日本政策金融公庫の創業計画書セルフチェックは、競合他社や市場、店舗の場合は近隣状況を調べて記載することを確認項目にしています。競合が見当たらないときこそ、調査対象を同業名だけに限定しません。
顧客は同じ課題を、隣町の店舗、訪問サービス、EC、内製、家族の手伝い、購入延期、別の商品で解決している可能性があります。これらはすべて代替競合です。誰が、いま何に、いくら、どの頻度で支払っているかを確認します。
人口統計や検索件数は市場の入口ですが、実際の購入件数ではありません。現地観察、対象顧客への聞き取り、問い合わせ、試験販売、予約、競合・代替先の価格と混雑を組み合わせ、同じ期間・地域・顧客条件で比較します。
競合不在を強みとして説明する場合は、参入障壁、専門性、供給制約、規制、既存顧客の不満等の理由と、自社がその壁を越えられる根拠が必要です。需要が確認できない部分は未検証と明記し、開業後の固定費を小さくする案も用意します。

半径3キロに同業店がないため売れると考えたが、顧客が隣市やオンラインを使う実態を調べていない
- 競合業種名が同じ店舗だけを検索し、代替サービスや購入延期を除外している
- 需要人口や検索件数を、そのまま来店数・契約数として扱っている
- 採算少ない需要でも成立する固定費・営業日・最低客数を計算していない
この記事の結論
- 商圏を実利用で区切る
半径だけでなく移動時間、配送、オンライン、生活動線を確認します。 - 代替競合を含める
顧客が現在使う解決策と不満、価格、切替条件を調べます。 - 需要を採算へ変換
対象人数、利用頻度、獲得率、客単価から慎重ケースを作ります。
競合がいない市場の創業計画整理で想定される相談内容
以下は実績・成功事例ではなく、相談時に整理対象となりやすい状況を示した想定ケースです。融資条件、契約、会計処理、保存期間は各社で異なるため、自社資料と最新の公的情報で確認してください。
郊外で同業店がない生活サービスについて、隣市利用と訪問代替を調べたい
専門店の競合不在が需要不足か参入障壁かを、予約テストで見極めたい
地域人口は少ないがEC併用で成立するか、商圏外売上を分けて計算したい
競合不在を需要根拠へ変える5工程
商圏、代替、需要、行動、採算の順です。
- 01商圏を定義時間・地域・配送・オンライン
- 02代替を発見同業・異業種・内製・延期
- 03需要を測定人口・聞き取り・検索・現地
- 04行動で検証問い合わせ・予約・試験販売
- 05採算へ変換売上・粗利・最低客数・余力
出店判断は、需要・到達・採算で分ける
競合店数だけで決めません。
聞き取り・購入行動
距離・配送・広告
粗利・固定費・最低残高
確認の組合せ参考月商=商圏対象数×月間利用頻度×現実的な獲得率×実売客単価
競合がいない市場の創業計画整理について判断軸を整理した図です。個別案件の処理結果や融資条件を確定するものではないため、実際の画面表示と日本公庫の案内を優先してください。
この事業で融資前に数値化するポイント
検索結果ゼロを競合ゼロとしない
地図未登録、紹介制、訪問型、兼業、隣接業種が存在する場合があります。現地看板、業界団体、行政の許認可一覧、顧客の実利用先も確認します。
人口統計を来店予測へ直結させない
総人口から対象年齢、所得、課題保有、購入頻度、獲得可能性を順に絞ります。各段階の出典と仮定を残します。
参入障壁を自社だけ免れる前提にしない
人材、資格、物流、仕入、設備、季節性が他社参入を妨げているなら、自社にも同じ制約がかかります。克服策と費用を必要資金へ入れます。
近隣の同業不在と顧客需要の有無を切り分ける
商圏条件を固定
地域、移動時間、配送、オンライン範囲を定めます。
代替まで調査
同業、他業態、自作、延期等を記録します。
行動で確かめる
聞き取り、予約、試験販売等で購入意思を測ります。
競合不在の市場調査表には、対象顧客、商圏の定義、人口・世帯・事業所数、対象比率、利用頻度、直接競合、隣接地域の競合、EC・訪問等の代替、価格、所要時間、口コミ・不満、現地観察日時、聞き取り母数、問い合わせ、予約・試験販売、キャンセル、推計式、出典、取得日、未検証項目を記載します。
融資の資金使途・必要書類・審査、各サービスの料金・入金条件、契約・許認可・会計・税務上の取扱いは、申込先、契約先、業種、個別事情で異なります。公式の最新情報と契約書を確認し、必要に応じて税理士、弁護士等の有資格者へ相談してください。
顧客が現在利用する店舗・EC・内製・先送りを洗い出す
対象人数・頻度・獲得率・単価
- 商圏内の対象顧客数と算定根拠
- 現在の代替利用率と不満・切替条件
- 購入・来店・契約の想定頻度
- 問い合わせ・予約・試験販売の実測率
粗利・固定費・最低客数・資金余力
- 商品別単価・原価・提供能力
- 家賃・人件費・広告等の固定費
- 損益分岐点となる月間顧客数
- 未達時の縮小・延期・撤退基準
商圏内の対象世帯2,000、年間利用率20%、年2回、獲得率10%、客単価8,000円なら、年間売上の参考値は64万円です。各率は例示であり、人口2,000世帯を顧客2,000件とはしません。実測がない率は慎重値とし、同時に提供能力と損益分岐点を比べます。

『なぜないのか』を五つの仮説へ分けて反証する
需要不足、遠方利用、オンライン代替、供給者不足、許認可・設備の参入障壁に分けます。顧客と供給側の双方へ聞き取り、どの仮説なら自社が解決でき、どの仮説なら出店を見直すべきかを記録します。
商圏人口・対象比率・利用頻度・獲得率を同じ期間へそろえる
| 項目 | 計算・確認方法 | 根拠資料 |
|---|---|---|
| 直接競合 | 同じ顧客へ近い商品を提供 | 価格・距離・混雑・強みを確認 |
| 代替競合 | 別手段で同じ課題を解決 | EC・訪問・内製・隣市を確認 |
| 非消費 | 困っていても購入していない | 理由・支払意思・緊急度を確認 |
| 潜在需要 | 条件が整えば購入する層 | 予約・試験販売で行動を確認 |
アンケートで『欲しい』という回答だけを予約や購入と同じ強さに扱いません。回答者の属性、質問文、母数、募集方法を保存し、問い合わせ、予約金、試験販売など実行コストを伴う行動へ近づくほど重みを上げます。
現地観察・聞き取り・問い合わせ・試験販売で仮定を検証する
時間・地域・配送・オンライン
同業・異業種・内製・延期
人口・聞き取り・検索・現地
問い合わせ・予約・試験販売
売上・粗利・最低客数・余力
競合が少なくても、顧客一人を獲得するための移動・広告・説明コストが高ければ現金は残りません。月別に広告、出張、配送、人件費、決済入金を置き、少数顧客の基準ケースで資金が何か月持つか確認します。
検証前に長期賃貸借や大型設備へ固定せず、間借り、予約制、訪問、EC、共同利用等の段階開始を比較します。契約・許認可・資金使途は申込先と専門家へ確認します。
制度、許認可、手続、融資条件は変更される場合があります。申込時は公的機関の最新情報と金融機関の案内を確認してください。
弱い需要でも資金が持つ小規模開始案と撤退基準を作る
競合サイトや顧客回答を資料化する際は、取得日と公開範囲を記録します。個人名や連絡先は必要最小限にし、無断転載や規約に反する収集を避けます。統計値は地域・年・定義をそろえます。
本記事は競合が少ない市場を調査する一般的な方法です。需要、売上、融資結果を保証せず、個別地域の商圏や許認可を確定しません。最新の公式統計、現地調査、申込先の案内を確認してください。
創業融資サポートを利用したお客様の声
支援の進み方や相談時の状況を知るには、実際のお客様インタビューが参考になります。承認率などの集計数字ではなく、ご本人の体験を確認できる事例をご案内します。






融資のアイラボの料金と支援範囲
着手金0円・成功報酬5%+税
報酬は融資が実行され、着金したときに発生します。融資が実行されなかった場合、サポート報酬はかかりません。
契約前に、成功報酬の計算対象、消費税、支援期間、追加費用の有無、解約条件を確認します。支援を利用しても融資は保証されず、最終的な可否と条件は金融機関等が決定します。
よくある質問
申込み方法や必要書類は制度・窓口・事業内容によって異なります。個別条件は必ず担当窓口へご確認ください。
競合が一社もなければ有利ですか?
一律にはいえません。未充足需要の場合と需要不足の場合があるため、代替手段、購入頻度、支払意思を確認します。
Googleマップの検索だけで十分ですか?
地図未登録、訪問型、隣接業種、隣市、EC等を見落とすため、現地と顧客利用先も確認します。
人口が多ければ需要の根拠になりますか?
人口は母数です。対象比率、利用頻度、獲得率、客単価へ分解し、実測で補います。
アンケート結果を売上へ使えますか?
質問と母数を明記し、予約・試験購入など実行行動との差を区別して慎重に使います。
競合不在を創業計画書へどう書きますか?
調査範囲、代替先、顧客課題、実測行動、売上式、弱点と対策をセットで記載します。
需要が弱い場合は申込を諦めますか?
段階開始、対象変更、固定費削減等を比較し、必要資金と開始時期を申込先へ相談します。
競合の価格をそのまま使えますか?
内容、品質、地域、時期、追加料金をそろえて比較し、自社の原価・顧客調査と合わせます。
この記事の監修者・運営者情報

石川 康平
五常コンサルティング株式会社 代表取締役
2024年の問い合わせ・ヒアリング対応300件をもとに、創業融資の支援範囲・料金・制度情報について確認しています。
- 執筆・編集
- 融資のアイラボ編集部
- 監修
- 五常コンサルティング株式会社 代表取締役 石川 康平
- 公開日
- 2026年8月13日
- 最終更新日
- 2026年8月13日
- 制度情報の確認方法
- 日本政策金融公庫、信用保証協会などの公式ページを確認し、申込時は各窓口で最新情報を再確認します。
※記事内の相談場面を表現した写真は、内容を分かりやすく伝えるために作成したAI生成のイメージです。「お客様の声」に掲載しているお客様と監修者の写真は、実際のお客様・監修者の写真です。
確認した公式情報
制度内容や申込方法は改定される場合があります。申込時には各公式ページと窓口で最新情報をご確認ください。PDFは容量が大きい場合があるため、スマートフォンでは通信環境にもご注意ください。
制度情報確認日:2026年8月13日
競合がいない市場の創業計画整理の確認表を整える
商圏、直接競合、代替手段、顧客課題、実測行動、売上式、損益分岐点、見直し基準を一枚へまとめます。資料が完成していなくても、現時点の事実と不足資料から確認できます。
資料が完成していなくても、相談した時点で契約する必要もありません。
※融資の可否、金額、利率、返済期間、担保・保証人などの条件は、各金融機関・信用保証協会の審査により決定されます。融資のアイラボは金融機関ではなく、融資の実行を保証するものではありません。
※本記事は2026年8月13日時点の公表情報をもとに作成しています。制度内容は変更される場合がありますので、申込時には必ず各公式窓口で最新情報をご確認ください。
