▲3,000,000円 | 仕入先が一時負担 |
| 営業運転資本 | 500万+300万-300万円 | 5,000,000円 |
| 補正後の参考値 | 400万+180万-300万円 | 2,800,000円 |
| 正味運転資本 | 流動資産-流動負債 | 4,500,000円 |
日本政策金融公庫「運転資金の考え方」の考え方を踏まえ、販売・回収と仕入・支払の時間差を金額へ直します。
補正後の280万円は回収可能性を反映した参考値で、必要運転資金の正式算定や会計残高ではありません。月商の増減、回転期間、季節性を別途確認します。
13週の途中で最低現金が10万円なら、期末残高だけでは安心できない
4期間にまとめた架空の13週資金繰りです。
表は左右に動かせます。
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| 期間 | 架空入金 | 架空支払・期末現金 |
|---|---|---|
| 開始残高 | ― | 2,000,000円 |
| 第1~3週 | +1,000,000円 | ▲2,200,000円/800,000円 |
| 第4~6週 | +800,000円 | ▲1,500,000円/100,000円 |
| 第7~9週 | +1,600,000円 | ▲1,100,000円/600,000円 |
| 第10~13週 | +1,000,000円 | ▲1,200,000円/400,000円 |
| 13週の最低残高 | 第4~6週 | 100,000円 |
| 架空の最低残高基準 | 給与・税等を考慮 | 1,000,000円 |
| 不足幅 | 10万-100万円 | ▲900,000円 |
13週末には40万円あっても、第4~6週に10万円まで下がります。月次・四半期末残高だけでは途中の支払集中を見落とします。
入金の遅れ、給与・税・返済の前倒しを反映し、90万円の不足幅を回収、在庫、支払条件、調達の順で検討します。
回収・在庫・支払・固定費・調達を、実行日と効果額で管理する
契約変更や追加融資の承認・実行を示さない架空の改善表です。
表は左右に動かせます。
項目名は固定表示です。
| 改善案 | 架空の効果・期限 | 確認事項 |
|---|---|---|
| 遅延売掛金の回収 | 3週以内+500,000円 | 相手先・回収確度 |
| 滞留在庫の販売 | 6週以内+300,000円 | 値下げ・粗利・入金日 |
| 支払条件の相談 | 第5週支払20万円を後ろへ | 仕入先との合意 |
| 裁量支出の延期 | 8週以内+150,000円 | 事業への影響 |
| 短期資金の相談 | 不足前に必要額を再計算 | 審査・契約・返済 |
| 更新担当 | 毎週月曜に実績差替え | 根拠資料・更新履歴 |
効果額を二重計上せず、合意・受注・入金の段階を分けます。未確定の回収を確定入金として扱いません。
追加融資だけを先に決めず、借入後の返済を13週以降へ加えて継続可能性を確認します。
流動比率と短期資金の相談で整理したい3つの状況
以下は実績や融資成功例ではなく、相談前の整理方法を示す架空例です。
流動比率175%なので安全と考えています。売掛金・在庫等を期限内回収可能額770万円へ補正します。
正味運転資本450万円を必要運転資金と同じにしています。営業運転資本500万円と目的を分けます。
13週末の現金40万円だけを見ています。途中の最低10万円と最低残高100万円との差を確認します。
短期支払能力を確認する5工程
基準日、比率、資産の質、支払日、13週判断をつなぎます。
- 01基準日を固定試算表・補助簿
- 02比率と差額を計算流動比率・正味運転資本
- 03資産の質を確認回収・販売・拘束
- 04支払日へ展開買掛・税・返済
- 0513週表で判断不足日・対策・更新
短期支払能力は比率・正味運転資本・回収確度・支払集中・最低現金で判断する
流動比率だけを合格点にしません。
比率と差額
実現可能性
不足日
確認の組合せ流動比率=流動資産÷流動負債×100/正味運転資本=流動資産-流動負債
運転資本・流動比率・短期支払能力について判断軸を整理した図です。個別案件の処理結果や融資条件を確定するものではないため、実際の画面表示と日本公庫の案内を優先してください。
流動比率の高さを安全と決めず売掛金・在庫の質と支払集中を13週の現金へ変換する
正味運転資本も金額で見る
流動資産から流動負債を引いた差額を確認すると、規模の違う月や資金需要額を説明しやすくなります。
当座資産でも回収遅延を確認する
売掛金が含まれる指標でも、滞留や相殺、返品、回収不能の可能性は別途点検します。
決算日だけ良く見える変動を説明する
仕入・支払・借入・回収の時期で月末残高は変わります。月中最低残高と前後月の動きを併記します。
同じ基準日の流動資産・流動負債から比率と差額を計算する
対象・締日・責任者を固定
誰がどの資料をいつ確定するかを決めます。
元資料と処理を対応
請求、給与、残高、契約、承認を追跡できる形で残します。
例外と相談期限を記録
差額や違反のおそれを上書きせず、担当と次の期限を残します。
基準日、現預金、売掛金の期日・滞留、在庫の数量・販売見込、前払等の換金可否、買掛・未払・税・借入の支払日、流動比率、正味運転資本、13週最低残高、確認者を記録します。
会計処理、税務申告、帳簿書類の保存、融資判断は事業形態や取引内容で異なります。制度の最新情報を公的機関で確認し、個別の税務判断は税理士等の有資格者へ相談してください。
現預金・売掛金・在庫等を回収日と実現可能額で点検する
流動残高から実際の入出金へ
- 現預金・拘束資金
- 売掛金・入金期日・滞留
- 在庫・販売見込・換金費用
- その他流動資産・利用制限
毎月先行する支出
- 買掛金・未払金・支払日
- 給与・税・社会保険
- 短期借入・一年内返済
- 返金・解約・臨時支出
流動比率が同じでも、現金中心の会社と滞留在庫中心の会社では支払余力が異なります。帳簿残高から確実な入出金へ置き換え、最低現金残高を下回る週と原因を確認します。

月次試算表確定後に流動残高を明細へ分解し、13週表の回収・支払と差額照合する
経理が貸借対照表残高を確定し、営業が売掛回収、在庫担当が販売・処分、購買が支払条件を更新します。経営者は最低残高と改善策を確認し、前提が崩れた日付と影響額を残します。
買掛・未払・税・返済等を支払日と優先度で並べる
表は左右に動かせます。
項目名は固定表示です。
| 項目 | 計算・確認方法 | 根拠資料 |
|---|---|---|
| 計算 | 流動資産÷流動負債 | 基準日を統一 |
| 資産 | 回収日・実現額・制限 | 質を補正 |
| 負債 | 支払日・確定額・優先度 | 集中を確認 |
| 資金 | 13週最低残高・不足日 | 対策を期限化 |
一つの比率を合否基準にせず、前月・前年からの変化、業種、季節性、取引条件、資産構成を説明します。会計区分が妥当かは税理士等へ確認します。
調整後の回収・支払を13週資金繰りと月次試算表へ照合する
試算表・補助簿
流動比率・正味運転資本
回収・販売・拘束
買掛・税・返済
不足日・対策・更新
売掛金は契約上の期日ではなく回収確度を反映し、在庫は販売日・粗利・回収日までつなぎます。使途や引出しに制約のある預金は自由に使える現金と分けます。
不足対策は回収促進、在庫・発注調整、支払条件の相談、投資延期、固定費見直し等を金額と期限で置きます。追加融資は審査と入金日が未確定なら候補欄に置きます。
制度、許認可、手続、融資条件は変更される場合があります。申込時は公的機関の最新情報と金融機関の案内を確認してください。
短期支払能力の確認に用意したい資料
月次貸借対照表、総勘定元帳、預金明細、売掛金年齢表、在庫表、買掛・未払一覧、納税・社会保険予定、借入返済表、受注・発注残、13週資金繰り、差額説明を揃えます。
2026年9月2日にJ-Net21の財務・貸借対照表・資金繰り表、中小企業基盤整備機構の指標解説、日本政策金融公庫の運転資金・創業計画を確認しました。会計区分、回収可能性、税・社会保険、返済、融資判断は金融機関・税理士等へ確認してください。
創業融資サポートを利用したお客様の声
支援の進み方や相談時の状況を知るには、実際のお客様インタビューが参考になります。承認率などの集計数字ではなく、ご本人の体験を確認できる事例をご案内します。






融資のアイラボの料金と支援範囲
着手金0円・成功報酬5%+税
報酬は融資が実行され、着金したときに発生します。融資が実行されなかった場合、サポート報酬はかかりません。
契約前に、成功報酬の計算対象、消費税、支援期間、追加費用の有無、解約条件を確認します。支援を利用しても融資は保証されず、最終的な可否と条件は金融機関等が決定します。
よくある質問
流動比率、会計区分、資産の回収可能性、税・社会保険、返済、追加調達は個別事情で異なります。金融機関・税理士等へ確認してください。
流動比率は何%なら安全ですか?
一律の合格値は置きません。業種、季節性、推移、資産の質、支払日、資金調達枠と合わせます。
流動比率175%なら追加借入は不要ですか?
断定できません。売掛金・在庫の現金化、支払期限、13週の最低残高、投資予定を確認します。
補正後流動比率とは公式指標ですか?
本記事の架空例で回収可能額を確認する社内試算です。会計上の流動比率とは分け、補正根拠を残します。
正味運転資本と営業運転資本は同じですか?
異なります。前者は流動資産-流動負債、後者は売上債権+棚卸資産-仕入債務で見る例があります。
在庫をゼロ評価すべきですか?
一律ではありません。販売時期、値下げ、廃棄、換金費用、入金日から回収可能額を根拠付きで置きます。
13週表は毎週作り直しますか?
実績と最新予定で更新し、差額理由と更新日を残します。頻度は資金変動に応じて決めます。
金融機関へ何を示しますか?
計算式、残高明細、回収・販売根拠、支払日、最低残高、改善策、更新履歴を示します。
この記事の監修者・運営者情報

石川 康平
五常コンサルティング株式会社 代表取締役
2024年の問い合わせ・ヒアリング対応300件をもとに、創業融資の支援範囲・料金・制度情報について確認しています。
- 執筆・編集
- 融資のアイラボ編集部
- 監修
- 五常コンサルティング株式会社 代表取締役 石川 康平
- 公開日
- 2026年8月10日
- 最終更新日
- 2026年9月2日
- 制度情報の確認方法
- 日本政策金融公庫、信用保証協会などの公式ページを確認し、申込時は各窓口で最新情報を再確認します。
※記事内の相談場面を表現した写真は、内容を分かりやすく伝えるために作成したAI生成のイメージです。「お客様の声」に掲載しているお客様と監修者の写真は、実際のお客様・監修者の写真です。
確認した公式情報
制度内容や申込方法は改定される場合があります。申込時には各公式ページと窓口で最新情報をご確認ください。PDFは容量が大きい場合があるため、スマートフォンでは通信環境にもご注意ください。
- J-Net21「財務の基礎知識」
- J-Net21「貸借対照表の見方と活用」
- 中小企業基盤整備機構「経営自己診断システム・指標解説」
- 日本政策金融公庫「運転資金の考え方」(PDF・容量が大きい場合があります)
- J-Net21「資金繰り表」
- 日本政策金融公庫「創業計画の書き方」
- 日本政策金融公庫「創業計画書セルフチェック・収支計画」
制度情報確認日:2026年9月2日
運転資本・流動比率・短期支払能力を次回融資まで逆算して整理する
流動比率を売掛金・在庫・支払日の明細へ分解し、13週の資金不足日を先に見つけます。相談時点で契約する必要はなく、現在ある資料と社内の運用から確認できます。
資料が完成していなくても、相談した時点で契約する必要もありません。
※融資の可否、金額、利率、返済期間、担保・保証人などの条件は、各金融機関・信用保証協会の審査により決定されます。融資のアイラボは金融機関ではなく、融資の実行を保証するものではありません。
※本記事は2026年9月2日時点の公表情報をもとに作成しています。制度内容は変更される場合がありますので、申込時には必ず各公式窓口で最新情報をご確認ください。
