経営者保証の見直しを考えるときは、まず借入ごとの契約を分けます。同じ会社の借入でも、融資元、制度、信用保証協会の保証の有無、代表者保証の範囲、担保、期限が異なることがあります。保証契約書と借入残高一覧を対応させ、どの契約について相談するのかを特定します。
中小企業庁が案内する経営者保証に関するガイドラインは、自主的なルールです。既存借入について借換等の機会に保証を見直す支援策もありますが、解除の最終判断は金融機関に委ねられます。『要件を一つ満たせば必ず解除』とは扱わず、自社の不足点を具体的に確認します。
相談準備では、法人と経営者個人の資産・経理が分かれているか、事業が借入返済を継続できる収益力と資産を備えているか、決算や月次の情報を適時に説明できるかを点検します。役員貸付・仮払・私的支出があれば、内容、回収・精算方針、期限を説明できる状態にします。
見直しは保証を外すことだけを目的にせず、会社の管理水準を上げる機会にします。金融機関から難しいとの回答を受けた場合も、何が不足しているか、どの数値・運用をいつまでに改善すれば再検討できるかを記録し、決算・借換・更新など次の相談時期を決めます。

保証を外したいと伝えたいが、対象契約と改善資料を整理できていない
- 契約どの借入に代表者保証が付き、範囲と期限がどうなっているか不明
- 分離役員貸付・立替・個人口座経由の取引が残り、法人との境界を説明しにくい
- 相談解除の可否だけを尋ね、不足点や再検討時期を記録していない
この記事の結論
- 契約単位で対象を特定
借入・保証・担保・残高を一つの台帳へ対応させます。 - 3つの観点を資料化
法人個人の分離、財務基盤、情報開示を事実で示します。 - 回答を改善計画へ変換
不足点、確認資料、期限、次の相談機会を残します。
既存借入の経営者保証見直しの不足を無料相談で整理する
資料がすべて揃っていなくても相談できます。現在ある通帳、会計データ、融資資料から、どこを先に整えるべきかを確認します。
既存借入の経営者保証見直しで想定される相談内容
以下は実績・成功事例ではなく、相談時に整理対象となりやすい状況を示した想定ケースです。融資条件、契約、会計処理、保存期間は各社で異なるため、自社資料と最新の公的情報で確認してください。
創業時の代表者保証付き借入について、2期目の決算後に見直しを相談したい
役員貸付金と個人口座経由の支払を精算し、法人と個人の分離を説明したい
現時点で解除が難しい理由と、次回相談までに改善する項目を記録したい
既存の経営者保証を見直す5工程
契約特定、分離点検、財務資料、相談、改善記録を順につなぎます。
- 01対象契約を特定借入・保証・担保・残高
- 02法人個人の分離を点検役員勘定・口座・私的支出
- 03財務と開示資料を準備利益・純資産・月次・予測
- 04金融機関へ相談可否・理由・不足点
- 05改善して再確認担当・期限・次回機会
見直し準備は契約・分離・財務・開示の4面で確認
単一の数値や形式要件だけで解除を断定しません。
役員勘定と口座
純資産・返済原資
決算・月次・予測
確認式再相談準備=対象契約の特定+分離の改善+財務基盤の説明+情報開示-未解決事項
数値は事業計画へ入れる項目を示したものです。単価・基準・審査結果を保証するものではなく、最新条件を各窓口へ確認してください。
経営者保証の見直しを一度の交渉で終わらせず、管理改善の工程にする
保証契約と信用保証協会保証を混同しない
代表者個人が保証人となる契約と、信用保証協会が金融機関に対して行う保証は別の関係です。書類上の当事者と保証範囲を確認し、どの保証を見直したいのかを明確にします。
役員勘定は残高だけでなく発生理由を説明する
役員貸付金、役員借入金、仮払金がある場合は、取引日、内容、証憑、会社負担の妥当性、精算方針を整理します。決算前だけ数字を移すのではなく、再発防止の口座・承認・精算ルールまで示します。
金融機関の説明を再検討可能な課題へ変える
金融庁の監督指針では、既存保証について変更・解除の可能性を高める改善点の説明に関する考え方が示されています。回答日、説明者、不足事項、改善後に示す資料、再相談時期を記録します。
借入契約と保証契約を一件ずつ対応させる
契約と残高を固定
契約書、返済予定、口座、会計を同じ基準日で照合します。
複数案を同条件で試算
月額だけでなく期間、総額、残高、期限を比較します。
担当と確認日を設定
未確定事項を断定せず、相談先と次回確認日を残します。
保証の有無は決算書だけで決めつけず、各契約の原本・変更契約・保証書類で確認します。相談記録には、対象借入、希望内容、金融機関の説明、不足している事項、改善資料、再確認日を残します。
会計処理、税務申告、帳簿書類の保存、融資判断は事業形態や取引内容で異なります。制度の最新情報を公的機関で確認し、個別の税務判断は税理士等の有資格者へ相談してください。
法人と経営者個人の資産・経理を分ける
契約・保証・残高の対応
- 借入契約ごとの保証人・担保
- 信用保証協会保証の有無と制度
- 当初額・現在残高・返済期限
- 借換・条件変更・更新の予定
毎月先行する支出
- 役員貸付・借入・仮払の精算
- 純資産・利益・返済原資の推移
- 月次試算表と資金繰りの早期化
- 決算説明・予実差・改善行動
台帳は会社単位の借入合計だけでなく、契約番号または融資日をキーにして保証契約と結び付けます。代表者変更、借換、追加融資、条件変更の予定がある場合は、既存保証への影響を自己判断せず事前に確認します。

『外せますか』だけで終わらせず、難しい理由と再検討条件を持ち帰る
面談前に法人・個人の取引、自己資本、利益、返済状況、月次報告の運用を一枚へまとめます。金融機関の回答が現時点では難しい場合も、役員貸付の精算、月次決算の早期化、利益蓄積など具体的な不足点へ分解し、次回決算後など確認時期を設定します。
返済力と財務基盤を月次数値で説明する
| 項目 | 計算・確認方法 | 根拠資料 |
|---|---|---|
| 契約 | 対象借入・保証人・担保・期限 | 原本と残高を照合 |
| 分離 | 法人資金と個人資金の混在 | 役員勘定と私的支出を説明 |
| 財務 | 利益・純資産・返済原資 | 推移と今後予測を提示 |
| 開示 | 決算・月次・資金繰り | 提出時期と差異対応を記録 |
チェック結果を○×だけにせず、資料名、基準日、金額、改善担当、期限を付けます。金融機関が示した不足点は自社の言葉へ置き換えすぎず、面談記録と照合できる形で保存します。
見直し可否と不足点を金融機関へ確認する
借入・保証・担保・残高
役員勘定・口座・私的支出
利益・純資産・月次・予測
可否・理由・不足点
担当・期限・次回機会
保証見直しの相談中も、約定返済と資金繰りは従来どおり管理します。解除や借換が決まる前提で返済予定を変更せず、現在契約の元利金、税金、仕入、人件費を資金繰り表へ置きます。
借換を伴う案が示された場合は、保証の有無だけでなく、新旧の金利、保証料、期間、諸費用、毎月返済、返済後残高を比較します。保証条件の改善と資金安全性を別々に評価します。
制度、許認可、手続、融資条件は変更される場合があります。申込時は公的機関の最新情報と金融機関の案内を確認してください。
経営者保証の相談に用意したい資料
借入・保証契約、返済予定、残高証明、直近決算と試算表、資金繰り、役員勘定明細、法人・個人口座の分離状況、予実差と改善計画を揃えます。追加資料は金融機関の案内に従います。
本記事は創業融資後の一般的な経営管理情報です。金融機関や信用保証協会の判断、保証解除、返戻額、借換条件、追加融資、会計・税務処理を保証または確定するものではありません。最新の契約・公的案内を確認し、個別判断は金融機関、信用保証協会、税理士等の専門家へ相談してください。
創業融資サポートを利用したお客様の声
支援の進み方や相談時の状況を知るには、実際のお客様インタビューが参考になります。承認率などの集計数字ではなく、ご本人の体験を確認できる事例をご案内します。






融資のアイラボの料金と支援範囲
着手金0円・成功報酬5%+税
報酬は融資が実行され、着金したときに発生します。融資が実行されなかった場合、サポート報酬はかかりません。
契約前に、成功報酬の計算対象、消費税、支援期間、追加費用の有無、解約条件を確認します。支援を利用しても融資は保証されず、最終的な可否と条件は金融機関等が決定します。
よくある質問
申込み方法や必要書類は制度・窓口・事業内容によって異なります。個別条件は必ず担当窓口へご確認ください。
既存借入の経営者保証は自動的に外れますか?
自動的に外れるとは限りません。契約を確認し、金融機関へ変更・解除の可否を相談します。最終判断は金融機関に委ねられます。
ガイドラインの要件を満たせば必ず解除されますか?
一律に保証されません。ガイドラインは自主的なルールで、個別契約と金融機関の判断があります。
何から確認すればよいですか?
借入ごとの契約、保証人、担保、信用保証協会保証、残高、期限を一つの台帳へまとめます。
法人と個人の分離では何を見ますか?
口座、私的支出、役員貸付・借入、仮払、資産利用、承認と精算の運用を確認します。
赤字だと相談できませんか?
相談自体はできます。赤字の原因、改善状況、資金繰り、返済状況を整理し、金融機関へ必要資料を確認します。
借換と同時に見直せますか?
支援策や個別提案があり得ますが、利用可否と条件は金融機関等へ確認し、新旧の総費用と資金繰りも比較します。
解除できないと言われたらどうしますか?
不足している点、改善すると可能性が高まる事項、必要資料、再検討時期を確認し、改善計画へ落とします。
この記事の監修者・運営者情報

- 執筆・編集
- 融資のアイラボ編集部
- 監修
- 五常コンサルティング株式会社 代表取締役 石川 康平
- 公開日
- 2026年8月10日
- 最終更新日
- 2026年8月10日
- 制度情報の確認方法
- 日本政策金融公庫、信用保証協会などの公式ページを確認し、申込時は各窓口で最新情報を再確認します。
※記事内の相談場面を表現した写真は、内容を分かりやすく伝えるために作成したAI生成のイメージです。「お客様の声」に掲載しているお客様と監修者の写真は、実際のお客様・監修者の写真です。
確認した公式情報
制度内容や申込方法は改定される場合があります。申込時には各公式ページと窓口で最新情報をご確認ください。PDFは容量が大きい場合があるため、スマートフォンでは通信環境にもご注意ください。
- 中小企業庁「経営者保証」
- 金融庁「中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針」
- 日本政策金融公庫「創業の手引」(PDF・容量が大きい場合があります)
- 国税庁「記帳や帳簿等保存・青色申告」
- あいち産業振興機構「愛知県よろず支援拠点」
制度情報確認日:2026年8月10日
既存借入の経営者保証見直しを次回融資まで逆算して整理する
既存契約と保証内容を特定し、法人・個人の分離、財務基盤、情報開示の不足点を整理します。相談時点で契約する必要はなく、現在ある資料と社内の運用から確認できます。
資料が完成していなくても、相談した時点で契約する必要もありません。
※融資の可否、金額、利率、返済期間、担保・保証人などの条件は、各金融機関・信用保証協会の審査により決定されます。融資のアイラボは金融機関ではなく、融資の実行を保証するものではありません。
※本記事は2026年8月10日時点の公表情報をもとに作成しています。制度内容は変更される場合がありますので、申込時には必ず各公式窓口で最新情報をご確認ください。
