創業時の計画は、融資審査のためだけの書類ではありません。しかし、開業日、客数、単価、仕入、人員、広告の実績が出れば、当初の前提は変わります。数値が外れたこと自体を失敗と決めつけず、どの前提がどれだけ変わったかを記録します。
ローリング予測は、毎月の締め後に予測期間を一か月ずつ先へ延ばす管理です。たとえば8月実績を確定したら、9月から翌年8月までを見通します。当期末までの着地見込と、常に先12か月の資金見通しは目的が違うため、列を分けます。
売上だけを更新すると、成長に伴う仕入、外注、人件費、税、設備、借入返済の増加を見落とします。客数・単価・数量・粗利率などの売上ドライバーと、支払日・入金日を同時に更新し、損益と現金をつなぎます。
予測は当てるためだけでなく、行動を早めるために使います。最低残高を割る月、採用可能月、発注上限、投資延期線、金融機関への相談期限を決め、通常・慎重・改善後のケースを同じ前提表から作ります。

月次実績は集計しているが、残りの月と来期の資金不足が古い創業計画のままになっている
- 版当初計画を実績で上書きし、どの前提が変わったか説明できない
- 期間年度末までしか予測せず、期首直後の納税・更新・返済が視野から外れる
- 行動売上予測は更新しても発注・採用・投資・相談の判断線が決まっていない
この記事の結論
- 三つの版を分ける
当初計画、確定実績、最新予測を保存します。 - 毎月一か月先を足す
常に翌12か月の損益と現金を見ます。 - 差異を行動へ戻す
数量・単価・粗利・日付の前提を修正します。
12か月ローリング予測の運用の不足を無料相談で整理する
資料がすべて揃っていなくても相談できます。現在ある通帳、会計データ、融資資料から、どこを先に整えるべきかを確認します。
12か月ローリング予測の運用で想定される相談内容
以下は実績・成功事例ではなく、相談時に整理対象となりやすい状況を示した想定ケースです。融資条件、契約、会計処理、保存期間は各社で異なるため、自社資料と最新の公的情報で確認してください。
創業計画と実績がずれ、当期末までの着地見込と翌12か月の資金を更新したい
前回予測を残しながら確定実績へ置き換え、差異原因を営業・現場と共有したい
売上減少と入金遅延の慎重ケースから採用・投資・相談の期限を決めたい
12か月ローリング予測の月次5工程
実績確定、差異分解、予測更新、期間追加、行動承認を繰り返します。
- 01月次を確定会計・通帳・補助簿
- 02差異を分解数量・単価・日付
- 03未経過月を更新受注・費用・投資
- 04一か月先を追加常に翌12か月
- 05行動を承認担当・期限・相談線
予測の採用は根拠・更新日・資金影響・実行責任で判断する
希望数値を確定見込みとして扱いません。
確度を区分
損益と現金
翌月に検証
確認式先12か月末予測残高=現在残高+予測入金累計-予測支払累計(毎月一か月先を追加)
数値は事業計画へ入れる項目を示したものです。単価・基準・審査結果を保証するものではなく、最新条件を各窓口へ確認してください。
当初計画の採点から離れ実績で前提を学習し続ける12か月の経営予測へ変える
予測精度より更新速度を先に整える
細かい科目を増やして締めが遅れると判断も遅れます。重要な売上・粗利・固定費・運転資金・投資・返済から始め、差異が大きい項目だけ粒度を上げます。
確度を混ぜずに売上を置く
契約済み、受注見込み、商談、希望を同額で扱いません。確度区分と更新日を持ち、慎重ケースでは確定度の低い案件を外します。
予測変更と目標変更を分ける
最新予測は現時点の見通し、目標は目指す水準です。予測を目標へ寄せるために根拠のない売上を足さず、差を埋める具体策と期限を別に置きます。
当初計画・確定実績・最新予測を別の版で保存する
対象と締め日を固定
集計範囲、基準日、担当、承認者を明記します。
根拠と更新履歴を残す
契約、請求、入出金、現物と数値を照合します。
通常・慎重・相談線を決める
修正条件と相談期限を実行前に設定します。
予測表には基準日、確定済み期間、予測期間、版番号、更新者を記載します。当初計画は上書きせず、前回予測との差、実績との差、差異理由、次回見直し日を残します。
会計処理、税務申告、帳簿書類の保存、融資判断は事業形態や取引内容で異なります。制度の最新情報を公的機関で確認し、個別の税務判断は税理士等の有資格者へ相談してください。
月次締め後に未経過月を更新し一か月先を追加する
実績から最新予測への橋渡し
- 売上・粗利・固定費の実績
- 売掛・買掛・在庫の増減
- 設備・税・借入返済の実績
- 一過性収支と未処理取引
毎月先行する支出
- 受注残・商談・解約の確度
- 数量・単価・粗利率の前提
- 採用・発注・投資の実行日
- 入金遅延と支出超過ケース
確定実績は会計と通帳へ照合し、予測は根拠のある最新情報へ差し替えます。売上増加時も仕入・在庫・外注の先行支払を置き、月末残高だけでなく13週表の支払日前残高を確認します。

締め日から五営業日以内に実績・差異・先12か月・行動を一枚で更新する
経理が確定実績、営業が受注確度、現場が仕入と稼働、経営者が採用・投資を更新します。会議では数字の正しさだけでなく、前月予測との差と、誰がいつ何を変えるかを確定します。
売上・粗利・固定費・投資・返済を同じ前提でつなぐ
| 項目 | 計算・確認方法 | 根拠資料 |
|---|---|---|
| 当初計画 | 融資申込時の前提と数値 | 比較基準として固定 |
| 確定実績 | 締め済みの損益・残高 | 会計・通帳へ照合 |
| 着地見込 | 当期実績+当期残月予測 | 決算・納税を見通す |
| 先12か月 | 翌月から一か月ずつ追加 | 資金需要を早期発見 |
実績で予測セルを上書きする場合も、前回版を保存します。差異は売上高だけでなく、数量、単価、粗利、回収日、支払日、採用時期など再現可能な原因へ分解します。
通常・慎重・改善後ケースから実行期限を決める
会計・通帳・補助簿
数量・単価・日付
受注・費用・投資
常に翌12か月
担当・期限・相談線
月次予測では月末残高を見通し、直近13週では給与、税、仕入、返済など日付単位の不足を確認します。両表の月末残高を照合し、片方だけに入っている支払を洗い出します。
慎重ケースでは売上減少だけでなく、粗利低下、入金遅延、仕入先行、採用前倒し、設備故障を自社に合う範囲で置きます。最低残高を割る見込みが出たら、対策の着手日と金融機関への相談日を予測表へ記録します。
制度、許認可、手続、融資条件は変更される場合があります。申込時は公的機関の最新情報と金融機関の案内を確認してください。
ローリング予測の更新に用意したい資料
当初創業計画、前回予測、月次試算表、通帳、売掛・買掛・在庫表、受注・商談一覧、借入返済表、納税予定、採用・設備計画、13週資金繰りを同じ基準日で揃えます。
本記事は創業融資後の社内管理に関する一般情報です。融資条件、契約上の権利義務、会計・税務処理、法令の適用、取引先への請求可否を確定するものではありません。最新の契約・公的情報を確認し、個別判断は金融機関、税理士、弁護士等の有資格者や所管窓口へ相談してください。
創業融資サポートを利用したお客様の声
支援の進み方や相談時の状況を知るには、実際のお客様インタビューが参考になります。承認率などの集計数字ではなく、ご本人の体験を確認できる事例をご案内します。






融資のアイラボの料金と支援範囲
着手金0円・成功報酬5%+税
報酬は融資が実行され、着金したときに発生します。融資が実行されなかった場合、サポート報酬はかかりません。
契約前に、成功報酬の計算対象、消費税、支援期間、追加費用の有無、解約条件を確認します。支援を利用しても融資は保証されず、最終的な可否と条件は金融機関等が決定します。
よくある質問
申込み方法や必要書類は制度・窓口・事業内容によって異なります。個別条件は必ず担当窓口へご確認ください。
ローリング予測とは何ですか?
月次等で実績を反映し、予測期間を一か月ずつ先へ延ばして常に一定期間を見通す管理方法です。
創業計画は書き換えますか?
当初計画は比較基準として保存し、確定実績と最新予測を別の版で管理します。
何か月先まで作りますか?
先12か月を基本にし、直近の日付不足は13週資金繰りで補います。自社の季節性や契約期間に合わせます。
毎月すべて作り直しますか?
確定月を実績へ置き換え、変化した前提を中心に未経過月を更新し、一か月先を追加します。
売上予測の確度はどう扱いますか?
契約済み、受注見込み、商談などを区分し、根拠日と更新日を記録します。
予測が毎月外れるのは問題ですか?
差異を数量・単価・日付等へ分解し、次の判断へ反映できることが重要です。根拠なく数字を合わせません。
金融機関へ何を示しますか?
当初計画、実績、前回・最新予測、差異原因、改善行動、資金繰り、相談内容を同じ基準日で整理します。
この記事の監修者・運営者情報

- 執筆・編集
- 融資のアイラボ編集部
- 監修
- 五常コンサルティング株式会社 代表取締役 石川 康平
- 公開日
- 2026年8月10日
- 最終更新日
- 2026年8月10日
- 制度情報の確認方法
- 日本政策金融公庫、信用保証協会などの公式ページを確認し、申込時は各窓口で最新情報を再確認します。
※記事内の相談場面を表現した写真は、内容を分かりやすく伝えるために作成したAI生成のイメージです。「お客様の声」に掲載しているお客様と監修者の写真は、実際のお客様・監修者の写真です。
確認した公式情報
制度内容や申込方法は改定される場合があります。申込時には各公式ページと窓口で最新情報をご確認ください。PDFは容量が大きい場合があるため、スマートフォンでは通信環境にもご注意ください。
- J-Net21『資金繰り表を活用する』
- 日本政策金融公庫『国民生活事業をはじめてご利用の方へ』
- 日本政策金融公庫「創業の手引」(PDF・容量が大きい場合があります)
- 国税庁「記帳や帳簿等保存・青色申告」
- あいち産業振興機構「愛知県よろず支援拠点」
制度情報確認日:2026年8月10日
12か月ローリング予測の運用を次回融資まで逆算して整理する
当初計画を残しながら実績と先12か月を更新し、資金不足前に動ける判断線を整理します。相談時点で契約する必要はなく、現在ある資料と社内の運用から確認できます。
資料が完成していなくても、相談した時点で契約する必要もありません。
※融資の可否、金額、利率、返済期間、担保・保証人などの条件は、各金融機関・信用保証協会の審査により決定されます。融資のアイラボは金融機関ではなく、融資の実行を保証するものではありません。
※本記事は2026年8月10日時点の公表情報をもとに作成しています。制度内容は変更される場合がありますので、申込時には必ず各公式窓口で最新情報をご確認ください。
