研究開発型スタートアップでは、技術が完成してから顧客を探すのではなく、顧客課題の確認、試作、PoC、評価、改良、量産・提供準備を往復します。創業計画には、各工程で何を検証し、何をもって次へ進むかを置きます。
日本政策金融公庫の新規開業・スタートアップ支援資金は、新たに事業を始める方や事業開始後おおむね7年以内の方を対象に設備資金・運転資金を案内しています。ただし、利用可否、金額、利率、期間は個別に決まるため、制度名だけで計画を完成させません。
開発費は『R&D一式』ではなく、社内人件費、材料、試作、外注、クラウド、試験、知財、認証、顧客検証などへ分けます。研究目的の支出と、顧客へ提供するための事業支出が重なる場合は、契約・見積り・成果物・支払時期を確認します。
売上実績がない場合も、顧客ヒアリング数、秘密保持契約、PoC合意、試験導入、予約、受託契約、共同開発費など、現在ある事実を段階別に示せます。将来の大型受注を確定扱いせず、確度と入金条件を分けます。
補助金・助成金・出資・融資は目的と入金時期が異なります。採択や調達を前提に支払を先行させず、未入金でも継続できる期間と、開発を縮小・停止して相談する期限を決めます。

技術資料は詳しいが、売上までの検証工程と現金が尽きる時期を説明できない
- 工程完成時期だけを置き、PoC・評価・改良の判断基準がない
- 費目開発費一式で、見積り・成果物・支払日へ戻れない
- 返済将来受注や次回調達を確定扱いし、慎重ケースを作らない
売上ゼロ期でも曖昧にしない3点
- 検証単位へ分ける
顧客課題、試作、PoC、評価、販売準備を区切ります。 - 費目と成果を対応
人件費・外注・試験等を次の検証結果へつなぎます。 - 入金と停止条件を置く
受託・予約・融資・出資の確度と期限を月別にします。
研究開発型スタートアップの創業融資準備の数字を無料相談で整理する
資料が完成していなくても、現在ある見積り、通帳、売上根拠、生活費資料から不足項目と確認期限を整理できます。
研究開発型スタートアップの創業融資準備で想定される相談内容
以下は実績・成功事例ではなく、相談時に整理対象となりやすい状況を示した想定ケースです。融資条件、契約、会計処理、保存期間は各社で異なるため、自社資料と最新の公的情報で確認してください。
売上前の試作・外注・試験費を何に対応させるか整理したい
無償PoCから有償契約までの根拠と入金時期を説明したい
開発遅延や次回調達未達を含むランウェイを作りたい
研究開発型の融資説明5工程
技術、顧客検証、費用、入金、ランウェイをつなぎます。
- 01顧客課題を固定誰の何を解くか
- 02検証工程を分解試作・PoC・評価
- 03費目を見積り化成果物・支払月
- 04入金を確度別化受託・予約・販売
- 05ランウェイを確認縮小・停止・相談期限
開発継続は技術期待だけでなく検証結果・残高・次の売上で判断する
成果、資金、期限を同時に見ます。
成功基準
慎重ケース
縮小・停止
確認の組合せ開発継続余力=確定資金+確度調整後入金-開発費-固定費-返済-未達時予備
研究開発型スタートアップの創業融資準備について判断軸を整理した図です。個別案件の処理結果や融資条件を確定するものではないため、実際の画面表示と日本公庫の案内を優先してください。
顧客課題・PoC・開発費・有償化・返済・ランウェイを同じ版で管理する
技術と顧客のマイルストーンを二段で置く
性能達成だけでなく、顧客評価、導入条件、支払意思を並べます。
人件費も担当と期間へ戻す
開発者ごとの役割、期間、他案件との配分、採用時期を示します。
PoCは成功基準と次契約を先に決める
測定方法、データ、合否、終了後の有償条件を合意します。
次回調達を確定扱いしない
未達でも払う固定費と返済を慎重ケースへ残します。
変更履歴を保存する
開発範囲・費用・販売時期が変わったら旧版を残し、資金繰りも同日に更新します。
技術・顧客・検証・資金を一つの工程へつなぐ
課題を事実化
ヒアリング、試験、合意、利用条件を記録します。
マイルストーン化
成果物、費目、担当、期限、合否を対応させます。
確度を分ける
確定資金と未確定調達を同じ残高へ入れません。
開発資金表には、検証目的、成果物、成功基準、担当、期間、費目、見積先、支払月、顧客側の確認、未達時の対応を記録します。技術資料と資金繰りの版・基準日も揃えます。
特許性、研究開発費の会計・税務処理、補助対象経費、融資上の資金区分は個別に異なります。知財・税務・制度の判断は所管・専門家・申込先へ確認してください。
研究開発費を成果物と支払単位へ分ける
試作・PoC・評価
- 材料・試作品・治具・外注設計
- クラウド・解析・試験・認証
- 開発人件費・採用・専門家
- 知財調査・出願・契約確認
顧客検証・販売準備
- ヒアリング・PoC・現場導入
- 受託対応・営業・展示・移動
- 量産準備・保守・品質対応
- 遅延・再試作・調達未達の予備
各支出を『必要だから』ではなく、どの仮説をいつ検証し、次の売上・原価・提供体制へどう接続するかで整理します。既支出と今後支出を分け、同じ費用を融資・補助金等へ重複計上しません。

試作品完成ではなく、顧客が評価し次の支払意思を示す地点を置く
技術マイルストーンと事業マイルストーンを並べ、PoCの相手、評価指標、有償化条件、次回契約、入金日を結びます。未達時に追加開発を続ける上限も決めます。
PoCから有償化までの証拠を段階別に置く
| 項目 | 計算・確認方法 | 根拠資料 |
|---|---|---|
| 課題確認 | 対象顧客・困り事・代替手段 | 面談記録・現場観察 |
| 試作・PoC | 性能・使い方・導入条件 | 評価基準・合否・期間 |
| 有償化 | 価格・契約・提供範囲 | 予約・見積・試験導入 |
| 拡張 | 量産・採用・販売 | 原価・回収・追加資金 |
顧客名や未公開技術を不要に広く共有せず、提出目的に応じて匿名集計と原資料を分けます。
受託・予約・量産後売上を確度別に試算する
誰の何を解くか
試作・PoC・評価
成果物・支払月
受託・予約・販売
縮小・停止・相談期限
売上はPoC、受託、ライセンス、製品販売等へ分け、契約・検収・請求・入金の月を置きます。無償PoCを売上へ入れず、共同開発費等も契約条件と入金確度を確認します。
慎重ケースでは、開発遅延、再試作、PoC未達、入金後倒し、次回調達未達を反映します。最低残高を割る前に、開発範囲縮小、外注延期、受託維持、申込先への相談を開始します。
制度、許認可、手続、融資条件は変更される場合があります。申込時は公的機関の最新情報と金融機関の案内を確認してください。
ランウェイと相談・縮小・停止の期限を決める
研究ノートをそのまま提出するのではなく、融資相談で必要な事業・資金の説明へ整理します。機密情報の共有範囲と提出方法は事前に確認します。
本記事は2026年8月22日に日本政策金融公庫と愛知県の公開情報を確認して作成しています。愛知県の2026年度ディープテック支援募集は締切済みのため、現行募集として案内せず、制度設計の参考例として扱っています。
創業融資サポートを利用したお客様の声
支援の進み方や相談時の状況を知るには、実際のお客様インタビューが参考になります。承認率などの集計数字ではなく、ご本人の体験を確認できる事例をご案内します。






融資のアイラボの料金と支援範囲
着手金0円・成功報酬5%+税
報酬は融資が実行され、着金したときに発生します。融資が実行されなかった場合、サポート報酬はかかりません。
契約前に、成功報酬の計算対象、消費税、支援期間、追加費用の有無、解約条件を確認します。支援を利用しても融資は保証されず、最終的な可否と条件は金融機関等が決定します。
よくある質問
申込み方法や必要書類は制度・窓口・事業内容によって異なります。個別条件は必ず担当窓口へご確認ください。
売上ゼロでも融資相談できますか?
相談はできます。可否・金額は事業計画、資金計画等の個別審査で決まります。
開発費は運転資金ですか?
内容・契約・支払により整理が異なり得るため申込先へ確認します。
PoCは売上実績になりますか?
有償・無償、契約、検収、入金を分けて事実を示します。
補助金と同じ費用を計上できますか?
重複可否は各制度・申込先の条件を確認してください。
特許出願前の技術を説明してよいですか?
共有範囲と機密管理を確認し、必要に応じて専門家へ相談します。
受託売上を返済原資にできますか?
契約確度、粗利、工数、入金日、集中リスクを確認します。
相談時に何を持参しますか?
技術概要、顧客検証、工程、見積り、売上根拠、月別資金繰りを用意します。
この記事の監修者・運営者情報

石川 康平
五常コンサルティング株式会社 代表取締役
2024年の問い合わせ・ヒアリング対応300件をもとに、創業融資の支援範囲・料金・制度情報について確認しています。
- 執筆・編集
- 融資のアイラボ編集部
- 監修
- 五常コンサルティング株式会社 代表取締役 石川 康平
- 公開日
- 2026年8月22日
- 最終更新日
- 2026年8月22日
- 制度情報の確認方法
- 日本政策金融公庫、信用保証協会などの公式ページを確認し、申込時は各窓口で最新情報を再確認します。
※記事内の相談場面を表現した写真は、内容を分かりやすく伝えるために作成したAI生成のイメージです。「お客様の声」に掲載しているお客様と監修者の写真は、実際のお客様・監修者の写真です。
確認した公式情報
制度内容や申込方法は改定される場合があります。申込時には各公式ページと窓口で最新情報をご確認ください。PDFは容量が大きい場合があるため、スマートフォンでは通信環境にもご注意ください。
制度情報確認日:2026年8月22日
顧客課題・PoC・開発費・売上根拠・返済・停止条件を一枚へまとめる
開発工程、顧客検証、見積り、入金確度、ランウェイ、相談期限を整理します。相談時点で契約する必要はなく、制度・金利・必要書類は申込先の最新案内と照合します。
資料が完成していなくても、相談した時点で契約する必要もありません。
※融資の可否、金額、利率、返済期間、担保・保証人などの条件は、各金融機関・信用保証協会の審査により決定されます。融資のアイラボは金融機関ではなく、融資の実行を保証するものではありません。
※本記事は2026年8月22日時点の公表情報をもとに作成しています。制度内容は変更される場合がありますので、申込時には必ず各公式窓口で最新情報をご確認ください。
