人材派遣は、派遣元事業主が自己の雇用する労働者を、雇用関係を維持したまま派遣先の指揮命令を受けて働かせる事業です。計画では、顧客、提供方法、営業場所、設備、担当者、管理方法、取引先を具体化します。
開業地を所管する厚生労働大臣・愛知労働局等へ予定地を伝え、必要な許認可・届出、図面相談、設備・管理要件、確認期間を契約・発注前に確認します。
売上は登録者数でなく、派遣契約、就業者数、実働時間、派遣単価、欠勤、契約終了、請求・回収から作ります。見込み客や最大処理能力をそのまま売上にせず、問い合わせ、契約・受注、実施・販売、取消・返品を月別に分け、実際に提供・販売できる量を上限にします。
許可、責任者講習、事務所、採用広告、教育訓練、人件費に加え、派遣先から入金される前の給与・社会保険・交通費が大きく先行します。許認可や開業準備が遅れた場合も給与、仕入代金、家賃などを払えるよう、初回売上入金までの運転資金を残します。

派遣単価と給与の差だけで利益を計算し、許可の財産要件、欠勤、有給、社会保険、教育、募集費、請求回収の時間差を除外している
- 許可財産・責任者・教育計画を未確認
- 粗利時給差だけで利益と判断
- 資金給与支払と売掛回収の差を未計上
この記事の結論
- 許可要件を先に整える
財産、責任者、事務所、教育訓練、個人情報、待遇を確認します。 - 一人一時間の原価を作る
給与、法定福利、交通、有給、募集、教育、管理を積みます。 - 給与先払いを資金化
締日・支払日と派遣先回収日を契約別に月別化します。
人材派遣会社の許可資産と給与先払いを無料相談で整理する
設立前でも、事業所数、資産・負債、採用人数、派遣単価、給与日、派遣先入金日から不足資料を確認できます。
1事業所なら3つの財産要件と開業支出を別表で確認する
愛知労働局の2026年4月資料は、1事業所につき、①基準資産額2,000万円以上、②基準資産額が負債総額の7分の1以上、③自己名義の現金・預金1,500万円以上という財産的基礎を示しています。基準資産額は、総資産から繰延資産・営業権と負債総額を控除して確認します。事業所数、設立後の決算状況、利用できる確認資料で扱いが変わるため、申請前に愛知労働局へ予約相談します。
| 確認項目 | 1事業所の基準 | 開業計画での注意 |
|---|---|---|
| 基準資産額 | 2,000万円以上 | 総資産額-繰延資産・営業権-負債総額 |
| 負債との関係 | 負債総額の7分の1以上 | 借入追加後の負債も反映 |
| 自己名義の現金・預金 | 1,500万円以上 | 事業所数に応じて確認 |
| 開業支出 | 一律基準なし | 事務所・システム・採用・教育等を見積る |
| 給与先払い | 契約・人数で変動 | 給与日から派遣料金回収日まで月別化 |
借入実行で現金が増えても、同額の負債が増えるため、基準資産額の純増とは限りません。許可要件を満たす資本・資産計画と、創業融資で賄う開業支出・運転資金を分けて説明します。
月2,000請求時間と約13人分の稼働を給与日前に資金化する
次の数字は計算方法を示す仮定例で、派遣単価、賃金、許可、融資額を示すものではありません。
| 計算項目 | 仮定 | 結果 |
|---|---|---|
| 1時間当たり派遣収入 | 2,800円 | 派遣先契約へ置換 |
| 総労務原価 | 給与・社保・交通・有給等2,100円 | 就業者別に置換 |
| 1時間限界利益 | 2,800円-2,100円 | 700円 |
| 月間現金固定支出 | 内勤給与・家賃・システム・返済等140万円 | 自社支払額へ置換 |
| 月間必要請求時間 | 140万円÷700円 | 2,000時間 |
| 1人160請求時間の場合 | 2,000時間÷160時間 | 12.5人分、切上げ約13人 |
| 13人の月間総労務原価 | 2,100円×160時間×13人 | 約436.8万円 |
約436.8万円は1か月分の直接原価だけです。給与、社会保険、交通費の支払日と、派遣先の締日・検収日・入金日を置き、1.5か月先行するなら単純仮定で約655.2万円となります。欠勤、有給、教育、採用、契約終了、入金遅延を加え、最大不足月を運転資金の根拠にします。
許可資産と使える運転資金を二重計上しない
許可要件の確認に使う預金残高を、同時に全額給与へ使用できる資金として扱うと、支払後に財産要件や事業継続へ影響する可能性があります。申請時点、許可後、初回給与前、初回回収後の残高を別々に確認してください。
許可・契約・給与を照合する3つの想定相談例
以下は実績ではなく、資金計画の弱点を確認するための想定例です。
1事業所で新設法人として申請
設立時貸借対照表、預金、負債、出資経緯を確認し、許可資産と開業支出を分けます。
13人を同月に就業開始
請求時間だけでなく、給与・社保・交通費が入金より何日先行するかを日付で計算します。
低単価の大型契約を検討
有給、欠勤代替、教育、募集、内勤管理を含む1時間原価と、未収時の最低現金を確認します。
許可から就業・給与・回収まで
財産・責任者、派遣先契約、雇用、教育、就業、給与、請求を一人単位でつなげます。
- 01許可準備財産・責任者・教育
- 02派遣先契約業務・単価・期間
- 03採用・雇用待遇・研修・同意
- 04就業・給与勤怠・安全・先払い
- 05請求・回収売掛・未収・返済
利益率より、給与先払い後の現金残高を見る
稼働人数、総労務原価、派遣先の締日・支払日を契約別に置きます。
交通・募集・教育も按分
締日・支払条件で変動
増員月と未収を上乗せ
確認式月末現金=前月残高+派遣料金回収-給与・社会保険-募集教育費-固定費-返済
数値は事業計画へ入れる項目を示したものです。単価・基準・審査結果を保証するものではなく、最新条件を各窓口へ確認してください。
この事業で融資前に数値化するポイント
職業紹介・業務委託・請負との違いを契約図で示す
派遣では派遣元が労働者を雇用し、派遣先が指揮命令します。職業紹介は雇用成立のあっせん、請負では発注者が請負労働者へ直接指揮命令しません。実態と契約が異なる状態を避けます。
派遣ができない業務、派遣期間、待遇決定方式、雇用安定措置、事業報告等は改正されるため、申請時の最新マニュアルを確認します。
許可・財産的基礎・責任者・教育訓練・待遇を確認する
事業所数に応じた要件を確認
基準資産額と現金・預金、負債、特例の適用可否を最新マニュアルで確認します。
派遣元責任者と教育体制を整備
講習、経験、配置、キャリア形成支援、相談、雇用安定措置を具体化します。
雇用・派遣・待遇を分けて管理
派遣元と労働者の雇用契約、派遣先との派遣契約、指揮命令、期間制限を確認します。
労働者派遣事業許可、財産的基礎、派遣元責任者、事務所、教育訓練、待遇決定、雇用管理、個人情報、事業報告を確認します。法令、基準、申請様式は変更される場合があるため、予定地を所管する窓口と関係機関へ最新情報を確認してください。
許可準備・事務所・採用・教育・給与先払い資金を積み上げる
許可準備と給与先払い
- 事務所・面談区画・個人情報保管
- 勤怠・給与・請求・採用管理システム
- 許可申請・講習・規程・専門家費用
- 採用広告・教育環境・備品・通信
毎月先行する支出
- 派遣労働者給与・社会保険・交通費
- 有給・教育・健康診断・募集費
- 内勤給与・家賃・システム・保険
- 派遣料金回収までの給与先払い
派遣先の売掛金が増えるほど、給与・社会保険の先払いも増えます。許可の財産要件とは別に、請求締めから回収までの最大給与残高と契約終了時の雇用継続費を確保します。

黒字の契約でも、入金前の給与を払えなければ続かない
一か月の実働が翌月末に回収される一方、給与は先に支払います。就業者が増える月、連休、有給、欠勤、契約終了、派遣先の支払遅延を入れ、現金残高を確認します。
売上は派遣契約・就業者・実働時間・回収から作る
| 項目 | 計算・確認方法 | 根拠資料 |
|---|---|---|
| 稼働者 | 契約枠×充足率 | 採用・就業開始・離職 |
| 請求時間 | 予定-欠勤等 | 勤怠・残業・休業 |
| 派遣売上 | 請求時間×契約単価 | 締日・支払日 |
| 実質粗利 | 売上-総労務原価 | 給与・法定福利・募集等 |
派遣料金と時給の差を利益とせず、法定福利、有給、交通、教育、健康診断、募集、内勤管理を含めます。適用除外業務や日雇派遣の原則禁止等を確認します。
許可申請・派遣先契約・採用・就業・給与・回収を月別化する
財産・責任者・教育
業務・単価・指揮命令
説明・待遇・研修
安全・相談・請求
先払い・未収・返済
労働局相談、責任者講習、事務所、申請、許可、派遣先契約、募集、雇用、教育、就業、勤怠締め、給与支払、請求、回収を月別に置きます。
稼働者数を三案で試算し、給与、社会保険、募集、教育、内勤費、派遣先回収、返済後の現金を確認します。
制度、許認可、手続、融資条件は変更される場合があります。申込時は公的機関の最新情報と金融機関の案内を確認してください。
人材派遣会社の融資相談で用意したい資料
派遣先、就業者、実働、派遣単価、給与・福利、請求・回収を、許可資料、契約書、創業計画書で一致させます。
雇用責任を派遣先へ押し付けず、労働条件、待遇、相談窓口、教育、安全衛生を適切に説明します。禁止業務や偽装請負につながる契約を避けます。
創業融資サポートを利用したお客様の声
支援の進み方や相談時の状況を知るには、実際のお客様インタビューが参考になります。承認率などの集計数字ではなく、ご本人の体験を確認できる事例をご案内します。






融資のアイラボの料金と支援範囲
着手金0円・成功報酬5%+税
報酬は融資が実行され、着金したときに発生します。融資が実行されなかった場合、サポート報酬はかかりません。
契約前に、成功報酬の計算対象、消費税、支援期間、追加費用の有無、解約条件を確認します。支援を利用しても融資は保証されず、最終的な可否と条件は金融機関等が決定します。
よくある質問
申込み方法や必要書類は制度・窓口・事業内容によって異なります。個別条件は必ず担当窓口へご確認ください。
人材派遣会社の開業に許可は必要ですか?
労働者派遣事業は厚生労働大臣の許可が必要です。愛知労働局の新規許可相談は予約制です。
1事業所の資産要件はいくらですか?
愛知労働局の2026年4月資料では、基準資産額2,000万円以上、負債総額の7分の1以上、自己名義の現金・預金1,500万円以上という3要件を示しています。
借入金で資産要件を満たせますか?
借入は現金と負債の両方を増やすため、基準資産額の純増とは限りません。自己判断せず、資産・負債資料を愛知労働局や専門家へ確認します。
派遣元責任者は必要ですか?
要件を満たし講習を修了した派遣元責任者の配置と、教育・相談体制を確認します。
給与先払いは創業融資で相談できますか?
個別審査ですが、派遣先の締日・入金日より先に払う給与、社会保険、交通費を月別化して運転資金として相談します。
職業紹介や業務委託と同じですか?
異なります。派遣元が労働者を雇用し、派遣先が指揮命令する関係を契約と実態で確認します。
派遣先が未確定でも融資相談できますか?
候補企業、業務、単価、必要人数、契約化の根拠、採用計画を示し、未確定売上を確定受注として扱わない慎重案を作ります。
この記事の監修者・運営者情報

石川 康平
五常コンサルティング株式会社 代表取締役
2024年の問い合わせ・ヒアリング対応300件をもとに、創業融資の支援範囲・料金・制度情報について確認しています。
- 執筆・編集
- 融資のアイラボ編集部
- 監修
- 五常コンサルティング株式会社 代表取締役 石川 康平
- 公開日
- 2026年8月3日
- 最終更新日
- 2026年8月3日
- 制度情報の確認方法
- 日本政策金融公庫、信用保証協会などの公式ページを確認し、申込時は各窓口で最新情報を再確認します。
※記事内の相談場面を表現した写真は、内容を分かりやすく伝えるために作成したAI生成のイメージです。「お客様の声」に掲載しているお客様と監修者の写真は、実際のお客様・監修者の写真です。
確認した公式情報
制度内容や申込方法は改定される場合があります。申込時には各公式ページと窓口で最新情報をご確認ください。PDFは容量が大きい場合があるため、スマートフォンでは通信環境にもご注意ください。
- 愛知労働局「労働者派遣事業の法令・制度」
- 愛知労働局「労働者派遣事業パンフレット・様式」
- 愛知労働局「労働者派遣事業許可申請提出書類一覧表(個人・2026年4月)」(PDF・容量が大きい場合があります)
- 厚生労働省「労働者派遣事業の許可・更新等手続マニュアル」
- 日本政策金融公庫「新規開業・スタートアップ支援資金」
- 日本政策金融公庫「創業計画書の書き方」
制度情報確認日:2026年8月25日
許可要件・1時間原価・給与先払いを一つの資金計画へまとめる
愛知労働局へ相談する資料と、派遣先・就業者・請求時間・給与・初回回収を月別に並べ、借入希望額の根拠を確認します。
資料が完成していなくても、相談した時点で契約する必要もありません。
※融資の可否、金額、利率、返済期間、担保・保証人などの条件は、各金融機関・信用保証協会の審査により決定されます。融資のアイラボは金融機関ではなく、融資の実行を保証するものではありません。
※本記事は2026年8月25日時点の公表情報をもとに作成しています。制度内容は変更される場合がありますので、申込時には必ず各公式窓口で最新情報をご確認ください。
