長期の法人案件では、見積提出、内示、発注、契約、着手を同じ「受注済み」にしません。案件台帳へ現在段階、次の決裁、根拠資料、失注条件、予定日を置き、確定契約と営業見込みを分けます。
本文の金額、確度、期間、検収、中間金、費用は架空です。業界標準や回収保証ではなく、実際の契約書、発注書、仕様、検収、請求締日、顧客の合意へ差し替えてください。

受注見込はあるのに、先行人件費と外注費を何か月分借りるべきか説明できない
- 営業商談から決裁までの期間と成約率を一つの感覚値で置いている
- 検収納品日を入金日として扱い、差戻し・締日・回収サイトを見ていない
- 資金案件別粗利は黒字でも、同時進行時の最大先行負担を計算していない
この記事の結論
- 確度は売上計上と分ける
契約1,200万円と、提案・初期商談の期待値を同じ現金にしません。 - 入金節目を契約へ結ぶ
着手20%、中間30%、検収50%という架空条件を支払工程へ置きます。 - 検収遅延で80万円不足
最終金600万円が2か月遅れ、月100万円の支出が続く例です。
申込前に説明の抜けと資金不足を無料相談で整理する
資料がすべて完成していなくても相談できます。現在ある契約書、見積書、資金表、創業計画から、先に確認すべき論点を一枚にまとめます。
契約済み1,200万円と、提案・商談の期待値を分ける
確度は社内管理の架空定義です。金融機関や会計上の売上認識を示しません。
表は左右に動かせます。
項目名は固定表示です。
| 案件 | 現在段階・額 | 計画での扱い |
|---|---|---|
| A案件 | 契約・発注済み1,200万円 | 契約条件どおりの基準ケースへ |
| B案件 | 提案済み800万円・社内確度50% | 期待値400万円。確定入金にしない |
| C案件 | 初期商談1,000万円・社内確度20% | 期待値200万円。採用の前提にしない |
| 期待値合計 | 1,200+400+200万円 | 1,800万円 |
| 確定契約額 | A案件のみ | 1,200万円 |
| 慎重ケース | B・Cは0円 | Aの検収・入金遅延を試算 |
確度50%や20%は公的基準ではありません。次の意思決定者、予算承認、競合、契約予定日、失注条件を記録し、段階変更時に更新します。
期待値1,800万円をそのまま売上や入金へ入れません。採用・外注契約は確定案件の能力と現金で判断し、見込案件が失注しても支払えるかを確認します。
1,200万円を着手20%・中間30%・検収50%へ分ける
7か月目の最終入金までを置く架空契約です。
表は左右に動かせます。
項目名は固定表示です。
| 節目 | 計算・時期 | 確認する条件 |
|---|---|---|
| 契約・着手 | 1,200万円×20%=240万円・1か月目 | 返金、中止、作業開始条件 |
| 設計完了・中間 | 1,200万円×30%=360万円・4か月目 | 成果物、承認者、支払条件 |
| 納品・検収 | 1,200万円×50%=600万円・7か月目 | 検収項目、期限、差戻し、請求締日 |
| 入金合計 | 240+360+600万円 | 1,200万円 |
| 最終金の割合 | 600÷1,200 | 50% |
| 遅延ケース | 最終金を9か月目へ | 契約売上と実入金を分ける |
節目に対応する成果物と顧客側の承認者を契約へ置きます。「作業が半分終わった」という社内判断だけでは中間金を請求できない場合があります。
日本政策金融公庫「創業計画書セルフチェック・取引先」を参考に、販売先、シェア、掛取引、回収条件を整理します。支払条件は発注書、基本契約、個別契約の優先関係も専門家と確認します。
1,200万円案件の直接原価980万円なら、案件粗利220万円
全社の営業利益ではなく、案件へ直接対応する費用を引く架空例です。
表は左右に動かせます。
項目名は固定表示です。
| 案件原価 | 計算・金額 | 確認 |
|---|---|---|
| 案件売上 | 契約額 | 12,000,000円 |
| 担当給与等の配賦 | 120万円×6か月 | 7,200,000円 |
| 外注 | 設計・開発等 | 2,000,000円 |
| クラウド・機材・出張 | 案件対応分 | 600,000円 |
| 直接原価合計 | 720万+200万+60万円 | 9,800,000円 |
| 案件粗利 | 1,200万-980万円 | 2,200,000円 |
| 案件粗利率 | 220÷1,200 | 約18.3% |
| 全社費用 | 営業・管理、家賃、返済、税金等 | 案件粗利からさらに控除 |
担当給与は実際の勤務時間と会社負担へ置き換えます。別案件にも同じ人件費を全額入れず、案件別工数と共通管理時間を分けます。
追加仕様や再作業を売上追加なしで受ければ粗利は下がります。変更要求、見積、承認、納期、検収への影響を記録します。
中間金前までの純先行負担は320万円になる架空例
3か月目末までの給与等と2か月目の外注費から、着手金240万円を引きます。
表は左右に動かせます。
項目名は固定表示です。
| 中間金前の資金 | 計算 | 金額 |
|---|---|---|
| 1~3か月の担当給与等 | 120万円×3 | 3,600,000円 |
| 2か月目の外注支払 | 架空額 | 2,000,000円 |
| 中間金前の支出 | 360万+200万円 | 5,600,000円 |
| 受領済み着手金 | 1,200万円×20% | ▲2,400,000円 |
| 純先行負担 | 560万-240万円 | 3,200,000円 |
| 着手金がない場合 | 同じ支出 | 5,600,000円 |
| 着手金有無の差 | 560万-320万円 | 2,400,000円 |
必要運転資金を「固定費6か月分」だけで決めず、案件別の外注・材料・人件費と、確実な入金を月別に置きます。
中間金360万円は4か月目に実際に着金するまで預金へ加えません。請求締日を過ぎると翌月へずれる契約なら、日付単位の表で最低残高を確認します。
最終金600万円が2か月遅れると、8か月目に80万円不足する例
6か月目末の現金120万円から、納品後も固定支出80万円と返済20万円が毎月続く架空例です。
表は左右に動かせます。
項目名は固定表示です。
| 月・入金 | 支出 | 月末現金 |
|---|---|---|
| 6か月目末 | ― | 1,200,000円 |
| 7か月目・最終金0円 | 固定支出80万+返済20万円 | 200,000円 |
| 8か月目・最終金0円 | 固定支出80万+返済20万円 | ▲800,000円 |
| 9か月目・最終金600万円 | 固定支出80万+返済20万円 | 4,200,000円 |
| 最低残高 | 8か月目 | ▲800,000円 |
| 遅延前に行うこと | 検収課題、責任者、請求、支払日を確認 | 不足前に金融機関・専門家へ相談 |
| 資金対策 | 分割検収、支払延期、追加資金等 | 相手方・借入先の合意を前提 |
計算は120万円-100万円=20万円、20万円-100万円=▲80万円、その後600万円-100万円で420万円です。600万円が必ず9か月目に入る保証はありません。
遅延を把握した時点で、契約上の検収課題、顧客側の担当・承認、請求可否を確認します。追加融資や前受金が必ず得られる前提で不足を埋めません。
長期BtoB商流の創業融資計画で想定される相談内容
以下は実績・成功事例ではなく、相談時に整理対象となりやすい状況を示した想定ケースです。融資条件、契約、会計処理、保存期間は各社で異なるため、自社資料と最新の公的情報で確認してください。
法人向けシステム開発で商談開始から検収入金まで6か月かかり、人件費の先行額を計算したい
製造案件の内示はあるが発注時期が未確定で、基準・慎重ケースを分けたい
納品後の検収差戻しと翌月末入金を考慮し、外注費・給与・返済が重なる月を確認したい
長期BtoB案件を融資計画へ変える5工程
工程定義、案件台帳、契約確認、月別入出金、不足対策の順です。
- 01営業工程を定義提案・決裁・契約・検収
- 02案件台帳を作成金額・確度・次工程・期限
- 03契約条件を確認仕様・変更・検収・請求
- 04月別入出金へ変換先行支払・入金・固定費
- 05不足額と対策を決定前受・分割・融資・延期
必要運転資金は受注総額ではなく最も残高が低くなる月から算定する
確度と入金時期を分け、遅延ケースも確認します。
商談と受注を分離
入金まで月別化
固定費と案件原価
確認の組合せ必要運転資金=月別累計支出の最大値-同月までの確実な入金-投入可能な自己資金+安全余力
長期BtoB商流の創業融資計画について判断軸を整理した図です。個別案件の処理結果や融資条件を確定するものではないため、実際の画面表示と日本公庫の案内を優先してください。
この事業で融資前に数値化するポイント
営業期間と製作期間を分ける
受注までの営業期間と、受注後の設計・製造・納品・検収期間は別です。営業担当の工数も固定費として先行するため、受注後費用だけで運転資金を計算しません。
検収条件を実務へ落とす
契約に検収期限があっても、成果物定義、試験、差戻し、顧客側準備、部分検収が曖昧だと請求が遅れます。責任者、提出物、判定期限、みなし検収の有無を確認します。
前受・中間金は理由と対価を明確にする
一律に前受を求めるのではなく、材料発注、設計完了、試作、分納など客観的な節目と対応させます。契約変更が必要な場合は、着手前に相手方と書面で合意します。
商談から入金までを八つの工程へ分ける
次工程と決裁を記録
金額だけでなく決裁者、期限、競合、条件を確認します。
検収と請求を確認
成果物、合格条件、差戻し、締日、回収サイトを読みます。
先行負担を月別化
給与、外注、材料、経費を入金まで積み上げます。
案件台帳には、顧客、案件名、金額、粗利、確度段階、次工程、決裁予定、契約日、着手日、納品日、検収日、請求日、入金日、材料・外注・人件費の支払月、遅延時の対応を記載します。
融資制度の対象、必要書類、資金使途、審査結果は申込者・法人・取引条件により異なります。登記・契約・税務・許認可の個別判断は、金融機関、司法書士、弁護士、税理士、行政書士などの適切な専門家へ確認してください。
案件確度と売上計画を別管理する
案件確度と現金化の工程
- 提案・見積・内示・発注・契約
- 決裁者・予算・競合・次工程
- 納品・検収・請求・回収条件
- 変更・解除・遅延・損害条件
毎月先行する支出
- 営業・設計・開発の人件費
- 材料・機器・外注・出張の支払
- 家賃・クラウド・保険等の固定費
- 税金・返済・追加案件の準備資金
運転資金は『固定費六か月分』のような一律計算だけでなく、案件別先行支払、固定費、入金予定、自己資金、返済を月別に並べて算定します。複数案件の山が重なる月を確認します。

一案件の粗利ではなく、複数案件が重なる月の現金残高を見る
案件Aの外注支払、案件Bの材料前払、毎月の給与が重なる一方、案件Cの検収が遅れる場合を月別に置きます。売上高は伸びても残高が最も低くなる月が、必要運転資金の根拠になります。
検収・請求締日・回収サイトを契約から読む
表は左右に動かせます。
項目名は固定表示です。
| 項目 | 計算・確認方法 | 根拠資料 |
|---|---|---|
| 商談 | ニーズ・予算・決裁・競合を確認 | 売上へ確定計上しない |
| 内示 | 条件・予定・取消可能性を確認 | 基準と慎重を分ける |
| 受注・契約 | 金額・仕様・納期・検収を特定 | 先行支払を月別化 |
| 検収・請求 | 合格・締日・回収サイト | 入金遅延を試算 |
成約率を使う場合も、異なる段階の案件へ同じ率を掛けません。件数が少ない創業期は、案件ごとの事実、次工程、失注条件を示し、確定案件と将来の営業活動を区分します。
案件別先行負担と固定費から最大不足額を計算する
提案・決裁・契約・検収
金額・確度・次工程・期限
仕様・変更・検収・請求
先行支払・入金・固定費
前受・分割・融資・延期
案件ごとに受注額、粗利、前受金、材料・外注支払、給与配賦、検収、入金を月別へ置きます。売上計上と入金は分け、消費税、振込・決済手数料、保証金、留保金があれば反映します。
慎重ケースでは決裁、納品、検収のいずれかを一か月以上後ろへずらし、先行支払は予定どおり出る前提で最低残高を確認します。残高不足前の相談日を決め、前受・中間金・分割検収の交渉余地も整理します。
制度、許認可、手続、融資条件は変更される場合があります。申込時は公的機関の最新情報と金融機関の案内を確認してください。
長期BtoB計画で用意したい資料
顧客名や案件内容に守秘義務がある場合は、金融機関への提出可否とマスキング方法を確認します。匿名化する場合も、金額・確度・時期・根拠を照合できる管理番号を残します。
2026年9月1日に日本政策金融公庫の取引先・回収条件、資金計画、収支計画、創業計画の関連箇所を確認しました。案件確度、検収期間、前受・中間金、会計処理、必要運転資金に一律基準は用いず、本文の数値は架空例です。
創業融資サポートを利用したお客様の声
支援の進み方や相談時の状況を知るには、実際のお客様インタビューが参考になります。承認率などの集計数字ではなく、ご本人の体験を確認できる事例をご案内します。






融資のアイラボの料金と支援範囲
着手金0円・成功報酬5%+税
報酬は融資が実行され、着金したときに発生します。融資が実行されなかった場合、サポート報酬はかかりません。
契約前に、成功報酬の計算対象、消費税、支援期間、追加費用の有無、解約条件を確認します。支援を利用しても融資は保証されず、最終的な可否と条件は金融機関等が決定します。
よくある質問
案件確度、検収・入金節目、案件原価、先行負担、遅延時の不足を確認します。
商談中の案件を売上計画へ入れてよいですか?
確定契約と混ぜず、段階、次工程、根拠、失注条件を示します。期待値を現金入金へせず、基準・慎重ケースを分けます。
発注書があれば入金日は確定ですか?
仕様、納品、検収、請求締日、支払日、変更・差戻し条件を確認します。資金表は遅延ケースも作ります。
着手金や中間金をお願いしてよいですか?
契約相手との合意が必要です。材料発注、設計完了等の節目、対価、返金・中止条件を明確にし、契約専門家へ確認します。
案件の粗利はどう計算しますか?
売上から案件に直接対応する給与・外注・クラウド・旅費等を引きます。全社固定費、返済、税金はさらに別表で確認します。
運転資金は固定費何か月分ですか?
固定費だけでなく案件別支出と確実な入金を月別に置き、最も現金が少ない時点と安全余力から決めます。
検収が2か月遅れたら売上も消しますか?
契約・会計上の扱いは専門家へ確認します。資金繰りでは売上の有無と着金の遅れを分け、最終金を後ろへ動かします。
融資相談で何を示しますか?
案件台帳、契約・発注、仕様・検収、マイルストーン、担当人員、案件原価、請求・入金、遅延時の資金表を示します。
この記事の監修者・運営者情報

石川 康平
五常コンサルティング株式会社 代表取締役
2024年の問い合わせ・ヒアリング対応300件をもとに、創業融資の支援範囲・料金・制度情報について確認しています。
- 執筆・編集
- 融資のアイラボ編集部
- 監修
- 五常コンサルティング株式会社 代表取締役 石川 康平
- 公開日
- 2026年8月12日
- 最終更新日
- 2026年9月1日
- 制度情報の確認方法
- 日本政策金融公庫、信用保証協会などの公式ページを確認し、申込時は各窓口で最新情報を再確認します。
※記事内の相談場面を表現した写真は、内容を分かりやすく伝えるために作成したAI生成のイメージです。「お客様の声」に掲載しているお客様と監修者の写真は、実際のお客様・監修者の写真です。
確認した公式情報
制度内容や申込方法は改定される場合があります。申込時には各公式ページと窓口で最新情報をご確認ください。PDFは容量が大きい場合があるため、スマートフォンでは通信環境にもご注意ください。
制度情報確認日:2026年9月1日
確認範囲:公庫の取引先・回収条件、資金・収支計画。案件確度、検収期間、前受・中間金、会計処理に一律基準は用いていません。
長期BtoB商流の創業融資計画の確認表を申込前に整える
案件台帳と月別資金繰りを接続し、検収遅延時を含む最大資金不足額を整理します。相談時点で契約する必要はなく、現在ある資料から未確認事項と次の行動を整理できます。
資料が完成していなくても、相談した時点で契約する必要もありません。
※融資の可否、金額、利率、返済期間、担保・保証人などの条件は、各金融機関・信用保証協会の審査により決定されます。融資のアイラボは金融機関ではなく、融資の実行を保証するものではありません。
※本記事は2026年9月1日時点の公表情報をもとに作成しています。制度内容は変更される場合がありますので、申込時には必ず各公式窓口で最新情報をご確認ください。
