輸入・卸売業は、海外から商品を仕入れ、通関・検品・保管を経て、小売店や事業者等へ販売する事業です。計画では、顧客、提供方法、営業場所、設備、担当者、管理方法、取引先を具体化します。
開業地を所管する税関、商品別の所管官庁、検疫・保健・表示等の関係窓口等へ予定地を伝え、必要な許認可・届出、図面相談、設備・管理要件、確認期間を契約・発注前に確認します。
受注見込みがあっても、最低発注量、輸送ロット、不良・返品、納期、販売先の支払サイトにより現金化できる時期が変わります。見込み客や最大処理能力をそのまま売上にせず、問い合わせ、契約・受注、実施・販売、取消・返品を月別に分け、実際に提供・販売できる量を上限にします。
海外送金と輸送費を前払いし、通関時の税負担、倉庫費、国内配送を支払った後、卸先から翌月以降に入金される構造になりやすいです。許認可や開業準備が遅れた場合も給与、仕入代金、家賃などを払えるよう、初回売上入金までの運転資金を残します。

商品は売れそうだが、いくら用意すれば次の発注を続けられるか分からない
- 規制商品分類や表示、輸入条件を確認せず、仕入先の説明だけで発注しようとしている
- 原価海外の商品価格だけを原価とし、為替・物流・税・不良を含めていない
- 資金初回在庫が売れる前に、次回発注と売掛金が重なる時期を見ていない
この記事の結論
- 商品別の輸入条件を先に確認する
品目、用途、材質、原産国を整理し、所管窓口や通関事業者へ確認します。 - 着地原価で粗利を計算する
商品代から国内倉庫搬入までに発生する費用を一商品へ配賦します。 - 在庫と売掛を同時に資金化する
発注、到着、販売、請求、回収、再発注を月別に並べます。
輸入・卸売業の開業工程と資金不足を無料相談で確認する
物件・設備・許認可・売上根拠が未完成でも、現在決まっている範囲から準備順を整理します。
輸入・卸売業で想定される相談内容
以下は実績・成功事例ではなく、融資相談で整理対象になりやすい状況を示した想定ケースです。ご自身の状況に置き換え、確定事項と未確定事項を分けて確認してください。
海外仕入先へ前払いする前に、融資申込と発注の順番を整理したい
物流費と関税等を含めた着地原価で卸価格を見直したい
大口卸先の入金が翌々月のため、追加発注までの運転資金を確認したい
海外発注から国内の売掛回収まで
商品、書類、現金の三つの流れをロット単位で追います。
- 01商品と販売先を特定仕様・用途・数量・価格
- 02輸入・販売条件を確認税関・所管官庁・表示
- 03着地原価を見積る為替・物流・税・検品
- 04在庫回転と売掛を計画発注・納品・回収・再発注
- 05申込み・発注・輸入・販売証憑と台帳を保存
必要運転資金は在庫・売掛・再発注の重なり
初回仕入額だけでは継続に必要な現金を説明できません。
保管・不良も反映
回収遅延を確認
欠品と資金不足を比較
確認式運転資金ピーク=未販売在庫+未回収売掛+次回前払-仕入先信用
数値は事業計画へ入れる項目を示したものです。単価・基準・審査結果を保証するものではなく、最新条件を各窓口へ確認してください。
この事業で融資前に数値化するポイント
最低発注量をそのまま売上計画にしない
仕入先の最小ロットは供給条件であり、販売できる数量の証拠ではありません。販売先別の見込み数量を積み上げ、残在庫の保管費と値下げ幅を慎重案へ入れます。
為替差を粗利と現金の両方へ反映する
外貨建て契約では、発注時と支払時で円換算額が変わります。為替予約等を利用する場合も手数料と条件を確認し、利用しない場合の変動幅を資金予備へ置きます。
売掛先を増やすほど資金が必要になる
売上拡大と現金増加は同時ではありません。販売先別に与信枠、締支払、返品条件を決め、未回収が一社に集中しないかを確認します。
輸入手続・商品規制・表示・契約条件
品目・用途・材質・原産国を特定
関税分類だけでなく、販売規制や表示も所管窓口へ確認します。
価格・通貨・引渡条件・不良対応
誰がどこまでの運賃、保険、危険を負担するか明確にします。
ロット・期限・返品・回収を追跡
商品別在庫台帳と売掛金台帳を用意します。
輸入できることと国内で販売できることは同じではありません。発注前に商品仕様、用途、表示、検査、許可・届出の要否を確認します。法令、基準、申請様式は変更される場合があるため、予定地を所管する窓口と関係機関へ最新情報を確認してください。
初回仕入・物流・在庫・売掛運転資金
初回発注から国内販売までの一式費用
- 事務所・倉庫保証金・棚・検品設備
- EC・受発注・在庫管理・会計システム
- 初回商品代・送金手数料・前払金
- 輸送・保険・通関・関税等・検品・国内配送
毎月先行する支出
- 追加発注・海外送金・為替差への予備費
- 倉庫・荷役・梱包・返品・廃棄・保険
- 人件費・営業費・展示会・販売手数料
- 売掛回収前の家賃・給与・返済・税金
商品が倉庫に届くまでの費用と、売れた後に代金を回収するまでの費用を分けます。初回発注が完売しても、次回発注の前払いと販売先の売掛金が重なる場合は運転資金が必要です。

一商品が国内倉庫へ入るまでの総額を原価にする
商品代、送金、現地費用、国際運賃、保険、通関、税、検品、倉庫搬入をロットごとに集計します。数量で割り切れない固定費は配賦方法を決め、卸価格を下げても粗利が残るか確認します。
着地原価・卸価格・在庫回転から粗利を作る
| 項目 | 計算・確認方法 | 根拠資料 |
|---|---|---|
| 着地原価 | 商品代+国際物流+通関等+国内搬入 | ロット数量へ配賦 |
| 販売数量 | 販売先別受注見込み×成約率 | 在庫と納期を上限 |
| 粗利 | 卸売上-着地原価-販売変動費 | 値引き・不良・返品を控除 |
| 資金拘束 | 前払日から売掛回収日まで | 次回発注との重複を確認 |
販売先からの引合い、見積依頼、テスト販売、基本契約を根拠にします。口頭の『売れる』だけでなく、数量、価格、納期、返品、支払条件を確認できる資料へします。
仕入交渉から通関・納品・売掛回収まで
仕様・用途・数量・価格
税関・所管官庁・表示
為替・物流・税・検品
発注・納品・回収・再発注
証憑と台帳を保存
試作品、前払金、残金、国際運賃、通関、倉庫、国内配送、販売先への納品、請求、入金を月別に置きます。外国通貨で支払う場合は、計画時より円安となる慎重案も作ります。
初回商品が売れ残る場合、値下げ、保管料、返品不能、廃棄が同時に発生します。追加発注を止める在庫日数と、回収遅延時の現金下限を決めます。
制度、許認可、手続、融資条件は変更される場合があります。申込時は公的機関の最新情報と金融機関の案内を確認してください。
輸入卸売の融資相談で用意したい資料
仕入ロット、着地原価、販売数量、卸価格、売掛回収、追加発注を一つの数量前提でつなぎます。為替レートは基準日と慎重案を明記します。
本記事は個別商品の輸入可否、関税率、許認可、融資承認を保証するものではありません。品目・用途・原産国・販売方法を示し、税関や所管官庁、通関事業者等へ最新情報を確認してください。
創業融資サポートを利用したお客様の声
支援の進み方や相談時の状況を知るには、実際のお客様インタビューが参考になります。承認率などの集計数字ではなく、ご本人の体験を確認できる事例をご案内します。






融資のアイラボの料金と支援範囲
着手金0円・成功報酬5%+税
報酬は融資が実行され、着金したときに発生します。融資が実行されなかった場合、サポート報酬はかかりません。
契約前に、成功報酬の計算対象、消費税、支援期間、追加費用の有無、解約条件を確認します。支援を利用しても融資は保証されず、最終的な可否と条件は金融機関等が決定します。
よくある質問
申込み方法や必要書類は制度・窓口・事業内容によって異なります。個別条件は必ず担当窓口へご確認ください。
輸入業に共通の営業許可はありますか?
一律の許可だけで判断できず、商品、用途、原産国、販売方法に応じた規制を確認します。
海外仕入れ代は融資対象になりますか?
事業に必要な仕入れとして、商品、数量、価格、支払条件、販売見込みを示します。対象可否は申込先が判断します。
関税率はどう調べますか?
品目分類、原産国、用途などで異なります。税関相談や通関事業者等へ商品資料を示して確認してください。
為替は何円で計画しますか?
見積時点の基準レートと確認日を示し、円安となる慎重案も作ります。
卸先の注文書がまだなくても相談できますか?
引合い、見積依頼、テスト販売など現在ある根拠を整理し、確定受注と区別します。
ECでも販売する場合は?
通信販売の表示、返品条件、決済、個人情報管理等を確認し、卸売とは別の価格・費用で計画します。
相談時に必要な資料は?
商品仕様、仕入・物流見積り、販売見込み、在庫回転、売掛条件、自己資金履歴を用意します。
この記事の監修者・運営者情報

- 執筆・編集
- 融資のアイラボ編集部
- 監修
- 五常コンサルティング株式会社 代表取締役 石川 康平
- 公開日
- 2026年8月6日
- 最終更新日
- 2026年8月6日
- 制度情報の確認方法
- 日本政策金融公庫、信用保証協会などの公式ページを確認し、申込時は各窓口で最新情報を再確認します。
※記事内の相談場面を表現した写真は、内容を分かりやすく伝えるために作成したAI生成のイメージです。「お客様の声」に掲載しているお客様と監修者の写真は、実際のお客様・監修者の写真です。
確認した公式情報
制度内容や申込方法は改定される場合があります。申込時には各公式ページと窓口で最新情報をご確認ください。PDFは容量が大きい場合があるため、スマートフォンでは通信環境にもご注意ください。
制度情報確認日:2026年8月6日
輸入・卸売業の開業準備・設備・入金時期から必要額を整理する
取扱商品、原産国、仕入条件、見積り、輸送方法、販売先、支払・入金条件を確認し、初回発注から売掛回収までの必要資金を試算します。開業前から必要な支出と初回入金までの運転資金を試算します。
資料が完成していなくても、相談した時点で契約する必要もありません。
※融資の可否、金額、利率、返済期間、担保・保証人などの条件は、各金融機関・信用保証協会の審査により決定されます。融資のアイラボは金融機関ではなく、融資の実行を保証するものではありません。
※本記事は2026年8月6日時点の公表情報をもとに作成しています。制度内容は変更される場合がありますので、申込時には必ず各公式窓口で最新情報をご確認ください。
