法人を新設しただけで『創業者向け制度を必ず利用できる』とは限りません。既存事業の単なる移し替えか、新たな事業主体か、申込人や代表者の関連企業、過去事業、資金使途を含め、制度要件を申込先へ確認します。
日本政策金融公庫の創業計画書記入例には、申込人・法人代表者・配偶者が経営する関連企業を記載する欄があります。関連会社を伏せず、会社名、代表者、所在地、業種、出資・役員・取引・借入等を関係図と補足表へ整理します。
親会社が主要販売先・仕入先になる場合は、契約、単価、数量、回収・支払条件、解除条件を確認します。グループ内の予定だけで売上を確定せず、親会社側の発注根拠と新会社側の提供能力を両方示します。
既存の共同経営や個人から法人成りの記事とは異なり、本記事は法人間の支配・取引・資金移動に焦点を当てます。新会社へ必要な資金が親会社の債務返済や赤字補填へ流れないよう、資金使途と口座を管理します。

親会社から毎月売上が入る計画だが、契約・価格・発注数量が未確定で新会社単体の返済力を示せない
- 資本出資比率、実質経営者、役員兼務、保証、議決権を一覧にしていない
- 商流親会社売上・仕入を口頭予定で置き、単価・数量・解約・入金条件がない
- 資金貸付、立替、配当、業務委託、設備移転を同じ資金移動として扱っている
この記事の結論
- 関係図を先に作る
出資、役員、保証、契約、人員、資産を会社ごとに示します。 - 関連取引を契約化
価格、数量、回収・支払、解除、代替取引先を確認します。 - 単体返済力を検査
親会社依存が下がる慎重ケースでも資金が続くか試算します。
子会社・関連会社を新設する創業融資計画で想定される相談内容
以下は実績・成功事例ではなく、相談時に整理対象となりやすい状況を示した想定ケースです。融資条件、契約、会計処理、保存期間は各社で異なるため、自社資料と最新の公的情報で確認してください。
親会社100%出資の新会社で、親会社向け売上と外部売上を分けて計画したい
代表者が二社を兼務するため、時間配分、給与、意思決定、保証を整理したい
親会社から借りる設備と知財の使用料を契約化し、新会社単体の返済力を示したい
関連会社創業を説明する5工程
制度、関係図、契約価格、資金移動、単体採算の順です。
- 01制度要件を確認申込人・新設法人・関連企業
- 02関係図を作成出資・役員・資産・人員
- 03契約と価格を整理売買・委託・賃貸・知財
- 04資金移動を月別化出資・貸付・請求・精算
- 05単体慎重ケースを検査依存低下・遅延・最低残高
新設法人の実行性は独立性・透明性・単体返済力で判断する
法人名が別であるだけでは足りません。
新会社の実体
関連取引を記録
最低残高を検査
確認の組合せ新会社の返済余力=外部売上粗利+根拠ある関連売上粗利-会社単体固定費-税金-返済
子会社・関連会社を新設する創業融資計画について判断軸を整理した図です。個別案件の処理結果や融資条件を確定するものではないため、実際の画面表示と日本公庫の案内を優先してください。
この事業で融資前に数値化するポイント
新会社を作った理由を事業上説明する
責任分離、許認可、ブランド、共同出資、地域展開等の目的と、新会社で行う意思決定・リスク負担を示します。融資制度利用だけを目的にしません。
親会社売上を外部売上と同じ確度で置かない
発注書、基本契約、個別契約、予算承認、解除条件を確認します。親会社側の計画と新会社の提供能力が一致するか検査します。
設備・知財・人員の所属を明確にする
誰が所有し、誰が使用し、対価を誰が負担するかを契約へ落とします。兼務者は勤務時間、給与、指揮命令、秘密保持を整理します。
申込制度の創業・対象者要件を法人関係とともに確認する
資本と経営を見える化
出資、役員、権限、保証を整理します。
契約と価格を根拠化
数量、単価、入金、解除を確認します。
単体資金繰りを作成
依存低下後も返済余力を確認します。
グループ関係表には、各法人名、所在地、設立日、代表者、事業内容、資本金、株主・出資比率、議決権、役員兼務、従業員の所属、設備・在庫・知財の所有、使用契約、親会社との販売・仕入・委託・賃貸・貸付・立替・保証、年間・月間取引額、価格根拠、回収・支払条件、契約期間・解除、他社取引、申込資金の支払先、口座、承認者を記載します。
融資審査、支援契約、雇用・休業制度、給付、法人関係、税務・会計上の取扱いは、申込先、勤務先規程、契約内容、取引実態、個別事情で異なります。公式情報と契約書を確認し、必要に応じて金融機関、勤務先、ハローワーク、弁護士、社会保険労務士、税理士等へ相談してください。
出資・議決権・役員・実質経営・保証を関係図へ示す
新会社設備・運転資金・外部売上・自己資金
- 新会社名義の設備・保証金・仕入・人件費
- 新会社の自己資金・借入・外部顧客売上
- 親会社向け売上の契約・提供・入金
- 新会社単体の税金・返済・最低残高
出資・貸付・立替・委託・賃貸・保証・配当
- 親会社からの出資・借入・立替・債務保証
- 親会社への販売・仕入・業務委託・賃料
- 設備・在庫・知財・人員の移転・利用
- 配当・貸付返済・資金移動の承認と記録
親会社売上が月300万円の計画でも、契約数量が半減するケース、入金が一か月遅れるケース、親会社以外の売上が立ち上がらないケースを置きます。数値は例示です。関連会社への資金流出後ではなく、新会社単体で設備・給与・返済を賄えるか確認します。

会社関係図と月次資金移動表を同じページへ置く
資本関係だけでなく、毎月の請求、入金、支払、立替精算、貸付返済を矢印で示します。契約と請求書と通帳が同じ取引を示すよう、名目・金額・承認を揃えます。
親会社との売上・仕入・委託・賃貸・知財契約を分ける
| 項目 | 計算・確認方法 | 根拠資料 |
|---|---|---|
| 出資 | 株式・持分に対する資本 | 株主、比率、払込履歴を確認 |
| 貸付 | 返済義務のある会社間資金 | 契約、利率、期限、返済を確認 |
| 取引 | 販売・仕入・委託・賃貸 | 価格、数量、提供、請求を確認 |
| 立替 | 一時的な費用負担 | 原票、精算日、反復性を確認 |
口座への入金だけでは出資・売上・借入・立替を区別できません。契約、請求、払込、議事録等の根拠へ戻り、会計・税務処理は税理士等へ確認します。資金の名目を後から都合よく変更しません。
関連取引の価格・数量・回収支払・解除条件を根拠化する
申込人・新設法人・関連企業
出資・役員・資産・人員
売買・委託・賃貸・知財
出資・貸付・請求・精算
依存低下・遅延・最低残高
新会社単体の資金繰り表を基本にし、親会社からの出資、貸付、売上入金と、親会社への仕入、委託費、賃料、返済を別行で示します。相殺せず総額と支払日を確認します。
親会社の支払能力や発注方針が変わるケースでは、新会社の回収遅延、外部販売の立上げ、固定費削減まで反映します。グループ合計が黒字でも、新会社口座の残高が返済日に不足すれば単体の資金繰り問題です。
制度、許認可、手続、融資条件は変更される場合があります。申込時は公的機関の最新情報と金融機関の案内を確認してください。
新会社単体の資金繰りと親会社依存低下ケースを検査する
親会社・関連会社の決算書、契約、取引明細は機密情報です。申込先へ必要範囲と提出方法を確認し、権限なく第三者へ共有しません。個人情報や他社顧客情報は匿名集計を基本にします。
本記事は関連会社を伴う創業計画の一般的な整理方法です。制度適用、法人格、関連当事者取引、税務、会社法上の手続、融資可否を判断しません。申込先と専門家へ確認してください。
創業融資サポートを利用したお客様の声
支援の進み方や相談時の状況を知るには、実際のお客様インタビューが参考になります。承認率などの集計数字ではなく、ご本人の体験を確認できる事例をご案内します。






融資のアイラボの料金と支援範囲
着手金0円・成功報酬5%+税
報酬は融資が実行され、着金したときに発生します。融資が実行されなかった場合、サポート報酬はかかりません。
契約前に、成功報酬の計算対象、消費税、支援期間、追加費用の有無、解約条件を確認します。支援を利用しても融資は保証されず、最終的な可否と条件は金融機関等が決定します。
よくある質問
申込み方法や必要書類は制度・窓口・事業内容によって異なります。個別条件は必ず担当窓口へご確認ください。
子会社でも創業融資を申し込めますか?
一律には判断できません。制度の対象者・創業要件、既存事業との関係、事業計画を申込先へ確認します。
親会社100%出資でも対象ですか?
出資比率だけで判断できません。実質的な経営、資金使途、事業実体、制度要件を申込先へ確認します。
親会社からの受注を売上計画へ入れられますか?
契約、数量、価格、発注承認、提供能力、入金条件を確認し、依存低下ケースも作ります。
親会社の決算書も必要ですか?
必要資料は申込先へ確認します。関連会社の財務・取引資料を求められる可能性に備え、提出範囲と機密管理を整理します。
親会社からの入金は自己資金ですか?
出資、貸付、売上、立替で性質が異なります。契約と払込履歴を確認し、自己判断で同じ扱いにしません。
親会社の設備を無償で使えますか?
所有、使用許諾、費用負担、保険、修繕、税務等を確認します。契約と専門家の助言を得てください。
グループ全体が黒字なら返済できますか?
融資を受ける新会社の口座・収支・返済力を単体でも確認します。資金移動には契約と手続きが必要です。
この記事の監修者・運営者情報

石川 康平
五常コンサルティング株式会社 代表取締役
2024年の問い合わせ・ヒアリング対応300件をもとに、創業融資の支援範囲・料金・制度情報について確認しています。
- 執筆・編集
- 融資のアイラボ編集部
- 監修
- 五常コンサルティング株式会社 代表取締役 石川 康平
- 公開日
- 2026年8月13日
- 最終更新日
- 2026年8月13日
- 制度情報の確認方法
- 日本政策金融公庫、信用保証協会などの公式ページを確認し、申込時は各窓口で最新情報を再確認します。
※記事内の相談場面を表現した写真は、内容を分かりやすく伝えるために作成したAI生成のイメージです。「お客様の声」に掲載しているお客様と監修者の写真は、実際のお客様・監修者の写真です。
確認した公式情報
制度内容や申込方法は改定される場合があります。申込時には各公式ページと窓口で最新情報をご確認ください。PDFは容量が大きい場合があるため、スマートフォンでは通信環境にもご注意ください。
- 日本政策金融公庫「創業計画の書き方」
- 日本政策金融公庫「インターネット申込の必要書類のご案内」
- 日本政策金融公庫「新規開業・スタートアップ支援資金(女性、若者/シニア起業家支援関連)」
- 日本政策金融公庫「創業予定の方」
制度情報確認日:2026年8月13日
子会社・関連会社を新設する創業融資計画の確認表を整える
出資・役員・人員・資産、親会社取引、会社間資金移動、単体資金繰りを一枚の関係図へまとめます。資料が完成していなくても、現時点の事実と不足資料から確認できます。
資料が完成していなくても、相談した時点で契約する必要もありません。
※融資の可否、金額、利率、返済期間、担保・保証人などの条件は、各金融機関・信用保証協会の審査により決定されます。融資のアイラボは金融機関ではなく、融資の実行を保証するものではありません。
※本記事は2026年8月13日時点の公表情報をもとに作成しています。制度内容は変更される場合がありますので、申込時には必ず各公式窓口で最新情報をご確認ください。
