同じ商品を、四つの角度から確認する
この価格で売り続けられる?
原価
材料・外注・決済・配送を回収
競合
内容・時間・税込条件をそろえる
顧客
予約・試験購入など行動を確認
提供能力
必要件数を時間・人員内で提供
一つが欠けたら、その根拠を調べ直します。アンケートの購入意向と実際の注文は区別し、写真の商品価格を示す図ではありません。
原価・競合・顧客・能力の根拠資料
| 根拠 | 確認する数字 | 添付・保存する資料 |
|---|---|---|
| 原価 | 材料、外注、決済、配送、歩合 | 仕入見積、外注単価、手数料表 |
| 競合 | 税込価格、内容、時間、追加料金 | 調査日付き比較表、公開料金 |
| 顧客 | 見積回答、予約、試験購入、継続 | 集計表、注文・予約記録 |
| 提供能力 | 一日件数、営業日、稼働率、再作業 | 工程表、勤務表、設備能力 |
競合より高い場合は、提供範囲、時間短縮、品質、立地、保証など価格差の理由を示します。安い場合は、一件粗利と必要販売数が能力上限を超えないかを確認します。
10%の値引きで、必要数は26件増える
定価1万2,000円月155件/追加の生活費等は別
値引き後1万800円月181件/追加の生活費等は別
一件変動費3,600円の架空例です。必要資金130万円は固定費105万円と返済・税等用25万円の合計で、追加の生活費等は必要件数に含めていません。192件は1日8件×24日で、予約や稼働を保証しません。
130万円を賄う必要販売数の計算
以下は計算方法を示す仮定で、相場や審査基準ではありません。サービス単価1万2,000円、一件変動費3,600円、月間固定費105万円、返済・税金等に備える必要資金25万円とします。
| 案 | 一件限界利益 | 必要販売数 | 24日営業の一日件数 |
|---|---|---|---|
| 定価1万2,000円 | 12,000-3,600=8,400円 | 130万円÷8,400円=154.8→155件 | 6.46→約7件 |
| 10%値引き1万800円 | 10,800-3,600=7,200円 | 130万円÷7,200円=180.6→181件 | 7.54→約8件 |
一日8件が設備・人員の上限なら、値引き案は欠勤やキャンセルの余白がほぼありません。値引きで件数が増える根拠がなければ、数量だけを増やさず、内容、原価、商品構成、固定費を見直します。
必要件数は端数を切り上げます。定価は1,300,000÷8,400=約154.762件→155件、値引きは1,300,000÷7,200=約180.556件→181件です。月の提供上限は8件×24日=192件なので空きは各37件・11件。表の一日約7件・約8件は日ごとに均等化した目安で、毎日その件数を売る必要があるという意味ではありません。金額は同一の税込条件で比べる架空例で、変動費3,600円は値引きしても変わらないと仮定します。25万円は返済・税等に備える仮置き額で、生活費等は必要に応じて追加します。
平均単価は、売れる比率で決まる
基本8,000円80件・64万円
標準1万2,000円60件・72万円
上位2万円10件・20万円
帯の長さは件数の比率です。値引き・取消なしの別例で、前の必要数155件のモデルとは混ぜません。最高価格2万円を全件の単価にしません。
3商品の販売数・売上・加重平均
| 商品 | 価格 | 月間件数 | 売上 |
|---|---|---|---|
| 基本 | 8,000円 | 80件 | 64万円 |
| 標準 | 1万2,000円 | 60件 | 72万円 |
| 上位 | 2万円 | 10件 | 20万円 |
| 合計・加重平均 | 156万円÷150件=1万400円 | 150件 | 156万円 |
最高価格2万円ではなく、加重平均1万400円を売上予測へ使います。試験販売後は、商品別の購入数、値引き、キャンセル、変動費を更新し、創業当初と軌道後の二段階で示します。
価格根拠資料は「数字・出典・調査日・計画への反映」を一組にする
競合画面だけを並べず、自社商品との相違、調査日、採用した単価、採用しなかった理由を一行で残します。見積書、予約、試験販売等は個人情報を必要最小限にし、提出範囲を申込先へ確認してください。
この商品構成は前の単一サービスの必要件数計算とは別の架空例です。価格は税込、値引き・取消なしとし、売上156万円をそのまま利益や現金とは扱いません。
採用した価格に、証拠と日付を付ける
- 同じ条件を記録内容・数量・提供時間・税区分
- 根拠を保存見積・公開料金・注文・試験販売
- 使う価格を決定通常価格と値引き後を区別
- 計算へ反映単価×件数、変動費、必要数
- 開業後に更新実売比率・作業時間・取消を確認
競合のキャンペーンを通常価格として使いません。少人数の反応を市場全体の需要にせず、調査日と対象の違いを残します。
競合・原価・顧客・試験販売の確認表
| 項目 | 計算・確認方法 | 根拠資料 |
|---|---|---|
| 競合比較 | 同等条件の公開価格 | 税込・追加料金・調査日 |
| 原価積上げ | 販売一件ごとの変動費 | 見積・レシピ・作業時間 |
| 顧客調査 | 購入意向と実行動 | 回答数・属性・予約率 |
| 試験販売 | 実売価格・数量・粗利 | 期間・場所・本番との差 |
根拠には調査日とURL・資料名を付けます。競合の一時的なキャンペーン価格や、古いメニューを通常価格として扱わないよう確認します。
売れた日と、口座へ入る日を分ける
- 販売・サービス提供商品別の実売価格と件数
- 決済・請求手数料・取消・締日を確認
- 口座へ入金販売経路ごとに入金日を置く
- 支払日と照合仕入・給与・家賃・返済と比較
一件差額は口座残高ではありません。前受金や回数券は提供・返金義務も確認。値下げ後の人員・在庫・広告費を更新します。
販売経路別の入金・手数料・先行支払
誰に何をどこまで提供
地域・品質・時間・追加料金
変動費・値引き・廃棄
調査・予約・試験販売
平均単価・数量・粗利・入金
売上計上と入金が同じ月とは限りません。現金、カード、モール、請求書払いなどチャネル別に手数料と入金日を置きます。前受金や回数券は提供義務と返金条件を確認します。
価格を下げる場合は、必要販売数、追加人員、在庫、広告費も変わります。価格だけを変えて他の計画を据え置かず、提供能力と運転資金を再計算します。
制度、許認可、手続、融資条件は変更される場合があります。申込時は公的機関の最新情報と金融機関の案内を確認してください。

愛知県・名古屋市中区大須・新天地通
同じ商品条件で地域の価格を調べる
名古屋市中区大須・新天地通の実景です。現地の価格調査では、商品の内容・容量・追加料金・調査日を記録します。写真の店頭価格や通行人数を、そのまま自店の価格・販売件数の根拠にはしません。
名古屋市中区大須・新天地通/2021年7月撮影。現在の様子とは異なる場合があります。写真:Asturio Cantabrio(Wikimedia Commons原典)/CC BY-SA 4.0。縮小・WebP変換。同ライセンスで利用。
必要な準備を項目別に確認
価格設定と数値例の前提
日本政策金融公庫の創業計画書は、売上高、売上原価、経費の計算根拠を記入する形式です。公式の記入例も、平均単価、席数、回転数、営業日等を掛けて売上を示しています。希望売上から価格を逆算するだけでなく、数量の達成可能性まで説明します。
価格は、変動費を回収できる下限、同条件で比較した市場水準、顧客が実際に選んだ証拠、無理なく提供できる件数の四層で検証します。アンケート回答だけでなく、見積回答、予約、試験販売、継続率など行動データを残します。
商品が複数ある場合は最高価格を平均単価にしません。標準、低価格、高価格の販売比率、値引き、決済手数料、返品・廃棄を反映した加重平均単価と一件限界利益を使います。
日本公庫の価格・収支計画案内
この記事で扱う範囲
創業計画書の販売価格根拠で想定される相談内容
以下は実績・成功事例ではなく、相談時に整理対象となりやすい状況を示した想定ケースです。融資条件、契約、会計処理、保存期間は各社で異なるため、自社資料と最新の公的情報で確認してください。
競合より10%高い価格を、品質・時間・顧客調査で説明したい
商品が3種類あり、販売比率から平均単価と月間粗利を計算したい
開業前の試験販売結果を本番価格と売上予測へ補正したい
競合より高い価格には差の根拠を付ける
立地、専門性、時間短縮、保証、希少性、個別対応など、顧客が比較できる価値を示します。形容詞ではなく、提供範囲と顧客調査で説明します。
創業者の作業時間を無料と考えない
創業直後に自分が無給で働けても、将来の採用や外注で費用が発生します。現在の資金繰りと、持続可能な標準原価を分けて確認します。
価格変更の判断日を決める
開業後は月次で平均単価、値引き率、商品構成、一件粗利を確認します。感覚的に値上げ・値下げせず、どの指標が基準を外れたら見直すかを決めます。
顧客価値・競合・原価を別々に調べる
条件を揃えて比較
内容、時間、容量、追加料金を合わせます。
一件粗利を確認
販売連動費を商品別に積み上げます。
行動データを優先
予約、見積、試験販売を分けて集計します。
価格根拠表には、商品名、対象顧客、提供内容、通常価格、税込・税抜、値引き、販売比率、平均単価、材料・仕入、外注、決済、配送、包装、廃棄等の変動費、一件粗利、月間数量、売上、粗利、入金時期を記載します。消費税の処理は専門家へ確認します。
自己資金、既存借入、必要資金、売上・原価の見通し、必要書類、審査上の取扱いは、申込先、制度、事業内容、個別事情で異なります。公式情報と申込先の最新案内を優先してください。融資の可否、金額、利率、返済期間等は金融機関等が審査して決定します。
比較条件を揃えた競合価格表を作る
市場・顧客の確認
- 競合の同等商品・地域・条件
- 顧客インタビュー・アンケート
- 試験販売・予約・見積の反応
- 選ばれる理由と見送られる条件
原価・供給能力の確認
- 材料・仕入・外注・決済等
- 値引き・返品・廃棄・紹介料
- 一時間・一席・一台当たりの能力
- 固定費回収に必要な販売数量
平均単価は、商品A5,000円×構成比60%+商品B8,000円×30%+商品C12,000円×10%のように計算します。値引きがある場合は実売価格を使い、売上から販売連動費を引いた粗利額で固定費と返済を賄えるか確認します。
この構成比の例は、3商品の月150件の例とも別です。5,000×60%+8,000×30%+12,000×10%=平均6,600円となります。採用する計画ごとに例を混在させず、税区分と実売価格をそろえます。
通常価格、値引き率、商品構成の三つを変え、月間粗利がどう動くか比較する
競合より安い価格で数量が増えても、提供能力を超えたり粗利が減ったりすれば資金繰りは改善しません。基準・低単価・低数量の三ケースで、必要客数と最低現金残高を確認します。
価格・販売数・入金を創業計画へ接続する
競合調査の転載範囲や著作権へ配慮し、必要な事実と出典を記録します。顧客調査は対象者、人数、実施日、質問方法を残し、少人数の意見を市場全体へ一般化しません。
本記事は価格設定と売上根拠の一般的な整理方法です。適正価格、需要、収益、融資結果を保証しません。消費税、原価計算、表示規制等は専門家と関係機関へ確認してください。
この内容を具体化する補足記事
本文の根拠となる公式情報
創業融資サポートを利用したお客様の声
支援の進み方や相談時の状況を知るには、実際のお客様インタビューが参考になります。承認率などの集計数字ではなく、ご本人の体験を確認できる事例をご案内します。






融資のアイラボの料金と支援範囲
着手金0円・成功報酬5%+税
報酬は融資が実行され、着金したときに発生します。融資が実行されなかった場合、サポート報酬はかかりません。
契約前に、成功報酬の計算対象、消費税、支援期間、追加費用の有無、解約条件を確認します。支援を利用しても融資は保証されず、最終的な可否と条件は金融機関等が決定します。
よくある質問
申込み方法や必要書類は制度・窓口・事業内容によって異なります。個別条件は必ず担当窓口へご確認ください。
競合と同じ価格なら根拠になりますか?
比較条件が同じとは限りません。内容、時間、品質、立地、追加料金等を揃え、自社原価と顧客反応も確認します。
原価へ家賃や人件費も入れますか?
商品別の変動費と月額固定費を分けて把握し、損益分岐点で両方を確認します。分類は専門家へ確認してください。
アンケートだけで価格を決められますか?
回答と実際の購入行動は異なります。可能なら予約、見積、試験販売等の行動データも確認します。
創業計画書は最高価格を書けばよいですか?
実際の商品構成と値引きを反映した平均単価を使います。
税込と税抜はどちらで計算しますか?
資料内で基準を統一し、会計・税務上の処理は専門家へ確認します。
安くすれば販売数は増えますか?
増加は保証されません。価格感応、提供能力、広告、粗利への影響をケース比較します。
開業後に価格を変えてもよいですか?
契約・表示・顧客説明を確認し、平均単価、数量、粗利、資金繰りを更新します。
この記事の監修者・運営者情報

石川 康平
五常コンサルティング株式会社 代表取締役
2024年の問い合わせ・ヒアリング対応300件をもとに、創業融資の支援範囲・料金・制度情報について確認しています。
- 執筆・編集
- 融資のアイラボ編集部
- 監修
- 五常コンサルティング株式会社 代表取締役 石川 康平
- 公開日
- 2026年8月12日
- 最終更新日
- 2026年9月12日
- 制度情報の確認方法
- 日本政策金融公庫、信用保証協会などの公式ページを確認し、申込時は各窓口で最新情報を再確認します。
※冒頭の仕事の写真はAI生成の架空イメージです。出典を記した地域写真は実景です。お客様の声・監修者の写真は実際の人物です。
確認した公式情報
2026年9月12日の再確認:日本公庫の創業計画書セルフチェックの収支計画で、売上・原価の計算根拠と経費・返済の確認項目を再確認しました。価格と数量は相場や審査基準ではなく架空例です。所在地・営業内容に合う条件は各窓口へ確認してください。
制度内容や申込方法は改定される場合があります。申込時には各公式ページと窓口で最新情報をご確認ください。PDFは容量が大きい場合があるため、スマートフォンでは通信環境にもご注意ください。
- 日本政策金融公庫「創業計画の書き方」
- 日本政策金融公庫「創業の手引」(PDF・容量が大きい場合があります)
- 日本政策金融公庫「創業計画書セルフチェック」
- 日本政策金融公庫「創業計画書 記入例(飲食店)」(PDF・容量が大きい場合があります)
- 日本政策金融公庫「赤字にならない売上はいくら?損益分岐点売上高と売上高目標」
制度情報確認日:2026年8月26日
創業計画書の販売価格根拠の確認表を整える
競合条件、一件原価、顧客反応、商品構成、平均単価、月間粗利を一枚へまとめます。資料が完成していなくても、事実を変えず、現在分かる数字と未確認事項から整理できます。
資料が完成していなくても、相談した時点で契約する必要もありません。
※融資の可否、金額、利率、返済期間、担保・保証人などの条件は、各金融機関・信用保証協会の審査により決定されます。融資のアイラボは金融機関ではなく、融資の実行を保証するものではありません。
※本記事は2026年8月26日時点の公表情報をもとに作成しています。制度内容は変更される場合がありますので、申込時には必ず各公式窓口で最新情報をご確認ください。
