初年度は「導入+12か月」で考える
導入時の費用200万円
月額50万円×12か月600万円
同じ料金が続く月払い例。相場ではありません。追加利用・追加開発や値上げがない条件です。
SaaSは、インターネット経由で使うソフトのこと。導入の打合せ・移行・教育にも費用がかかる場合があります。
初期費用の内訳と3年間の表へ →初期費用の内訳と3年間の表
以下は製品相場ではなく、契約期間全体の計算方法を示す架空例です。
| 項目 | 架空の金額 | 確認資料 |
|---|---|---|
| 要件整理・初期設定 | 60万円 | 仕様書・成果物 |
| 移行・連携 | 80万円 | 対象データ・検収 |
| 教育・テスト | 30万円 | 研修・受入基準 |
| セキュリティ・バックアップ設定 | 30万円 | 責任分界・復旧 |
| 初期費用 | 200万円 | 一括・分割時期 |
| 月額利用料 | 50万円×12か月 | 年600万円 |
| 1年目 | 200+600 | 800万円 |
| 2・3年目 | 600万円×2年 | 1,200万円 |
| 3年総額 | 200+1,800 | 2,000万円 |
創業計画では1年目だけでなく、売上が安定する前の月額支払と更新月を資金繰りへ置きます。初期費用・月額利用料・個別開発・端末を同じ費目名にまとめず、見積と支払日を分けて申込先へ確認します。
年払いの割引と、途中でやめる負担を比べる
4か月で終了:月払い200万円
4か月で終了:年払い540万円
月払いは月50万円で4か月後に追加負担なく解約可能、年払い540万円は返金なしと仮定。4か月終了では年払いが340万円多くなります。
年間60万円の割引だけでなく、最低契約期間・中途解約・返金の条件を先に読みます。
月払い・年払いの条件と計算表へ →月払い・年払いの条件と計算表
割引率と解約条件は架空例です。月額50万円、年払い540万円、4か月後に利用終了する場合を比べます。
| 契約 | 12か月継続 | 4か月で終了 | 確認事項 |
|---|---|---|---|
| 月払い | 50×12=600万円 | 50×4=200万円 | 最低利用期間・解約日 |
| 年払い | 540万円 | 返金なしなら540万円 | 中途解約・返金・ID減 |
| 差 | 年払いが60万円少ない | 年払いが340万円多い | 継続確度で判断 |
年払いが有利なのは、利用継続、必要ID、機能適合が確認できる場合です。導入前にトライアル、検収、データ移行テストを行い、割引だけで長期契約を決めません。
図と表では、月払いを4か月後に違約金等の追加負担なく解約でき、年払い540万円は返金されないと仮定しています。実際に最低利用期間・解約手数料がある場合は加算してください。
利用者やデータが増えると月額も変わる
増額は月15万円。12か月続けば追加180万円です。途中で追加する場合は、適用される月数で計算します。
利用量による追加料金の表
| 項目 | 導入時 | 増員後 | 増加 |
|---|---|---|---|
| 基本契約・既存ID等 | 50万円/月 | 50万円/月 | 0円 |
| 追加ID | 0円 | 7万5,000円/月 | 7万5,000円 |
| 容量・従量課金 | 0円 | 2万5,000円/月 | 2万5,000円 |
| 追加サポート | 0円 | 5万円/月 | 5万円 |
| 月額 | 50万円 | 65万円 | 15万円 |
| 年間増加 | ― | 15×12 | 180万円 |
採用月、店舗追加、取引量、保存容量に合わせてID・従量課金を月別に増やします。退職者IDの停止、権限変更、不要契約の解約も担当者と期限を決めます。
年180万円増は、月15万円の増額が丸12か月続く条件です。年度途中の追加は実際の適用月数で計算します。
使い始め・利用中・終了時の条件を読む
- 使い始め担当者・権限・移行範囲を決める
- 利用中障害時の連絡とバックアップを確かめる
- 終了時データの返却・削除と移行費を確かめる
安全管理は提供会社との責任分担を確認。利用規約とIPAの安全利用の手引きを基に、自社の運用を決めます。
契約・安全利用の確認表
IPAは2026年に「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」を第4.0版へ改訂し、付録としてクラウドサービス安全利用の手引きを公開しています。価格表だけでなく、情報の重要度とサービス停止時の事業影響を確認します。
| 確認欄 | 契約・仕様で見る内容 | 資金計画への影響 |
|---|---|---|
| 責任分界 | 利用者・提供者・委託先 | 社内対応工数 |
| 認証・権限 | 多要素認証、管理者、ログ | 追加機能・教育費 |
| 可用性・復旧 | 障害連絡、バックアップ、復旧 | 代替業務・停止損失 |
| データ | 保管、再委託、返却、削除 | 移行・保管・監査費 |
| 更新・終了 | 改定通知、解約期限、出力形式 | 更新月・移行予備費 |
無料トライアルでも移行・教育・並行運用の社内工数は発生します。導入費を削る場合は、必要なセキュリティや復旧手順まで削らないよう、要件と見積を対応させます。
実務の確認にはIPAのクラウドサービス安全利用の手引き本編(PDF・全8ページ)も参照してください。
年払いの直後に、事業のお金が残るか
導入費200万円を払い、残り700万円
月払いを選ぶ
初月50万円を払い、残金650万円
年払いを選ぶ
540万円を払い、残金160万円
2つの支払方法を比べる図です。売上入金・他の支出を除く支払直後の比較。月払いは残り11か月550万円の支払いも続きます。
必要な運転資金を200万円と仮置きすると、年払い直後は40万円不足します。200万円は別途支払う額ではなく、残しておきたい現金の目標です。
支払直後の比較と資金繰りの条件へ →支払直後の比較と資金繰りの条件
通常ケースに加え、利用者数が増える場合、アクセス量が増える場合、開発が一か月遅れる場合を試算します。月額費用は開業後の支払予定と月次収支へ反映します。同じ利用料を複数の費目で重ねて控除しません。
融資実行前に年払い・着手金を支払う場合は、自己資金の残りと返金条件を確認し、支払前に申込先へ相談します。
制度、許認可、手続、融資条件は変更される場合があります。申込時は公的機関の最新情報と金融機関の案内を確認してください。
図の手元900万円は、自己資金・実行済み融資等を含め既に使える現金とする独立した比較例です。売上・他の支出を除き、初期200万円を支払った後、初月50万円の月払いなら650万円、年払い540万円なら160万円が残ります。残したい運転資金を200万円と置くと、年払いでは40万円不足します。月払いの650万円も自由に使い切らず、その後11か月の550万円と他の支払予定を含めて確認します。
| 支払直後の比較 | 月払い案 | 年払い案 |
|---|---|---|
| 開始時の使える現金 | 900万円 | 900万円 |
| 導入費の支払い | 200万円 | 200万円 |
| 今回の利用料支払い | 初月50万円 | 年額540万円 |
| 支払い後の現金 | 650万円 | 160万円 |
| 運転資金200万円との差 | +450万円 | ▲40万円 |
| 残り11か月の利用料 | 550万円 | 年額の追加払いなし(追加利用等を除く) |
必要な準備を項目別に確認
制度・条件と相談前の確認
同じソフトウェアでも、PCへ導入する買切り製品、クラウドの月額サービス、初期設定、データ移行、個別開発、保守では契約と支払が異なります。勘定科目名だけで資金使途を決めません。
日本政策金融公庫のソフトウェア開発業の創業ポイントでは、PC・サーバー・開発ツールのライセンスを設備資金、AWSなどの月額クラウド利用料を運転資金の例として挙げています。個別申込での区分・対象は申込先へ確認します。
年払いは支払が一度でも、利用期間は複数月にわたります。初年度割引、無料期間、従量課金、最低利用期間、解約返金の有無を確認し、見積額だけでなく12か月の支払予定へ変換します。
システム開発費は、要件定義、着手金、中間金、検収、保守開始が分かれることがあります。完成前の支払、仕様変更、追加開発、納期遅延を資金計画へ入れます。
SaaS・クラウド費用で想定される3つの相談
以下は実績・成功事例ではなく、確認対象を示す想定例です。
初期200万円・月額50万円の3年総額2,000万円を資金計画へ入れたい
月払いと年払いを、割引だけでなく中途解約時の資金拘束で比較したい
採用後のID・容量・支援費で年間180万円増える計画を反映したい
契約前に確認するチェック項目
想定相談で挙げた金額を、自社の契約・見積りへ置き換えるときに確認します。
- 会計・顧客管理SaaSの初期設定と年額利用料を資金使途へ分けたい
- システム開発の着手金・中間金・検収金と月額保守を月別化する
- AWS等の従量課金が増えるケースを運転資金へ反映する
この事業で融資前に数値化するポイント
年払いを初期費用と決めつけない
支払回数とサービスの性質は別です。利用期間と申込先の区分を確認します。
無料期間後の通常額を見る
創業直後の割引額だけでなく、更新後の通常料金を収支計画へ入れます。
開発費は検収条件まで確認する
完成の定義、仕様変更、追加費用、遅延時の支払を契約と工程表で確認します。
手続・必要資金・収支の補足
SaaS・クラウド・開発・端末を契約単位へ分ける
IT費用一覧には、サービス名、用途、利用者数、契約形態、初期費用、月額・年額、従量単価、契約開始、支払日、最低期間、更新、解約、返金、設備・運転の確認結果、証拠資料を記録します。
支援範囲、報酬、成果物、解除条件は個別契約で異なります。契約書と当事者の書面回答を優先し、紛争性のある判断は弁護士等へ確認してください。融資の可否、金額、資金使途、条件は金融機関等が審査して決定します。
設備資金と運転資金の区分を申込先へ確認する
初期導入費・月額利用料・年払い料金の設備資金/運転資金の区分や融資対象は、名称だけでは確定しません。見積、契約、支払時期、利用期間を示して申込先へ確認します。
初期設定・年払・従量課金・追加開発を月別化する
| 項目 | 計算・確認方法 | 根拠資料 |
|---|---|---|
| 買切り・端末 | 取得時にまとまって支払 | 見積・仕様・納品 |
| 初期設定・開発 | 着手・中間・検収で分割 | 契約・工程・検収 |
| 月額・年額 | 利用期間に応じ継続 | 開始・更新・解約 |
| 従量・追加 | 利用量や仕様変更で変動 | 単価・上限・承認手続 |
年額割引があっても、開業前の一括支払で自己資金が減る場合があります。月払いとの差額だけでなく、融資実行前の残高、解約不能期間、利用開始遅延を比較します。
工程と融資相談の資料
IT費用の相談で用意したい資料
見積に『システム一式』としかない場合は、端末、ライセンス、設定、開発、月額、保守へ内訳を分けてもらい、契約期間と支払条件を添えます。
本記事はIT費用の整理方法を示す一般情報です。個別費用の融資対象、設備・運転区分、会計・税務処理を確定するものではありません。
創業融資サポートを利用したお客様の声
支援の進み方や相談時の状況を知るには、実際のお客様インタビューが参考になります。承認率などの集計数字ではなく、ご本人の体験を確認できる事例をご案内します。






融資のアイラボの料金と支援範囲
着手金0円・成功報酬5%+税
報酬は融資が実行され、着金したときに発生します。融資が実行されなかった場合、サポート報酬はかかりません。
契約前に、成功報酬の計算対象、消費税、支援期間、追加費用の有無、解約条件を確認します。支援を利用しても融資は保証されず、最終的な可否と条件は金融機関等が決定します。
よくある質問
申込み方法や必要書類は制度・窓口・事業内容によって異なります。個別条件は必ず担当窓口へご確認ください。
SaaS費用は創業融資で相談できますか?
事業上の必要性、契約期間、見積、支払時期、資金使途を示して申込先へ相談します。月額・年払い・開発費を一律に扱わないでください。
SaaSの初期費用には何を含めますか?
要件整理、初期設定、データ移行、API連携、権限設計、テスト、教育等を成果物と検収条件に分けます。
月額費用だけ比較すればよいですか?
ID数、従量課金、ストレージ、サポート、更新、為替・価格改定、解約時のデータ取出しまで総額で比較します。
年払いの方が必ず有利ですか?
割引があっても、途中解約、返金、利用縮小、資金拘束を含めて比較します。
無料トライアル中の費用は0円でよいですか?
移行、設定、教育、並行運用、社内工数が発生する場合があります。試用終了日と有料移行条件も確認します。
セキュリティは契約書のどこを確認しますか?
責任分界、認証、バックアップ、障害対応、ログ、再委託、終了時のデータ返却・削除等を確認します。
利用者が増える場合はどう計画しますか?
月別のID数、単価、従量課金、追加サポートを置き、採用計画と同じ月に費用を増やします。
この記事の監修者・運営者情報

石川 康平
五常コンサルティング株式会社 代表取締役
2024年の問い合わせ・ヒアリング対応300件をもとに、創業融資の支援範囲・料金・制度情報について確認しています。
- 執筆・編集
- 融資のアイラボ編集部
- 監修
- 五常コンサルティング株式会社 代表取締役 石川 康平
- 公開日
- 2026年8月12日
- 最終更新日
- 2026年9月11日
- 制度情報の確認方法
- 日本政策金融公庫、信用保証協会などの公式ページを確認し、申込時は各窓口で最新情報を再確認します。
※冒頭の仕事の写真はAI生成の架空イメージです。お客様の声・監修者の写真は実際の人物です。
確認した公式情報・補足資料
2026年9月10日改訂:仕事・人物画像と図解を追加。本文・表の単位、現金と費用、条件と入金時期を照合しました。今回の公式情報の追確認範囲:IPA第4.0版とクラウド安全利用の手引き。月払い・年払い等の金額は自作の仮定例です。制度情報の当初確認日は過去の記録です。以下の参照先のうち、該当箇所を確認しています。
2026年9月11日:本文・図・補足・検索向け説明の整合と読みやすさを改訂しました。制度情報の確認日・確認範囲は、それぞれの記録をご覧ください。
制度・法令は公的機関や専門団体の公式情報を優先して確認し、民間事業者のページはサービス内容や比較観点を補う資料として参照しています。申込・契約時は、各公式ページと契約書面で最新情報をご確認ください。
- 公式:日本政策金融公庫「ソフトウェア開発業の創業ポイント」
- 公式:日本政策金融公庫「インターネット申込の必要書類のご案内」
- 公式:日本政策金融公庫「創業予定の方」
- 補足:IPA「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン 第4.0版」
- 補足:IPA「中小企業のためのクラウドサービス安全利用の手引き・説明資料」(PDF・容量が大きい場合があります)
- 公式:日本政策金融公庫「創業計画書 記入例」(PDF・容量が大きい場合があります)
情報確認日:2026年8月27日
ITの見積りから、支払計画を一緒に整理する
利用したいサービスの見積りや契約案を基に、導入費・月額費・追加料金を分け、年払い後に残す現金まで確認します。
資料が完成していなくても、相談した時点で契約する必要もありません。
※融資の可否、金額、利率、返済期間、担保・保証人などの条件は、各金融機関・信用保証協会の審査により決定されます。融資のアイラボは金融機関ではなく、融資の実行を保証するものではありません。
※制度情報の当初確認日は2026年8月27日です。本文・画像・図解は2026年9月10日に改訂しました。今回の再確認範囲は公式情報欄をご参照ください。制度内容は変更される場合がありますので、申込時には必ず各公式窓口で最新情報をご確認ください。
