創業計画書の書き方を検索すると、記入例や文章テンプレートが見つかります。しかし同じ表現を写しても、経験、顧客、資金、売上の根拠が自分の事業と合っていなければ説明は弱くなります。
日本政策金融公庫の創業計画書は、創業動機、経歴、商品・サービス、取引先、必要資金と調達方法、事業の見通しなどを一枚で確認できる構成です。各欄を別々に作らず、同じ前提でつなぎます。
融資のアイラボでは、ヒアリングで事実と根拠を集め、創業計画書、見積り、月別収支、資金繰り、面談回答の数字を揃えます。本人が理解しない計画書を代筆するのではなく、説明できる状態まで支援します。

記入例を参考に欄は埋まったが、売上と必要額の根拠を説明できない
- 動機・経験なぜ自分が実行できるかがつながらない
- 資金見積りと希望融資額の内訳が違う
- 収支売上は強気、経費は少なめで返済だけ成立
先に押さえておきたいポイント
- 8項目を一つの物語にする
動機・経験・顧客・資金・収支を同じ前提で作ります。 - 数字には証拠を添える
見積り、契約、勤務実績、市場調査、通帳で裏付けます。 - 慎重案でも資金を確認
売上が遅れた月の残高と返済を確認します。
創業計画書は経験・市場・お金の一貫性を確認する
動機・経験・役割
なぜ始め、どの経験・資格・実績で実行するか示します。
顧客・商品・取引
誰が、何を、なぜ選び、いつ支払うかを具体化します。
必要額・調達・収支
見積り、自己資金、借入、売上、経費、返済を接続します。
ここでは内容を整理するため、確認点を8つに分けます。①創業動機、②経営者の略歴・資格、③商品・サービス、④取引先・取引条件、⑤従業員、⑥借入状況、⑦必要資金と調達方法、⑧事業の見通しです。事業に応じて補足資料を添えます。
創業動機は理想だけでなく、なぜ今この場所・規模で始めるのかを経験と顧客へつなげます。勤務経験には担当業務、役職、売上、顧客数、改善実績を加え、今回の事業で再現できる部分と新たに習得する部分を分けます。
商品・サービス欄では、顧客像、利用場面、価格、競合との違い、販売方法を一組で示します。『品質が高い』『地域密着』など抽象語だけにせず、納期、営業時間、専門経験、提供範囲、アフター対応など比較できる事実へ置き換えます。
抽象的な強みを、今回の事業で確かめられる事実へ変える
創業計画書の記入例は項目の理解に使います。記入例の経歴や売上を自分の実績として転記せず、自分が担当した範囲と、独立後に新しく必要になる仕事を分けます。 参照:日本政策金融公庫「創業計画書」。
表は左右に動かせます。
項目名は固定表示です。
| 抽象的な記載 | 具体化する材料 | 補足するときの注意 |
|---|---|---|
| 経験が豊富 | 担当年数、役割、扱った商品、実務の範囲 | 勤務先全体の実績を自分の実績にしない |
| 顧客の需要がある | 聞き取りの件数・対象・利用条件 | 関心を示した人全員を受注扱いにしない |
| 他社より便利 | 提供時間、納期、対象範囲、価格 | 比較対象と調査日を残す |
| 集客を頑張る | 流入経路、問合せ数、成約までの動き | 広告費と対応時間も見積もる |
愛知県という広い地域名だけで商圏を説明せず、店舗なら来店可能な範囲、訪問型なら移動時間、法人取引なら対象企業と営業方法を示します。顧客名など取引先の情報を補足資料に載せる場合は、公開用の宣伝資料と金融機関へ渡す資料を分け、必要な範囲で扱います。
必要資金と調達方法は見積り・通帳と一致させる
使途を見積単位で示す
- 物件取得・内装・設備・車両
- 初回仕入れ・採用・広告
- 売上入金までの家賃・給与・外注
- 搬入・工事・予備費・諸手続
出所と条件を示す
- 自己資金の形成過程
- 日本公庫・金融機関からの借入
- 親族借入・贈与・出資の関係
- 支払時期と借入実行時期
必要資金と調達方法の合計を合わせるだけでなく、何にいつ払うか、自己資金をいくら残すかを確認します。見積りの『一式』は内訳を取り、既に支払った費用は証拠を保管します。見積りが複数ある場合は最安値を自動的に選ばず、能力、耐用期間、保守、納期、売上への必要性を説明します。リースや中古を比較した場合は、月額負担と故障・解約条件も反映します。税抜・税込、送料、設置工事、保証期間も同じ条件で比較します。
サービス業の売上は、販売できる時間から検算する
一人で行う予約型サービスの仮定例です。客単価6,000円、営業22日、1日5枠とし、準備や片付けを含めて5枠を提供できる勤務計画を前提にします。販売できる上限と予想販売数を分けます。 参照:日本政策金融公庫「創業計画書セルフチェック・収支計画」。
表は左右に動かせます。
項目名は固定表示です。
| ケース | 計算 | 月の売上高 |
|---|---|---|
| 販売上限 | 6,000円×5枠×22日 | 66万円 |
| 標準案・稼働率60% | 66万円×60% | 39.6万円 |
| 慎重案・稼働率40% | 66万円×40% | 26.4万円 |
| 必要月商55万円の場合 | 55万円÷66万円 | 必要稼働率 約83.3% |
固定費などから月商55万円が必要と分かっても、稼働率を83.3%に書き換えるだけでは根拠になりません。予約実績、再来店までの間隔、広告からの予約数を調べ、足りなければ固定費や提供方法を見直します。この例では税込・税抜を混ぜず同一基準で比較し、キャンセルがある場合は販売実績へ反映します。

良い文章より、同じ数字をどこから聞かれても説明できること
計画書の月商、見積り、資金繰り、面談回答がずれると不安が残ります。前提表を一つ作り、修正した数字をすべての資料へ反映します。
事業の見通しは売上・原価・経費・返済へ分解する
表は左右に動かせます。
項目名は固定表示です。
| 項目 | 計算・確認方法 | 根拠資料 |
|---|---|---|
| 売上 | 商品別の件数×単価×営業日 | 契約・予約・商圏・勤務実績 |
| 売上原価 | 商品別売上×原価率 | 仕入見積・外注単価・過去実績 |
| 固定費 | 家賃・給与・広告・通信等を月別化 | 賃貸条件・雇用条件・請求資料 |
| 利益・返済 | 利益と現金を分け、元金・税・家計を確認 | 返済条件・家計・資金繰り |
軌道に乗った後だけでなく、創業当初の売上を分けて記載します。件数、単価、営業日、稼働上限を示し、慎重案・標準案で月末残高を確認します。売上の根拠は『市場が大きい』だけでは足りません。商圏人口、競合数、既存顧客、勤務時の担当実績、テスト販売、予約、契約など、自社が獲得できる件数へつなげます。原価は仕入率だけでなく、決済、送料、外注、廃棄も含め、固定費は開業後に発生する保険、会計、通信、修繕も確認します。
利益の表と現金の表をつなぎ、元金返済を落とさない
個人事業の月次確認用に、収入と支払が同月、減価償却などの非現金項目がないと仮定した簡略例です。制度の返済条件や税額を示す例ではありません。
表は左右に動かせます。
項目名は固定表示です。
| 項目 | 仮定額 | 計算後の額 |
|---|---|---|
| 売上から原価を引く | 売上100万円・原価30万円 | 粗利70万円 |
| 事業経費を引く | 家賃等35万円・支払利息1万円 | 利益34万円 |
| 借入元金を返す | 元金8万円 | 26万円 |
| 家計へ移す | 生活用20万円 | 6万円 |
| 税・社会保険等を別に確保 | この例では5万円 | 残る現金1万円 |
支払利息1万円は利益計算ですでに差し引いているため、返済の確認で同じ利息をもう一度引きません。元金8万円は必要な現金支出として別に確認します。実際には掛売上、在庫、設備代、減価償却、納税時期も調整します。法人の役員報酬を経費に入れた場合、同じ報酬を会社の生活費として二度引かないよう計画の主体を明示します。
文章より先に事実・数字・証拠を組み立てる
経歴・顧客・物件・見積
件数・単価・原価・固定費
各欄を同じ数字で作成
通帳・借入・契約と比較
本人の言葉で質問に回答
創業計画書は申込時点の写真ですが、資金繰りは開業後の時間軸です。仕入支払、カード入金、給与、家賃、税、返済を月別に置き、帳簿上の利益と預金残高を混同しません。
完成前の確認では、計画書を上から読み直すだけでなく、数字を逆方向へたどります。希望融資額から見積りと運転資金へ、月商から件数・単価・営業日へ、利益から原価・固定費・税・返済へ戻ります。どこかで根拠が途切れたら、文章を足す前に見積り、顧客調査、勤務実績などの事実を集めます。申込後に前提が変わった場合は、旧版を残し、変更日・理由・影響を一覧にします。
制度、許認可、手続、融資条件は変更される場合があります。申込時は公的機関の最新情報と金融機関の案内を確認してください。
必要資金と調達方法は、合計だけでなく内訳を対応させる
仮に物件費100万円、内装240万円、設備90万円、運転資金170万円なら、必要総額は600万円です。すべてを同じ見積基準で集計したうえで、確定した資金と申込予定額を分けます。
表は左右に動かせます。
項目名は固定表示です。
| 確認する数字 | この例の置き方 | 検証する資料 |
|---|---|---|
| 必要資金 | 100+240+90+170=600万円 | 見積書と月別の不足額 |
| 自己資金 | 150万円 | 形成過程と事業への充当額 |
| 借入希望額 | 600−150=450万円 | 資金使途と申込予定先 |
| 内装が30万円増える場合 | 必要総額630万円 | 変更見積りと追加調達・削減案 |
借入希望額450万円は審査で決まった額ではありません。内装費が増えたら借入も自動的に増えるとせず、自己資金を追加するか、削減可能な仕様があるかを再計算します。運転資金170万円についても「念のため」で終わらせず、開業から入金が安定するまでの月別表で説明します。
創業計画書の確認で用意したい資料
専門家へ作成支援を依頼する場合も、数字の根拠資料を本人が確認します。事実と異なる経歴、顧客、自己資金、見積りを載せず、未確定事項は未確定として確認工程を示します。完成後は各数字へ根拠資料番号を振り、月商、原価率、固定費、必要額、自己資金が補足表と一致するか読み合わせます。第三者に5分で説明し、質問された前提へ戻れるかを確認します。欄に収まらない説明は小さな文字で詰め込まず、見出しを付けた補足資料へ分けます。補足資料は本体のどの欄を支えるか明示し、同じ内容を重複させません。作成日と更新日を入れ、提出する版を一本に決めます。最後に、文章の表現ではなく、経験で実行できるか、顧客が買うか、資金が尽きないか、返済後も継続できるかという四つの問いで読み直します。
提出前は、同じ数字が出てくる欄を横断して読む
一つの欄ずつ校正しても、見積りの更新が別の表へ反映されないことがあります。数字の参照元を一つに決め、修正箇所を横断して確認します。
表は左右に動かせます。
項目名は固定表示です。
| 元になる条件 | 連動して直す欄 | 確かめる質問 |
|---|---|---|
| 営業時間・人員 | 販売件数、人件費、経営者の役割 | その人数と時間で提供できるか |
| 仕入単価・外注単価 | 原価率、利益、運転資金 | 値上がり後の単価になっているか |
| 賃料・設備見積り | 必要資金、経費、調達希望額 | 税込額と支払期日が一致するか |
| 顧客の支払条件 | 月別入金、資金繰り、借入希望 | 売上月を入金月と取り違えていないか |
補足資料が多いときは「売上表Aの単価を本体の事業の見通しへ使用」のように対応を記します。読んだ人が元資料へ戻れることが目的で、見栄えをそろえるために別々の表へ同じ数字を手入力し続けないようにします。提出版は日付を付けて保存し、更新版との差を後で説明できる状態にします。
数字の説明が止まる場所を、面談前に見つける
「なぜその件数か」をたどる
月30件の受注予測なら、既存の見込先が何件、問合せが何件、成約までにどれだけ時間がかかるかを確認します。最初から30件あるのか、数か月かけて増やすのかで運転資金は変わります。営業担当とサービス提供者が同じ人なら、営業活動に使う時間を除いて対応枠を計算します。市場規模が大きいという統計だけでは、自社への受注数までは説明できません。
標準案と慎重案で何を変えたかを説明する
慎重案は全項目を一律に減らすより、開業時に変動しやすい予約数や成約時期を選んで試算します。家賃や契約済みの給与が売上と同じ比率で減るわけではありません。粗利と月末残高がどれだけ変わるかを見て、広告方法や仕入量の見直しをいつ行うか決めます。計算に使った変更条件を明記すれば、質問を受けたときに標準案へ戻って説明できます。
きれいな文章より、未確認事項の解消を優先する
一度も仕入先へ見積りを依頼していないのに原価率だけ確定していたら、文章の添削より先に単価を確認します。親族の支援が口約束なら、入金予定を確定済みの自己資金にしません。融資のアイラボへの相談でも、完成した計画書だけでなく根拠資料を確認し、どの前提が固まり、どこを本人が調べ直すかを整理します。支援後も経営者本人の言葉で説明することが必要です。
相談前の状況を整理する三つの想定例
次の3例は説明用の想定であり、実在するお客様の実績・成功事例ではありません。融資の可否や金額、所要日数を示すものではありません。
勤務先で売上管理を担当していたが、独立後の営業時間と人員は少なくなる。前職の月商をそのまま置かず、自分の店の提供能力から計算し直す。
計画書では利益が出ているのに現金が減る。売掛金の入金月、設備代、元金返済を分け、利益から預金残高までを照合する。
内装費が変更されたが、必要資金欄だけ直して調達額と資金繰りが旧額のままになっている。参照元と更新箇所を一覧にして提出版をそろえる。
創業融資サポートを利用したお客様の声
支援の進み方や相談時の状況を知るには、実際のお客様インタビューが参考になります。承認率などの集計数字ではなく、ご本人の体験を確認できる事例をご案内します。






融資のアイラボの料金と支援範囲
着手金0円・成功報酬5%+税
報酬は融資が実行され、着金したときに発生します。融資が実行されなかった場合、サポート報酬はかかりません。
契約前に、成功報酬の計算対象、消費税、支援期間、追加費用の有無、解約条件を確認します。支援を利用しても融資は保証されず、最終的な可否と条件は金融機関等が決定します。
よくある質問
書式の使い方から売上根拠、作成支援の役割まで、創業計画書を提出する前の疑問に答えます。
創業計画書は何枚作ればよいですか?
申込先の指定書式を基本に、説明に必要な月別収支、資金繰り、見積り、顧客資料などを補足します。
記入例をそのまま使ってもよいですか?
構成の参考にはできますが、文章と数字は自分の経験・顧客・見積り・資金に合わせて作ります。
売上はどの程度高く書けばよいですか?
高く見せるのではなく、件数、単価、営業日、稼働上限、顧客根拠から計算します。慎重案も確認します。
自己資金が少ないことは計画書で隠せますか?
隠してはいけません。形成過程、必要資金、借入依存度、開業後の余力を正確に説明します。
赤字の月があると審査に不利ですか?
創業直後の赤字をゼロに見せるより、赤字期間に必要な運転資金と改善時期を現実的に示します。
創業計画書の作成を外注できますか?
ヒアリング、数字整理、文章化、添削の支援はできますが、事業内容と回答の主体は申込者本人です。
計画書をきれいに作れば融資されますか?
保証されません。金融機関は計画書以外の資料や面談も含めて審査します。
この記事の監修者・運営者情報

石川 康平
五常コンサルティング株式会社 代表取締役
2024年の問い合わせ・ヒアリング対応300件をもとに、創業融資の支援範囲・料金・制度情報について確認しています。
- 執筆・編集
- 融資のアイラボ編集部
- 監修
- 五常コンサルティング株式会社 代表取締役 石川 康平
- 公開日
- 2026年8月2日
- 最終更新日
- 2026年9月6日
- 制度情報の確認方法
- 日本政策金融公庫、信用保証協会などの公式ページを確認し、申込時は各窓口で最新情報を再確認します。
※記事内の相談場面を表現した写真は、内容を分かりやすく伝えるために作成したAI生成のイメージです。「お客様の声」に掲載しているお客様と監修者の写真は、実際のお客様・監修者の写真です。
確認した公式情報
制度情報確認日:2026年9月6日。利用制度と事業内容を伝え、申込時に各公式窓口へ最新の必要資料・条件を確認してください。
創業計画書の根拠と数字を無料相談で確認する
現在決まっている内容を伺い、候補制度、次に揃える資料、ご自身で進める範囲と支援が必要な範囲を整理します。
資料が完成していなくても、相談した時点で契約する必要もありません。
※融資の可否、金額、利率、返済期間、担保・保証人などの条件は、各金融機関・信用保証協会の審査により決定されます。融資のアイラボは金融機関ではなく、融資の実行を保証するものではありません。
※本記事は2026年9月6日時点の公表情報をもとに作成しています。制度内容は変更される場合がありますので、申込時には必ず各公式窓口で最新情報をご確認ください。