新設法人の消費税|期ごとの判定と納税資金を図で整理

「会社を作って2年間は免税」とは限りません。各期の資本金・登録・売上などを確認し、納税が必要な場合に残す現金も計画します。税額の試算と実際に使える残高を分けて見ていきましょう。

通販事業の作業場で出荷箱と請求資料を照合する経営者と担当者の架空の場面(AI生成)

仕事の場面はAI生成のイメージです

新設でも、資本金以外の条件を確認する

設立直後でも、免税とは限らない

会社の設立・出資を確認

登記・定款・株主資料で、期首の資本金、決算期、親会社等との関係を調べる。

売上と給与の期間を確認

売上台帳・給与資料で、過去の対象期間を集計する。

登録・届出の控えを確認

インボイス登録日や、自ら課税を選んだ届出の有無を見る。

この3組の資料を用意して第1期・第2期を別々に判定

順番ではなく並列の確認です。資本金1,000万円未満でも免税が確定するわけではありません。

用語は、集計する期間の名前です。法人の「基準期間」は原則として前々事業年度。「特定期間」は原則として前事業年度の前半6か月です。設立直後や前期が短い場合などは扱いが異なるため、設立日・期首・期末を先に書き出します。

「支配関係」は親会社等との出資・関係、「課税選択」は自ら消費税の課税事業者となるための届出です。株主資料と届出の控えを、期間別の売上・給与資料と一緒に税理士・税務署へ示します。

六つの判定入口と確認資料へ →
六つの判定入口と確認資料

国内の小規模な株式会社を想定した一般整理です。該当可否は税理士・税務署へ確認します。

表は左右に動かせます。
項目名は固定表示です。

新設法人の消費税を、課税期間ごとに六つの入口から確認する
確認入口基準日・資料資金計画への反映
基準期間前々事業年度等の課税売上高免税点判定の出発点
期首資本金各事業年度開始日の額1,000万円以上等を確認
特定期間原則、前期開始後6か月売上高・給与等支払額資料
支配関係株主、親族、特殊関係法人特定新規設立法人の確認
課税選択届出、適用開始、拘束・調整設備投資、将来売上、納付
インボイス登録申請、登録日、取消し、経過措置取引先、価格、申告・納税

国税庁「No.6531 新規開業又は法人の新規設立のとき」は、基準期間がないときの原則と、納税義務が免除されない場合を案内しています。「新設」という一語で2期を同じ結論にしません。

国税庁「特定新規設立法人の納税義務免除の特例」を使い、資本金1,000万円未満でも支配関係等により特定新規設立法人となる可能性を株主資料から確認します。

インボイス登録を取引先と粗利から検討する

表は左右に動かせます。
項目名は固定表示です。

インボイス登録を取引先と粗利から検討する
項目計算・確認方法根拠資料
第1期基準期間なしの原則と例外期首資本金・登録・支配関係等
第2期特定期間判定を追加売上高または給与等支払額等
インボイス登録の必要性と効力取引先・価格・登録日・届出
資金納税見込を月次積立税込入金・課税仕入・返済

判定は『免税』『課税』の結論だけでなく、使用した資料、対象期間、金額、選択した指標、確認日、確認者を残します。売上・給与の修正や期首条件の変更があれば再判定し、資金繰りの積立額も更新します。

第2期は、前期の資料を加えて見直す

架空日程|2026年4月1日設立
  1. 第1期:2026/4/1〜2027/3/31期首資本金900万円。登録・選択・支配関係等も確認。
  2. 前期の特定期間を抽出原則2026/4/1〜9/30。売上1,200万円・給与等支払1,050万円の例。
  3. 第2期:2027/4/1〜2028/3/31第1期の判定を写さず、特定期間と期首条件を再確認。

第1期が短い場合などは対象期間が異なります。この日程例では売上・給与とも1,000万円超ですが、集計範囲や他の条件も確認して判定します。

設立日・特定期間・実績の確認表へ →
設立日・特定期間・実績の確認表

設立日・決算期、売上・給与は架空です。課税判定を確定する表ではありません。

表は左右に動かせます。
項目名は固定表示です。

2026年4月設立・3月決算なら、第1期と第2期の資料を分ける
期別確認第1期 2026/4/1~2027/3/31第2期 2027/4/1~2028/3/31
基準期間なし通常はなし。別条件も確認
期首資本金9,000,000円9,000,000円
インボイス登録登録予定日・効力を確認登録状態を再確認
課税選択届出の有無・期限を確認前期届出・継続条件を確認
特定期間通常は第1期判定に用いない原則2026/4/1~9/30を確認
特定期間課税売上高―12,000,000円の架空実績
特定期間給与等支払額―10,500,000円の架空実績
支配関係設立時株主資料期首までの変更も確認
確認時点設立・登録・届出前第2期開始前に確定資料で再判定

国税庁「特定期間の判定」は、設立1期目の長さや決算期等で特定期間が異なる例を示しています。架空日程を自社へそのまま当てず、設立日と各期末を税理士へ示します。

売上1,200万円、給与1,050万円は判定資料の例です。課税売上の範囲や給与等支払額の集計を帳簿・申告資料で確認します。

税額の比較は、使える制度の確認から

架空例|納税額の計算を比べる
一般計算100万円
2割特例を使える場合40万円

売上の税額相当200万円をもとに計算

一般:200−仕入の税額100100万円

特例:200×20%40万円

特例は、免税事業者がインボイス登録を機に課税事業者になった場合等が対象です。登録がなくても課税となる期間などは対象外。金額の小さい方を自由に選ぶ例ではありません。

全て税率10%、税込売上2,200万円・税込仕入1,100万円で、仕入れの控除要件を満たす仮定です。期間・対象条件は図直後の説明と詳細表で確認してください。

2割特例の対象期間:2023年10月1日〜2026年9月30日までの日の属する課税期間です。9月30日だけを見て終了と判断せず、自社の課税期間と対象外となる条件を照合します。改正後の3割特例は個人事業者向けで、法人には適用されません。国税庁の2割特例の説明・令和8年度改正情報

一般計算・2割特例の概念計算へ →
一般計算・2割特例の概念計算

全取引が単純な10%課税で適格請求書等の要件を満たすと仮定した概念例です。実際の国税・地方税、端数、区分は税理士が計算します。

表は左右に動かせます。
項目名は固定表示です。

税込売上2,200万円なら、一般計算の納税100万円と2割相当40万円を別表示する
税額の概念例計算架空額
税込課税売上22,000,000円税率・非課税等を区分
売上税額相当2,200万÷1.1×10%2,000,000円
税込課税仕入11,000,000円控除要件を別途確認
仕入税額相当1,100万÷1.1×10%1,000,000円
一般計算の差額200万-100万円1,000,000円
2割特例の概念額売上税額200万×20%400,000円
概念差100万-40万円600,000円
判定有利な方を自動適用しない要件・課税期間・届出等を確認

国税庁「No.6498 適格請求書等保存方式」は、2割特例について令和5年10月1日から令和8年9月30日までの日の属する課税期間等を案内しています。国税庁「令和8年度税制改正特集」も確認し、自社の課税期間と要件を照合します。

40万円は適用可否を示す税額ではありません。一般課税、簡易課税、特例、非課税取引、軽減税率、控除要件等で実額は変わります。

令和8年度改正による3割特例は、対象となる個人事業者の令和9年分・令和10年分向けです。法人には適用されません。法人の2割特例終了後は一般課税や、要件と届出を満たす簡易課税などを比較し、自動的に3割へ移る計画にしないでください。

納税用のお金を毎月分けて残す

架空例|納税見込み100万円

1か月:10万円を確保積立10万円

5か月:10万円×5積立50万円

10か月:10万円×10積立100万円

100万円÷10か月毎月10万円を確保

積立は社内の資金管理で、まだ税金を支払ったわけではありません。自社口座間の移動や帳簿上の区分で分け、実際に納付した月と二重に差し引きません。

納税見込みと月次積立の計算へ →
納税見込みと月次積立の計算

3月決算法人が一般計算100万円を見込む架空の管理例です。申告・納付期限と税額は個別確認します。

表は左右に動かせます。
項目名は固定表示です。

納税見込100万円を10か月で積み立てると、月10万円を分ける
納税資金管理計算金額・状態
納税見込額一般計算の概念例1,000,000円
積立期間決算前10か月10か月
月次積立100万÷10か月100,000円
5か月後の積立10万×5か月500,000円
10か月後の積立10万×10か月1,000,000円
預金残高事業現金と同じ口座でも可視化帳簿・補助表で区分
使用可能残高預金残高-納税積立仕入・給与へ重複使用しない
更新月次試算で税額再見積り売上・仕入・特例変更を反映

積立は税法上の納税額や会計処理を決めるものではなく、支払可能性を管理する内部区分です。申告時に税理士の計算と差を調整します。

免税見込みでも、登録・増資・売上・給与・株主関係の変更で判定を再確認するまで、税相当額をすべて自由資金にしません。

口座残高と、自由に使える額を分ける

架空例|月末の300万円を分ける
  1. 月初300万円+実入金220万円合計520万円
  2. 実支払220万円を引く仕入等160万円+給与50万円+返済10万円

事業に使える額290万円

納税のため確保した額10万円

実際の月末現金は300万円のまま

積立10万円は支出ではなく、300万円の一部です。同一口座内で区分する例。別の自社口座へ移しても会社全体の現金は変わりません。他の税・社会保険等は別です。

入出金と納税積立の残高表へ →
入出金と納税積立の残高表

課税事業者として月次管理する架空例です。消費税以外の税・社会保険等は含みません。

表は左右に動かせます。
項目名は固定表示です。

月10万円を積み立てると、月末の使用可能現金は290万円
当月の現金項目金額資料
月初現金3,000,000円預金・現金残高
当月実入金+2,200,000円請求・決済・着金
仕入・外注・固定費▲1,600,000円請求書・支払
給与等支払▲500,000円賃金・振込
借入返済▲100,000円元金・利息を区分
納税積立▲100,000円使用可能残高から除外
月末使用可能現金2,900,000円300万+220万-160万-50万-10万-10万
積立分も含む実際の月末現金3,000,000円10万円を自由資金と誤認
更新資料期別判定表・登録届出・税額試算版と確認日を保存

日本政策金融公庫「創業計画書セルフチェック・資金計画」が確認を促す必要資金・調達方法と、日本政策金融公庫「創業計画書セルフチェック・収支計画」の収支計画へ、納税積立と納付月を反映します。

融資で税金を賄えると決めず、融資対象の可否は申込先へ確認します。納税義務の判定と事業の返済可能性は別に説明します。

この例は積立を同一口座内の管理区分とし、実支払は仕入等160万円・給与50万円・返済10万円の合計220万円です。月末現金は300万円、うち積立10万円、使用可能額290万円です。積立を現金支出として記帳する指示ではありません。自社別口座へ移しても会社全体の現金は同じです。

必要な準備を項目別に確認

新設法人の第1期・第2期の消費税判定で確認する主な条件と、インボイス・設備投資・納税資金の比較を扱います。個別の納税義務・税額・還付を確定しません。

期首・株主・届出の判定資料

資本金、登録、特定期間、支配関係、選択届出を期別判定表へ集める

増資・組織再編がある場合は、その日付と登記・払込資料へ戻ります。親会社等との関係は株主割合だけで結論を出さず、判定に関係する会社の売上資料も共有します。

登録の判断では、取引先の要請、価格交渉、事務負担、登録日、将来の設備投資を同じ表へ置きます。還付を見込む場合は、届出期限と継続要件を先に確認します。

新設法人でも2年間免税とは限らない理由を確認する

消費税判定表には、事業年度、期首日、資本金・出資金、基準期間の有無、特定期間、課税売上高、給与等支払額、インボイス登録日、課税事業者選択届等、親会社・株主情報、設備投資、判定根拠、確認者、届出期限を記載します。

消費税の納税義務、基準期間・特定期間、資本金、特定新規設立法人、登録・選択の効力、簡易課税、還付、各種経過措置は複雑です。国税庁の最新案内と税理士の個別確認なしに判定を確定しないでください。

税込入金・納税・還付待ち

税込入金と納税資金を分ける

課税事業者になる場合、税込入金の全額を粗利として扱いません。税率区分、課税仕入、控除要件等を月次で整理し、概算納税額を別残高へ移します。免税の可能性がある場合でも、判定確定前は慎重案として積立を残すと、後から課税と分かったときの不足を抑えられます。

納税・返済が重なる月と還付の遅れに備える

課税案と免税案の二つを作り、売上は税抜・消費税相当額、仕入は税率区分・控除見込へ分けます。課税案では、毎月の概算納税額を使用可能残高から控除し、決算・申告納付、法人税等、借入返済が重なる月の最低残高を確認します。

設備投資の還付見込を融資返済原資として先に確定しません。課税選択や登録の効力、控除要件、申告、調査・還付時期等を確認し、還付が遅れる慎重ケースでも設備代と運転資金を賄える計画にします。

請求書と集計の照合資料

新設法人の消費税相談で用意したい資料

法人登記事項・定款・事業年度・資本金
株主株主名簿・出資関係・親会社情報
売上契約・請求・入金・税率区分
給与給与台帳・特定期間の集計
仕入請求書・設備・経費・登録番号
届出インボイス登録・課税選択等の控え

取引先の登録番号だけでなく、請求書がどの取引へ対応し、いつ受領・保存されたかを追えるようにします。消費税判定用集計と法人税・資金繰り用集計が違う数字になった場合は、期間・税込税抜・対象取引の差を説明します。

2026年9月1日に国税庁の新設法人、特定期間、特定新規設立法人、インボイス、2割特例、令和8年度税制改正、日本政策金融公庫の資金・収支計画を確認しました。個別の納税義務、税額、届出期限、特例、融資条件は判定していません。

創業融資サポートを利用したお客様の声

支援の進み方や相談時の状況を知るには、実際のお客様インタビューが参考になります。承認率などの集計数字ではなく、ご本人の体験を確認できる事例をご案内します。

融資のアイラボの料金と支援範囲

着手金0円・成功報酬5%+税

報酬は融資が実行され、着金したときに発生します。融資が実行されなかった場合、サポート報酬はかかりません。

候補制度の整理必要資金の確認創業計画書の作成支援提出資料の確認面談質問の準備申込前後の進行整理

契約前に、成功報酬の計算対象、消費税、支援期間、追加費用の有無、解約条件を確認します。支援を利用しても融資は保証されず、最終的な可否と条件は金融機関等が決定します。

よくある質問

期別判定、特定期間、一般計算・特例、納税積立、使用可能残高を確認します。

新設法人は必ず2年間免税ですか?

必ずではありません。課税期間ごとに期首資本金、基準・特定期間、支配関係、課税選択、インボイス登録等を確認します。

資本金1,000万円未満なら免税ですか?

それだけでは確定しません。特定新規設立法人、特定期間、課税選択、インボイス登録等の条件も確認します。

第2期も第1期の判定を使えますか?

設立日・決算期に応じた特定期間が関係することがあるため、第2期開始前に別表で再確認します。

インボイス登録日から課税になりますか?

登録の効力と経過措置、課税期間、申告範囲を最新案内で確認します。登録申請前に取引先要請と資金を比較します。

2割特例は2026年9月30日に一律終了ですか?

対象となる課税期間と要件で確認します。日付だけで判断せず、令和8年度改正情報と自社の事業年度を税理士へ示します。

設備投資が大きければ課税選択が有利ですか?

一律ではありません。仕入税額控除、還付、継続・調整、届出期限、将来売上、資金繰りを税理士と比較します。

融資相談で何を示しますか?

設立日、事業年度、資本金、株主関係、売上・給与、登録・届出、税区分別試算、申告納付日、納税積立を示します。

確認した公式情報

制度内容や申込方法は改定される場合があります。申込時には各公式ページと窓口で最新情報をご確認ください。PDFは容量が大きい場合があるため、スマートフォンでは通信環境にもご注意ください。

制度情報確認日:2026年9月1日

確認範囲:国税庁の新設法人、特定期間、特定新規設立法人、インボイス、2割特例、令和8年度改正、公庫の資金・収支計画。個別の納税義務、税額、届出、特例、融資条件は判定していません。

2026年9月9日改訂:仕事・人物の画像と図解を追加し、計算、入出金の時点、支払いと確保、制度の適用条件を見直しました。次の公式情報の該当箇所を再確認しています。元記事の全制度・相場を一括更新したものではありません。

国税庁:新規設立時の消費税

国税庁:令和8年度改正・法人に3割特例は適用されない

会社設立初年度の支払カレンダー

会社設立時の決算月

法人設立後の税務届出一覧

この記事の監修者・運営者情報

監修者 五常コンサルティング株式会社 代表取締役 石川康平
監修者

石川 康平

五常コンサルティング株式会社 代表取締役

2024年の問い合わせ・ヒアリング対応300件をもとに、創業融資の支援範囲・料金・制度情報について確認しています。

五常コンサルティング株式会社の公式サイトを見る

執筆・編集
融資のアイラボ編集部
監修
五常コンサルティング株式会社 代表取締役 石川 康平
公開日
2026年8月22日
最終更新日
2026年9月9日
制度情報の確認方法
日本政策金融公庫、信用保証協会などの公式ページを確認し、申込時は各窓口で最新情報を再確認します。

※冒頭の仕事の写真はAI生成の架空イメージです。お客様の声・監修者の写真は実際の人物です。

新設法人の消費税を期ごとに再判定し、インボイス登録後も納税できる残高を残す

各期首、資本金、株主関係、特定期間、インボイス、選択届出、納税積立を整理します。税務・会計の個別判断は税務署、自治体、税理士等へ確認し、融資条件は申込先の最新案内と照合します。

資料が完成していなくても、相談した時点で契約する必要もありません。

※融資の可否、金額、利率、返済期間、担保・保証人などの条件は、各金融機関・信用保証協会の審査により決定されます。融資のアイラボは金融機関ではなく、融資の実行を保証するものではありません。

※本記事は2026年9月1日時点の公表情報をもとに作成しています。制度内容は変更される場合がありますので、申込時には必ず各公式窓口で最新情報をご確認ください。

無料相談電話LINEメール