銀行融資の必要書類は、単に提出欄を埋めるためのものではありません。金融機関が「何に、いくら必要か」「返済できるか」「数字に矛盾がないか」を確認できるよう、決算書・試算表・資金繰り表・資金使途資料を一つの説明として揃えます。

最初に揃える基本書類

書類確認される内容準備時の注意
決算書・申告書売上、利益、資産負債、納税、過年度からの変化。金融機関指定の年数と、勘定科目内訳・別表等の範囲を確認します。
最新試算表決算後から現在までの業績、月次推移、直近の変化。古い月で止めず、売掛金・買掛金・在庫も実態に合わせます。
資金繰り表入出金の時期、資金不足の月、借入後の残高と返済余力。売上計上月ではなく入金月、費用計上月ではなく支払月で作ります。
借入一覧金融機関別の残高、月返済額、金利、完済時期、担保・保証。代表者個人や関連会社の借入を求められた場合も説明できるようにします。
資金使途資料必要額の根拠と、支払先・支払日。設備は見積書、運転資金は支払予定表や受注明細などで示します。
会社・事業資料事業内容、商流、主要取引先、許認可、今後の計画。専門用語を減らし、誰に何を提供して入金されるかを簡潔に書きます。

決算書と試算表の数字をつなぐ

決算書の期末残高と、試算表の期首残高がつながっているか確認します。売上が前年より増減した場合は、単価、数量、顧客数、稼働率など原因を分解します。利益が出ていても現預金が減っている場合は、売掛金の増加、在庫の増加、設備購入、借入返済などの理由を説明します。

一時的な赤字には、発生時期と終了見込みを添えます。「来月から回復する」だけではなく、受注書、予約件数、価格改定通知、経費削減の実施資料など、計画の根拠を付けます。

資金使途別に追加する資料

設備資金

見積書、カタログ、配置図、工事工程、契約書案、支払条件を用意します。複数設備がある場合は優先順位を決め、融資額が希望より少ない場合の縮小案も示します。すでに支払った費用が融資対象になるかは制度ごとに異なるため、契約・発注前に確認します。

増加運転資金

新規受注や出店により、仕入・外注・人件費が先に増えることを示します。受注書、契約書、売上見込み表、仕入見積、採用計画を月次資金繰りと対応させます。

赤字補填・資金繰り安定

赤字の原因、改善策、改善までに必要な期間と金額を分けて説明します。単なる穴埋めではなく、固定費の削減、粗利改善、回収条件の変更など、実行状況を数字で示します。

提出前の整合性チェック

  • 申込書の借入残高と借入一覧が一致している
  • 資金使途の合計と申込金額がつながっている
  • 売上計画と人員・設備の処理能力に矛盾がない
  • 返済開始後の元利返済を資金繰り表へ反映している
  • 税・社会保険の未納や分納がある場合、状況を隠さず整理している
  • 決算後の大きな入出金について証拠資料を用意している
  • 提出資料の版と作成日をそろえている

融資相談までの7日間モデル

  1. 1日目必要額、必要日、支払先を一覧にします。
  2. 2〜3日目会計データを締め、最新試算表と売掛・買掛・在庫の明細を確認します。
  3. 4日目借入一覧と12か月資金繰り表を更新します。
  4. 5日目見積書、受注書、契約書、許認可等を資金使途ごとに並べます。
  5. 6日目数字の不一致と不足資料を点検します。
  6. 7日目1ページの申込概要を作り、金融機関へ相談します。

よくある質問

決算書だけで相談できますか?

初回相談はできる場合がありますが、現在の状況を判断するため最新試算表や資金繰り表を求められることがあります。先に必要書類の範囲を確認してください。

試算表が作れていない場合はどうしますか?

会計入力を進め、少なくとも預金残高、売掛・買掛、在庫、借入を実態に合わせます。数字が不確かなまま見込みだけで提出することは避けます。

見積書は1社分でよいですか?

制度や案件によって異なります。相見積りが必要か、見積書の有効期限や宛名に指定があるかを申込先へ確認してください。

確認した公式情報

制度情報確認日:2026年8月2日

※金融機関・制度・申込内容によって必要書類は異なります。提出前に必ず申込先へご確認ください。