創業計画書の資金計画では、必要資金と自己資金、親族・友人等からの借入、金融機関からの借入などを分けます。自宅保管現金を自己資金欄へ入れる場合も、資金の性質を変えて見せず、本人が形成し、返済義務がなく、事業へ投入できる金額かを確認します。
証拠は一枚の領収書ではなく、複数資料のつながりで考えます。過去の通帳からの定期的な出金、給与明細、確定申告書、資産売却契約、保管開始時期のメモなど、形成理由と矛盾しない資料を集めます。現金受領の収入を申告していない場合などは、融資説明の前に税務上の取扱いを税理士等へ確認します。
入金する場合は、日付、金額、入金先口座、入金理由を記録し、同じ現金を生活予備費、自己資金、会社資本金の三つへ重複計上しません。会社設立時の資本金払込と、その後の会社口座への移動も別の新しい資金ではありません。
現金保管には盗難・紛失・災害のリスクもあります。融資申込のためだけに不自然な入出金を繰り返さず、事業支払に使う口座へ移した後は、見積書、契約、支払記録と対応させます。説明できない部分は推測で補わず、金額と根拠の範囲を明示します。

申込直前に現金をまとめて入金したが、誰のお金で、いつ貯めたかを示す資料がない
- 形成給与や売却代金などの原資と保管開始時期を説明できない
- 入金同日に複数回入金し、通帳の摘要だけでは理由が分からない
- 重複同じ現金を資本金、自己資金、生活予備費へ重ねて計上している
この記事の結論
- 現金だから即対象外ではない
ただし預金より形成過程の客観資料が少なく、個別確認が必要です。 - 入金前の履歴を作る
収入、出金、保管、入金、支出を一つの時系列へつなぎます。 - 説明可能額だけ計上
根拠がない金額を推測で足さず、申込先へ事前確認します。
タンス預金を含む自己資金の説明で想定される相談内容
以下は実績・成功事例ではなく、相談時に整理対象となりやすい状況を示した想定ケースです。融資条件、契約、会計処理、保存期間は各社で異なるため、自社資料と最新の公的情報で確認してください。
給与から少しずつ現金で貯めた120万円を自己資金として説明したい
祖父母から受け取った現金が贈与か借入か曖昧なため整理したい
設立時の資本金払込と会社口座への入金を二重に数えていないか確認したい
自宅保管現金を説明する5工程
現在額、形成源、資料、入金、使途の順に確認します。
- 01現在額を数える保有者・保管場所・金額
- 02形成源を分ける給与・売却・贈与・その他
- 03資料と照合する通帳・契約・申告・明細
- 04口座へ記録入金日付・金額・理由・名義
- 05資金計画へ反映自己資金・生活費・使途
説明可能性は、原資・期間・名義・使途の連続性で確認する
現金の存在だけでは判断しません。
収入・売却・贈与
出金と保管の時系列
生活費・既支払を控除
確認の組合せ説明可能な自己資金=形成根拠のある本人資金-返済義務資金-既使用額-生活予備費-二重計上
タンス預金を含む自己資金の説明について判断軸を整理した図です。個別案件の処理結果や融資条件を確定するものではないため、実際の画面表示と日本公庫の案内を優先してください。
この事業で融資前に数値化するポイント
預け入れた日を形成日としない
口座へ入金した日は資金形成日ではなく、保管場所を変えた日です。形成源となる収入や資産売却の日まで戻り、途中の使用額を確認します。
贈与と借入を自己判断で言い換えない
返済する約束があるなら、名義が本人でも返済義務を伴う資金です。贈与、借入、預り金を事実に基づいて区別し、税務や契約は専門家へ確認します。
少なく見せないことと多く見せないことを両立する
根拠のある資金を漏らさず、根拠のない額を上乗せしません。説明可能額、未確認額、事業投入額の三列で管理すると、確認先が明確になります。
現金の存在と自己資金としての説明可能性を分ける
誰が何から形成
給与、事業収入、売却、贈与等を区別します。
いつから保管
出金日、保管開始、追加額、入金日を並べます。
事業へ投入可能
生活予備費と支払済み金額を差し引きます。
自己資金確認表には、現金の現在額、保有者、形成源、形成期間、過去の出金記録、保管理由、関連する給与・売却・贈与資料、口座入金日、会社への移動日、既支払額、生活予備費、説明できない差額を記載します。現金を撮影した写真だけで形成過程の代わりになるとは考えません。
自己資金、既存借入、必要資金、売上・原価の見通し、必要書類、審査上の取扱いは、申込先、制度、事業内容、個別事情で異なります。公式情報と申込先の最新案内を優先してください。融資の可否、金額、利率、返済期間等は金融機関等が審査して決定します。
給与・売却・贈与等の形成源を資料で確認する
過去から現在までをつなぐ
- 給与明細・源泉徴収票・申告書
- 過去の口座出金と家計記録
- 資産売却契約・入金履歴
- 贈与なら贈与者・時期・返済不要の確認
入金後の管理
- 入金先口座と入金明細
- 設立払込・会社口座への移動
- 設備・物件・仕入への支払
- 生活予備費と未使用残高
説明できる自己資金は、単純な手元現金の合計ではありません。本人形成分から、返済義務のある資金、第三者保有分、既に別用途へ使った金額、生活維持に残す金額、二重計上分を分けます。どの範囲が申込資料として扱われるかは申込先へ確認します。

100万円を一度に入れる前に、過去3年の形成表と資料の空白を確認する
毎月の給与から一定額を現金化していた場合でも、出金額のすべてが現在残っているとは限りません。生活費への使用を考慮し、説明できる残高を保守的に置きます。資料がない月は空白として記録し、都合のよい推定で埋めません。
自宅保管から口座入金までを時系列でつなぐ
| 項目 | 計算・確認方法 | 根拠資料 |
|---|---|---|
| 給与から保管 | 給与明細と口座出金 | 生活費使用分を除く |
| 資産売却 | 契約・所有・代金受領 | 税負担見込みも確認 |
| 親族から受領 | 贈与か借入かを区別 | 返済義務と名義を確認 |
| 口座へ入金 | 日付・金額・理由を記録 | 設立払込との重複を防止 |
複数の形成源がある場合は一括して『貯金』とせず、資金源別に行を分けます。現金入金後も出所の説明資料を保存し、設備や仕入への支払まで追跡できるようにします。
資本金・生活費・借入との二重計上を防ぐ
保有者・保管場所・金額
給与・売却・贈与・その他
通帳・契約・申告・明細
日付・金額・理由・名義
自己資金・生活費・使途
自宅保管現金を全額事業へ入れると、創業者の生活費が不足し、会社からの引出しやカード利用が増える可能性があります。事業の自己資金と個人の生活予備費を別表にし、開業後6か月程度の家計支出も月別に確認します。
現金を設備代へ使う場合は、支払先、契約日、請求額、支払方法、領収書を確認します。金融機関へ相談する前に支払ってよいかは案件ごとに異なるため、申込先へ確認します。
制度、許認可、手続、融資条件は変更される場合があります。申込時は公的機関の最新情報と金融機関の案内を確認してください。
申込前相談に用意する資料を整理する
資料が完全でなくても、ある資料とない期間を分ければ確認事項を整理できます。後から作った説明書だけで客観資料を置き換えず、作成日と作成者を明記します。
本記事は自宅保管現金の一般的な整理方法です。自己資金としての評価、必要資料、税務上の取扱い、融資結果を確定するものではありません。申込先と必要に応じ税理士等へ確認してください。
創業融資サポートを利用したお客様の声
支援の進み方や相談時の状況を知るには、実際のお客様インタビューが参考になります。承認率などの集計数字ではなく、ご本人の体験を確認できる事例をご案内します。






融資のアイラボの料金と支援範囲
着手金0円・成功報酬5%+税
報酬は融資が実行され、着金したときに発生します。融資が実行されなかった場合、サポート報酬はかかりません。
契約前に、成功報酬の計算対象、消費税、支援期間、追加費用の有無、解約条件を確認します。支援を利用しても融資は保証されず、最終的な可否と条件は金融機関等が決定します。
よくある質問
申込み方法や必要書類は制度・窓口・事業内容によって異なります。個別条件は必ず担当窓口へご確認ください。
タンス預金は必ず自己資金になりませんか?
一律には断定できません。ただし形成過程の客観資料が乏しくなりやすいため、原資・期間・名義・返済義務・使途を整理し申込先へ確認します。
申込前に全額を口座へ入れれば十分ですか?
入金記録は残りますが、それ以前の形成過程までは示しません。収入や出金などの資料も確認します。
現金の写真は証拠になりますか?
現在その現金があることを補助的に示しても、形成源や所有者、返済義務までは説明できません。
親から現金でもらった場合は自己資金ですか?
贈与か借入か、返済義務、資金の形成者を区別します。税務上の取扱いも必要に応じて確認してください。
昔の通帳がありません。どうすればよいですか?
給与明細、申告書、売却契約など利用できる資料を集め、ない期間は申込先へ必要な補足方法を確認します。
資本金へ入れた後も自己資金として説明できますか?
同じ資金の移動を二重に加算せず、個人口座から払込、会社口座、支払先まで一つの流れとして示します。
生活費として残す現金も自己資金へ含めますか?
事業へ投入できる額と生活予備費を分けます。同じお金を両方へ計上しません。
この記事の監修者・運営者情報

石川 康平
五常コンサルティング株式会社 代表取締役
2024年の問い合わせ・ヒアリング対応300件をもとに、創業融資の支援範囲・料金・制度情報について確認しています。
- 執筆・編集
- 融資のアイラボ編集部
- 監修
- 五常コンサルティング株式会社 代表取締役 石川 康平
- 公開日
- 2026年8月12日
- 最終更新日
- 2026年8月12日
- 制度情報の確認方法
- 日本政策金融公庫、信用保証協会などの公式ページを確認し、申込時は各窓口で最新情報を再確認します。
※記事内の相談場面を表現した写真は、内容を分かりやすく伝えるために作成したAI生成のイメージです。「お客様の声」に掲載しているお客様と監修者の写真は、実際のお客様・監修者の写真です。
確認した公式情報
制度内容や申込方法は改定される場合があります。申込時には各公式ページと窓口で最新情報をご確認ください。PDFは容量が大きい場合があるため、スマートフォンでは通信環境にもご注意ください。
制度情報確認日:2026年8月12日
タンス預金を含む自己資金の説明の確認表を整える
自宅保管現金の形成源、保管期間、入金経路、事業投入額、生活予備費を時系列へまとめます。資料が完成していなくても、事実を変えず、現在分かる数字と未確認事項から整理できます。
資料が完成していなくても、相談した時点で契約する必要もありません。
※融資の可否、金額、利率、返済期間、担保・保証人などの条件は、各金融機関・信用保証協会の審査により決定されます。融資のアイラボは金融機関ではなく、融資の実行を保証するものではありません。
※本記事は2026年8月12日時点の公表情報をもとに作成しています。制度内容は変更される場合がありますので、申込時には必ず各公式窓口で最新情報をご確認ください。
