経済産業省は、ABLを企業が保有する在庫、売掛金等の動産・債権を担保として資金を調達する手法として案内しています。不動産以外の事業資産を活用できる一方、資産の種類、品質、所有、回収可能性を継続して把握する運用が欠かせません。
在庫は会計上の金額だけでなく、品目、数量、保管場所、所有権、仕入日、滞留日数、不良・陳腐化を確認します。預かり品、委託品、既に売却済みの品、担保対象外の品を混ぜると、報告残高の信頼性が下がります。
売掛金は取引先、請求額、支払期日、入金、相殺、返品、貸倒懸念を追います。売上が増えても回収が遅れれば現金は増えず、同じ債権を重複計上したり、対象外債権を含めたりすると評価の前提が崩れます。
評価額と借入残高は別物です。担保価値が増減しても融資枠や実行額が自動的に同額動くとは限りません。借入可能額の計算、追加報告、差替え、期限、費用は契約と金融機関の運用で確認します。

在庫・売掛金の帳簿残高を担保価値だと思い、対象外・評価率・滞留を管理していない
- 在庫実地数量と在庫表が合わず、長期滞留品を分けていない
- 売掛金支払期日超過、相殺、返品、貸倒懸念を反映していない
- 借入評価額、融資枠、実行残高、利用可能額を同じ数字で見ている
この記事の結論
- 対象
契約で認められる在庫・債権と対象外を区分します。 - 評価
帳簿残高から滞留・延滞・掛目等を分けて確認します。 - 資金
融資枠・実行残高・利用可能額を資金繰りへ反映します。
ABL・動産債権担保融資の管理の不足を無料相談で整理する
資料がすべて揃っていなくても相談できます。現在ある通帳、会計データ、融資資料から、どこを先に整えるべきかを確認します。
ABL・動産債権担保融資の管理で想定される相談内容
以下は実績・成功事例ではなく、相談時に整理対象となりやすい状況を示した想定ケースです。融資条件、契約、会計処理、保存期間は各社で異なるため、自社資料と最新の公的情報で確認してください。
不動産担保以外の候補としてABLを検討し、対象在庫と売掛金の範囲を整理したい
金融機関へ提出する在庫・売掛金報告と会計残高の差を説明できるようにしたい
評価額が減った場合の利用可能額と資金不足時期を事前に試算したい
ABLを対象資産の抽出から資金繰り反映まで管理する工程
契約条件、実在性、評価調整、借入可能額を同じ基準日でつなぎます。
- 01契約確認対象・対象外・評価・報告
- 02残高抽出在庫表・売掛金年齢表
- 03実在性確認棚卸・請求・入金照合
- 04評価調整滞留・延滞・掛目・控除
- 05資金反映利用可能額・返済・不足時期
ABLは残高・評価・資金の三つを分けて確認
帳簿残高をそのまま使える資金とは見ません。
元データを照合
契約条件で調整
承認後に反映
確認式利用可能額の検討値=契約対象残高×確認した評価条件-既存実行残高等(個別契約を優先)
数値は事業計画へ入れる項目を示したものです。単価・基準・審査結果を保証するものではなく、最新条件を各窓口へ確認してください。
ABLを在庫・売掛金の名目担保で終わらせず、実在性・換価性・回収性の月次管理へ落とす
帳簿残高と担保対象残高を分ける
自社の会計上は資産でも、契約条件により対象外となる場合があります。所有権、所在地、滞留、支払期日超過等の条件を確認し、調整表を残します。
上位取引先への集中を金額と回収で見る
売掛金が一社へ集中すると、遅延や取引停止の影響が大きくなります。残高比率、回収履歴、受注見込み、代替販売先を確認します。
評価減少時の行動を事前に決める
追加資金、仕入抑制、回収促進、在庫処分、金融機関への報告など、評価が一定水準を下回った場合の社内判断と連絡順序を決めます。
ABLの対象となる在庫・設備・売掛債権を契約単位で確認する
契約・残高・取引を固定
原契約、返済予定、残高、担保・保証、会計帳簿を同じ基準日で照合します。
報告・利払・更新日を管理
金融機関への報告日、利払日、償還日、評価更新日、決算日をカレンダーへ落とします。
未確定事項を早めに確認
制度名だけで判断せず、取扱金融機関、税理士、司法書士、弁護士等への確認事項と回答を残します。
担保対象の資産種類、所在地、所有権、対象外条件、評価方法・掛目、評価基準日、報告様式・頻度、実地確認、譲渡・処分・保険等の承諾事項を契約書と金融機関の説明で固定します。在庫表・売掛金表の集計条件も記録します。
会計処理、税務申告、帳簿書類の保存、融資判断は事業形態や取引内容で異なります。制度の最新情報を公的機関で確認し、個別の税務判断は税理士等の有資格者へ相談してください。
在庫表と実地確認で数量・所有・保管場所・滞留を照合する
対象資産と評価調整
- 品目・数量・単価・保管場所
- 所有権・預かり・委託・既存担保
- 仕入日・滞留日数・不良・陳腐化
- 実地確認日・差異・評価調整
売掛債権の回収情報
- 取引先・請求額・支払期日・入金
- 相殺・返品・値引・貸倒懸念
- 年齢区分・上位取引先集中
- 対象外債権・重複・譲渡制限
会計残高、担保対象残高、金融機関の評価額を別列で持ちます。差異は集計ミスと決めつけず、所有権、滞留、延滞、返品、相殺、契約上の対象外を一件ずつ確認します。評価日時点と会計締日が違う場合も明示します。

在庫回転と売掛金回収を、担保報告と資金繰りで同じデータにする
在庫を仕入れて販売し、請求して入金するまでの流れをつなぎます。在庫が増えても売上につながらず、売掛金が増えても回収が遅い場合、帳簿資産は増えても現金余力は悪化します。資産残高と回転日数を併記します。
売掛金年齢表で請求・期日・入金・相殺・延滞を追う
| 項目 | 計算・確認方法 | 根拠資料 |
|---|---|---|
| 在庫 | 帳簿数量・実地数量・滞留・対象外 | 在庫受払・棚卸表 |
| 売掛 | 請求・期日・入金・延滞・相殺 | 売掛金年齢表 |
| 評価 | 対象残高・掛目・控除・評価額 | 金融機関報告表 |
| 借入 | 融資枠・実行残高・利用可能額 | 借入台帳・返済表 |
棚卸差異や回収遅延を翌月へ持ち越さず、原因と修正日を残します。担保報告のためだけの別表を作ると会計とずれやすいため、販売・在庫・会計の元データから同じ基準日で再計算できる形にします。
評価額・融資枠・実行残高・利用可能額を分けて資金繰りへ反映する
対象・対象外・評価・報告
在庫表・売掛金年齢表
棚卸・請求・入金照合
滞留・延滞・掛目・控除
利用可能額・返済・不足時期
ABLの利用可能額が見込めても、評価更新や実行までの時間、返済日、入金日のずれを考慮します。資金繰り表には、確定済み実行額と相談中の見込額を分けて表示し、未承認額を使用可能資金へ含めません。
在庫仕入が先行する企業は、追加仕入による売上・粗利と、現金が在庫に固定される期間を比較します。売掛金の回収遅延や上位取引先の集中が進んだときは、評価額への影響も含めて早めに相談します。
制度、許認可、手続、融資条件は変更される場合があります。申込時は公的機関の最新情報と金融機関の案内を確認してください。
ABLの評価・報告で揃えたい資料
ABL契約、対象資産定義、評価・報告様式、在庫受払、棚卸差異、保管場所、売掛金年齢表、請求・入金、返品・相殺、上位取引先、評価額、融資枠、借入残高、資金繰り、金融機関への報告履歴を揃えます。
制度や金融商品は、名称が同じでも契約条件、審査、担保範囲、報告義務、費用、会計・税務処理が異なります。公開情報だけで自社の権利義務を確定せず、最新の契約書、取扱金融機関の説明、公的機関の案内を確認してください。法務は弁護士・司法書士、会計・税務は税理士等の有資格者へ相談してください。
創業融資サポートを利用したお客様の声
支援の進み方や相談時の状況を知るには、実際のお客様インタビューが参考になります。承認率などの集計数字ではなく、ご本人の体験を確認できる事例をご案内します。






融資のアイラボの料金と支援範囲
着手金0円・成功報酬5%+税
報酬は融資が実行され、着金したときに発生します。融資が実行されなかった場合、サポート報酬はかかりません。
契約前に、成功報酬の計算対象、消費税、支援期間、追加費用の有無、解約条件を確認します。支援を利用しても融資は保証されず、最終的な可否と条件は金融機関等が決定します。
よくある質問
申込み方法や必要書類は制度・窓口・事業内容によって異なります。個別条件は必ず担当窓口へご確認ください。
ABLとは何ですか?
在庫、機械設備、売掛債権などの動産・債権を活用する融資手法です。対象や条件は金融機関・契約で異なります。
在庫の帳簿価格まで借りられますか?
帳簿価格がそのまま融資額になるとは限りません。対象外、滞留、評価方法、掛目、融資枠等を確認します。
すべての売掛金を担保にできますか?
契約上の対象、支払期日、延滞、相殺、譲渡制限等により扱いが変わります。個別に確認してください。
棚卸はどの程度必要ですか?
契約上の報告・実地確認を優先します。社内では品目、数量、所有、保管場所、滞留を再現できる状態にします。
売掛金が遅れたらどうしますか?
年齢表へ反映し、原因、回収見込み、評価・資金への影響を確認して金融機関へ早めに相談します。
評価額が増えれば自動で借入できますか?
自動ではありません。融資枠、審査、実行手続、既存残高、契約条件を確認します。
既存の担保と重複していないかどう確認しますか?
資産別に担保権者、契約日、対象範囲、順位、登記・通知等の資料を整理し、金融機関や専門家へ確認します。
この記事の監修者・運営者情報

- 執筆・編集
- 融資のアイラボ編集部
- 監修
- 五常コンサルティング株式会社 代表取締役 石川 康平
- 公開日
- 2026年8月10日
- 最終更新日
- 2026年8月10日
- 制度情報の確認方法
- 日本政策金融公庫、信用保証協会などの公式ページを確認し、申込時は各窓口で最新情報を再確認します。
※記事内の相談場面を表現した写真は、内容を分かりやすく伝えるために作成したAI生成のイメージです。「お客様の声」に掲載しているお客様と監修者の写真は、実際のお客様・監修者の写真です。
確認した公式情報
制度内容や申込方法は改定される場合があります。申込時には各公式ページと窓口で最新情報をご確認ください。PDFは容量が大きい場合があるため、スマートフォンでは通信環境にもご注意ください。
- 経済産業省「産業金融政策・ABL(動産・債権担保融資)の普及促進」
- 経済産業省「ABLガイドライン」(PDF・容量が大きい場合があります)
- 日本政策金融公庫「創業の手引」(PDF・容量が大きい場合があります)
- 国税庁「記帳や帳簿等保存・青色申告」
- あいち産業振興機構「愛知県よろず支援拠点」
制度情報確認日:2026年8月10日
ABL・動産債権担保融資の管理を次回融資まで逆算して整理する
ABLの対象資産、在庫・売掛金の照合、評価調整、借入可能額と資金繰りを整理します。相談時点で契約する必要はなく、現在ある資料と社内の運用から確認できます。
資料が完成していなくても、相談した時点で契約する必要もありません。
※融資の可否、金額、利率、返済期間、担保・保証人などの条件は、各金融機関・信用保証協会の審査により決定されます。融資のアイラボは金融機関ではなく、融資の実行を保証するものではありません。
※本記事は2026年8月10日時点の公表情報をもとに作成しています。制度内容は変更される場合がありますので、申込時には必ず各公式窓口で最新情報をご確認ください。
