創業1期目の決算準備帳簿と実物を合わせ、翌期の現金まで確認

入力が終わっていても、帳簿と実際の残高が合うとは限りません。決算の2〜3か月前から12項目を点検し、未回収・在庫・納税後に使えるお金まで整理します。

店舗のバックヤードで棚の商品と記録を照合する架空の男性経営者。AI生成。

仕事の場面はAI生成の架空イメージです

帳簿だけで終えず、証拠と翌期資金をつなぐ

決算前にたどる3段階
  1. 残高を確かめる:1〜8現金・預金/売掛・買掛/在庫・設備/借入・役員取引
  2. 処理と資料の確認:9〜11給与・税区分・請求書などの証拠
  3. 翌期の現金へ反映する:12入金予定・納税・返済・大口支払

下の表に12項目を列記しています。確認できない取引には金額・原因・確認先・期限を付けます。申告期限や税務処理は法人・個人等で異なります。

12項目と照合する資料へ →
12項目と照合する資料

法人税の確定申告は、国税庁の案内では原則として事業年度終了日の翌日から2か月以内です。決算日後にゼロから集めるのではなく、決算前から残高と証拠をそろえます。地方税、消費税、延長等は別途確認します。

区分確認項目証拠
現預金1 現金、2 預金実査・通帳
債権債務3 売掛・未収、4 買掛・未払請求・入金支払予定
資産5 在庫、6 固定資産棚卸表・台帳・見積
負債・関係者7 借入、8 役員・個人取引返済表・明細
税・労務9 給与・源泉税・社会保険、10 税区分・開業費等給与台帳・届出・原資料
保存・未来11 証拠資料、12 翌期資金・計画との差保存台帳・資金繰り・予実表

未確定は放置せず、金額、原因、確認先、回答期限を付けた未処理一覧へ移します。

修正前の帳簿800万円を、銀行785万円へ合わせる

架空例A|同じ基準日の預金
  1. 修正前の帳簿800万円銀行明細には既に入出金が反映
  2. 未記帳の入金+30万円入金の根拠を確認して記帳
  3. 未記帳の支払−45万円支払の根拠を確認して記帳
修正後の帳簿785万円
銀行の実残高785万円

銀行残高に未記帳分をもう一度足し引きしません。ここでは2件の記帳漏れだけを原因とする例です。日付差や重複があれば別途照合します。

記帳漏れの修正と残高表へ →
記帳漏れの修正と残高表

架空例Aです。基準日は同じで、入金30万円と支払45万円は銀行明細に反映済みですが帳簿には未記帳、と仮定します。

照合項目金額処理
修正前の帳簿残高800万円銀行の実残高は同じ基準日で785万円
帳簿に未記帳の入金+30万円銀行明細には反映済み。売掛回収を記帳
帳簿に未記帳の支払-45万円銀行明細には反映済み。支払の根拠を確認
修正後の帳簿残高785万円800+30-45。銀行の785万円と一致

日付差か記帳漏れかを区別し、現金振替や役員立替を推測で処理しません。

帳簿200万円と実地185万円の差を調べる

架空例B|同じ単価で数量を比較

帳簿の在庫200万円

実際に数えた在庫185万円

不足の内訳5+8+2=15万円

数量に共通の単価を掛けた比較です。15万円がそのまま廃棄損になるとは限りません。入出庫・返品・数え漏れ・単価等を確認し、評価と処理は専門家へ確認します。

商品別の棚卸差異表へ →
商品別の棚卸差異表

架空例Bです。帳簿数量と実際に数えた数量を同じ単価で金額に置き換えて比較しています。評価方法・税務処理は専門家へ確認してください。

在庫区分帳簿実地差異
商品A120万円115万円-5万円
商品B50万円42万円-8万円
消耗・副資材30万円28万円-2万円
合計200万円185万円-15万円

未入庫、未出庫、返品、廃棄、盗難、単価違いを分け、写真・数量表・承認記録を残します。

支払後の見込550万円から、300万円を残す

別の架空例C|翌期3か月の資金
  1. 決算日現金650万円売掛入金予定+300万円
  2. 支払予定を引く買掛等250+税見込90+借入元金60=400万円
  3. 期間末の見込550万円650+300−400
最低残高として確保300万円
追加で使う検討枠250万円

最低残高300万円は支払ではありません。250万円は列挙した項目だけの暫定額です。給与・家賃・新規仕入・利息等を追加し、期間途中の不足も日付別に確認します。

翌期3か月の入出金・確保額へ →
翌期3か月の入出金・確保額

前の預金照合とは別条件の架空例Cです。決算日現金650万円から、翌期3か月の入出金を見ます。税金90万円も見込額で、確定税額ではありません。

項目金額計算への向き
決算日現金650万円加算
売掛入金予定300万円加算
買掛・未払250万円控除
税金見込90万円控除
3か月以内元金60万円控除
最低事業残高として確保300万円利用可能額から除外。支払ではない
追加支出の暫定検討枠250万円650+300-250-90-60-300

利益と現金を混同せず、納税・返済・設備更新・翌期仕入を日付別に並べます。

列挙した入出金後の現金見込みは550万円で、そのうち300万円を最低残高として残すため250万円です。通常の給与・家賃・新規仕入・借入利息等が表に含まれない場合は追加で差し引きます。3か月の途中で支払が先に来る可能性もあるため、250万円全額を今すぐ使えるとは判断しません。

決算前に仮締めし、決算日の事実で確定する

法人の決算準備|時期の目安
  1. 決算2〜3か月前一度帳簿を締め、不足資料を洗い出す
  2. 決算日実物・残高・未回収・未払を確かめる
  3. 決算日後差を解消し、申告・納税と翌期計画へ

法人税の確定申告は原則、事業年度終了日の翌日から2か月以内。延長等、地方税・消費税の期限は別に確認します。2〜3か月前の仮締めは準備の目安です。

決算準備の工程と期限へ →
決算準備の工程と期限

仮締めの日、棚卸日、税理士へ資料を渡す日、申告・納付期限を予定表に置きます。決算前の暫定値と決算日の確定値は別の版で残し、仮締め後に発生した取引も漏らさず反映します。担当者と資料の回収期限を決め、間に合わないものは早めに相談します。

必要な準備を項目別に確認

制度・条件と相談前の確認

創業1期目は、開業費用、設備購入、立替金、複数口座、融資金の支出が集中しやすく、決算前に残高差が見つかりやすい時期です。入力が済んでいることと、事実に合っていることを分けて確認します。

決算書は次回融資の相談で参照される重要資料の一つです。日本政策金融公庫の創業向け案内でも、決算を終えている事業者について決算書などの準備が示されています。申込先・状況により必要書類は異なるため、最新案内を確認します。

決算前の点検は、税額だけを予想する作業ではありません。売掛金が回収できるか、在庫が動いているか、設備支払が完了したか、借入残高が一致するか、翌期前半に資金不足がないかを経営判断として確認します。

税務・会計処理は事業形態と取引で異なるため、個別判断は税理士等へ相談します。その前段階として、経営者が取引の事実、契約、支払、未回収、私的立替を説明できる資料を揃えます。

決算前準備を具体化

創業1期目の決算前に想定される3つの相談

以下は申告・融資実績ではなく、確認対象を示す想定例です。

想定相談例1

修正前の帳簿800万円と銀行785万円の差を照合したい

想定相談例2

帳簿在庫200万円と実地185万円の差を確認したい

想定相談例3

決算後利用可能額250万円から翌期計画を作りたい

この事業で融資前に数値化するポイント

次回融資では決算書だけでなく差の説明を準備する

創業計画と1期目実績を同じ科目・指標で並べ、差の原因、対応、翌期予測を記録します。計画未達を隠すのではなく、把握と対応の過程を説明できるようにします。

電子で受領した証拠資料は電子保存のルールを確認する

メール添付やECサイトから受け取った請求書・領収書など、電子取引データの保存について国税庁の最新案内を確認します。紙へ印刷しただけでよいと自己判断せず、検索・保存方法を整えます。

決算後すぐの支払まで含める

決算日で資金繰りを止めず、申告・納付、返済、仕入、給与、更新費用まで月別に置きます。残高の下限と相談期限を決め、必要な対策を早めます。

手続・必要資金・収支の補足

決算前点検を2〜3か月前から始める

仮締め

不足を早期発見

決算日の2〜3か月前に暫定残高を確認します。

照合

根拠資料と合わせる

口座、請求、棚卸、契約、返済予定を突合します。

予測

翌期前半を見る

税金、返済、固定費、投資の支払月を置きます。

12項目は、①現金、②預金、③売掛金・未収金、④買掛金・未払金、⑤在庫、⑥固定資産、⑦借入金、⑧役員・事業主との取引、⑨給与・源泉税・社会保険、⑩税区分・開業費等の処理、⑪電子を含む証拠資料、⑫翌期資金・創業計画との予実差です。該当しない項目も理由を記録します。

会計処理、税務申告、帳簿書類の保存、融資判断は事業形態や取引内容で異なります。制度の最新情報を公的機関で確認し、個別の税務判断は税理士等の有資格者へ相談してください。

売掛・買掛・在庫・固定資産・借入を照合する

決算日時点で確認する残高

帳簿と実際を照合する項目

  • 現金・預金・売掛金・買掛金
  • 在庫数量・評価に必要な資料
  • 設備・固定資産・開業関連支出
  • 借入残高・返済・役員等との貸借
翌期の資金へ反映する予定

毎月先行する支出

  • 税金・社会保険・給与・賞与
  • 借入返済・リース・更新費用
  • 売掛回収・仕入支払・季節変動
  • 採用・設備・広告など翌期投資

決算書の利益と預金残高は一致しません。売掛金、在庫、設備、借入返済など損益と現金の時期が異なる項目を確認し、翌期の支払予定へつなげます。

創業計画と1期目実績を説明できる形にする

項目計算・確認方法根拠資料
売掛・買掛請求・入金・支払と一致長期滞留・未計上
在庫・設備実物・取得・使用状況を確認評価・計上は専門家確認
借入・貸借返済予定と残高を一致役員・事業主との資金移動
翌期資金税金・返済・固定費・投資月別残高と相談期限

金額が大きい項目だけでなく、説明できない残高を優先します。仮払金、立替金、役員借入金、事業主貸借などが増えている場合は、元の取引と証拠資料へ戻ります。

工程と融資相談の資料

税金・返済を含む翌期資金を予測する

決算で見込まれる税金等の支払時期、借入返済、社会保険、賞与、契約更新、設備支払を翌期の資金繰りへ置きます。見込額は専門家へ確認し、未確定であることを明示します。

次回融資を検討する場合は、必要資金の使途、必要時期、自己資金、既存借入、直近実績、今後の返済余力を整理します。審査結果を前提に支出を確定せず、相談開始日を資金不足月から逆算します。

制度、許認可、手続、融資条件は変更される場合があります。申込時は公的機関の最新情報と金融機関の案内を確認してください。

決算前相談で用意したい資料

会計試算表・元帳・残高一覧
口座通帳・ネットバンク・借入明細
債権債務請求・入金・支払一覧
資産棚卸・設備・契約・見積
人件費給与・社会保険・源泉資料
計画創業計画・予実・翌期資金繰り

すべて揃っていなくても、直近試算表、口座明細、返済予定、売掛・買掛一覧、固定費、在庫・設備の状況から不足項目と期限を整理できます。

本記事は決算前の経営管理チェックを目的とする一般情報です。決算・申告・税額・会計処理の個別判断は税理士等へ確認してください。

創業融資サポートを利用したお客様の声

創業支援を利用した事業者の公開インタビューです。各事例の初年度決算、利益、税額、追加融資の結果を示すものではありません。

支援の進み方や相談時の状況を知るには、実際のお客様インタビューが参考になります。承認率などの集計数字ではなく、ご本人の体験を確認できる事例をご案内します。

融資のアイラボの料金と支援範囲

着手金0円・成功報酬5%+税

報酬は融資が実行され、着金したときに発生します。融資が実行されなかった場合、サポート報酬はかかりません。

候補制度の整理必要資金の確認創業計画書の作成支援提出資料の確認面談質問の準備申込前後の進行整理

契約前に、成功報酬の計算対象、消費税、支援期間、追加費用の有無、解約条件を確認します。支援を利用しても融資は保証されず、最終的な可否と条件は金融機関等が決定します。

よくある質問

申込み方法や必要書類は制度・窓口・事業内容によって異なります。個別条件は必ず担当窓口へご確認ください。

創業1期目の決算準備はいつ始めますか?

決算直前ではなく、2〜3か月前から未処理・証憑不足を洗い出し、決算日時点の棚卸と残高確認を準備します。

法人税の申告期限はいつですか?

国税庁は原則として事業年度終了日の翌日から2か月以内と案内しています。延長、休日、地方税等は個別確認が必要です。

在庫は帳簿残高だけでよいですか?

国税庁の通達は事業年度終了時の実地棚卸を原則としています。合理的方法の扱いを含め専門家へ確認します。

預金通帳と会計ソフトが合わない場合はどうしますか?

未取込、日付差、振込手数料、カード、現金振替、重複を一件ずつ照合し、理由不明の調整額で埋めません。

借入金の元金返済は経費ですか?

借入元金の返済は、通常、借入金という負債を減らすもので経費ではありません。利息とは分けて記録します。現金は出ていくため、資金繰りでは元金・利息の両方を支払予定へ入れます。個別の会計・税務処理は税理士等へ確認してください。

赤字なら税金の準備は不要ですか?

一律ではありません。法人住民税の均等割、消費税、源泉所得税等を含め個別に確認します。

金融機関へ何を説明できる状態にしますか?

決算見込み、現預金、売掛・在庫・買掛、借入、設備、納税、翌期計画、追加資金の要否を根拠付きで整理します。

この記事の監修者・運営者情報

監修者 五常コンサルティング株式会社 代表取締役 石川康平
監修者

石川 康平

五常コンサルティング株式会社 代表取締役

2024年の問い合わせ・ヒアリング対応300件をもとに、創業融資の支援範囲・料金・制度情報について確認しています。

五常コンサルティング株式会社の公式サイトを見る

執筆・編集
融資のアイラボ編集部
監修
五常コンサルティング株式会社 代表取締役 石川 康平
公開日
2026年8月27日
最終更新日
2026年9月10日
制度情報の確認方法
日本政策金融公庫、信用保証協会などの公式ページを確認し、申込時は各窓口で最新情報を再確認します。

※冒頭の仕事の写真はAI生成の架空イメージです。お客様の声・監修者の写真は実際の人物です。

確認した公式情報

2026年9月10日改訂:仕事・人物画像と図解を追加。本文・表の単位、現金と費用、条件と入金時期を照合しました。今回の公式情報の追確認範囲:国税庁の法人税申告期限・棚卸手続・帳簿保存・電子取引保存、公庫の創業計画と必要書類。制度情報の当初確認日は過去の記録です。以下の参照先のうち、該当箇所を確認しています。

制度内容や申込方法は改定される場合があります。申込時には各公式ページと窓口で最新情報をご確認ください。PDFは容量が大きい場合があるため、スマートフォンでは通信環境にもご注意ください。

制度情報の当初確認日:2026年8月27日

決算前の残高と翌期の支払を整理する

試算表、通帳、請求書、棚卸表、返済予定から、不足資料と翌期の資金見込みを整理します。個別の税務処理は税理士等へ確認します。

資料が完成していなくても、相談した時点で契約する必要もありません。

※融資の可否、金額、利率、返済期間、担保・保証人などの条件は、各金融機関・信用保証協会の審査により決定されます。融資のアイラボは金融機関ではなく、融資の実行を保証するものではありません。

※制度情報の当初確認日は2026年8月27日です。本文・画像・図解は2026年9月10日に改訂しました。今回の再確認範囲は公式情報欄をご参照ください。制度内容は変更される場合がありますので、申込時には必ず各公式窓口で最新情報をご確認ください。

無料相談電話LINEメール